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★学校は、なぜ、ブラック職場なのか

 最近、教師の仕事がブラックであることが連日報道されている。先日の新聞には教師の労働時間に上限規制を設けるべきという中教審の意見が掲載されていた。

 教師の給料にあらかじめ残業代が支払われていることは余り知られていない。1971年に「公立学校教育職員の給与等に関する特別措置法」が制定され、一律、給与の4%が支給されることになった。田中角栄内閣の頃ではないか。4%の根拠は、40年以上も前の残業時間から割り出された数字で、現状に合っていないのは自明の理。 教師の仕事は個人差が大きく、残業と見なして良いかの判断に迷うのも事実。

 制度の改革を待っていても、いつになることやら分からない。働き方に関しては、教師一人一人が自己改革、自己防衛していく必要がある。

 私の場合、朝は勤務時間よりも一時間以上早く出勤することはあるが、夕方は、よほどの残務がない限り、ほぼ定時で退勤している。朝は電話がかかってこない、他の職員は出勤していないので、仕事に集中できる。仕事に疲れた状態で、おばちゃん、おじちゃん教師の生徒や仕事への愚痴を聞きながら仕事をするのは何とも非効率。だから、さっさと退勤する。

 一部の学校管理職の中には、「遅くまで残って仕事をする教師=仕事熱心な良い先生」という「お前は星一徹か!」とツッコミを入れたくなるような、化石的思考を、未だお持ちの方がいる。民間企業から見れば、長時間労働による自死や過労死が社会問題になっている現状で「時代に逆行して、何言ってんの?」と言うレベルである。

 私は昨年まで管理職(副校長)候補者であった。当時の管理職から「管理職候補者は、他の職員が残っているのだから、勤務時間後も残るのが当たり前。休日出勤も当たり前だろ!」と言われ大きな疑問を覚えた。自分の人生の貴重な時間を、僅かな手当のために切り売りして、管理職なる意義が見いだせないと感じた私は、管理職候補者を辞退することにした。

 また、私は積極的に年次有給休暇を取得するようにしている。学生からストレートで教師になってしまうと、「休暇=欠席」と認識してしまい、休暇はできるだけ取らない方がいいと考えてしまう若者がいる。かくいう私も、若い頃は先輩や管理職の顔色を伺いながら休暇を取得していた記憶がある。土日部活動の振り替え休日を取ることさえままならない現状で、これでは、危険な過重労働を招きかねない。平日であっても、授業をやりくりして積極的に休むことを若手教師に指導することが必要である。

 制度の改革と教師の意識改革。学校がブラックと言われ続け、良い人材が集まりにくい状態がこれ以上続けば、「日本の教育」の質の低下が看過できないレベルに達することが危惧される。

学校教育には矛盾がいっぱい!