マインドコントロール
(今から約20年前)オウム真理教事件から「マインドコントロール」なる言葉が一躍脚光を浴びるようになった。人の善悪の判断さえも狂わせ殺人をも肯定させてしまう恐ろしい行為のように思える。しかし、マインドコントロールは宗教団体のような特殊な人達だけが使うものではない。実は私達の身の回りでごく自然に行われているのである。
私達は毎日をいつも自信に溢れて生活しているわけではない。仕事、子育て、病気、様々な問題を抱え、不安の中で生活している。そして「誰かに『お前は正しい』と言ってほしい」と心のどこかで願っている。
しかし、世の中にはまた、いかにも自信ありげに物事を語る人がいるものである。そのような方々は「私を信じていれば大丈夫」というオーラを常に発している。心の弱い多くの人々は、そんな人に相談を持ち掛ける。その結果うまく物事が運ぶ。すると、その後も度々相談することになる。次第に信頼関係が結ばれていく…。と、ここまでは何の問題もない。
さて、信頼関係ができたところで、頼りになるカウンセラーとなった友人は、相談者に自分の私見(偏見)を語り出す。「私は○○が嫌いだ。」「△△は間違っている。」心から信頼している人に言われると、偏見に満ちた、少々おかしな、矛盾したことでも真実味を帯びて聞こえるから不思議である。知らず知らずのうちに、自分の価値観は相手の考えに染められていく。別の友人から「そんな人を信じて大丈夫?」と言われると、自分が批判されている気分になり、さらに、カウンセラー的友人に傾倒していく。そして、マインドコントロールは完成する。
「えっこれだけ?」と言われるかもしれないが、これが、基本的なマインドコントロール(洗脳)である。
教師が気弱な子どもに自信をつけさせる。セールスマンが客に品物を買わせる。資格取得を指導する講師がコーチングを行う、これらも一種のマインドコントロールと言うことができる。つまり、マインドコントロールとは使い手の価値観一つで、毒にも薬にもなるのである。
複数の信頼できる相談者をもち、時には厳しい批判にも耳を傾け、自分の心をより強くする。間違った価値観をもった人にだまされないように、お互い気をつけたいものである。
★昨今、「サイコパス」と言う言葉が流布するようになった。私は、脳科学者の中野信子さんの本を何冊か読んだ。
サイコパスは相手よりも自分が優位に立つために、マインドコントロールを使いこなす。本人が、それと自覚しているかは別にして、人に嘘をついても罪悪感を感じないからマインドコントロールが上手い。結果、多くの人が、「騙されている」という自覚のないまま騙されていく。
サイコパスは政治家や医者、経営者や管理職、そして教師にも多い。皆さんの周りにも、必ずサイコパスは存在する、
私は今まで、3人のサイコパスに遭遇した。一人目は盲学校時代の先輩教師(「変人」のススメに詳細を記載)、残り2人は、この3年間で知り合った、日常生活上、近しい関係を保持しなければならない人物である。
彼らは、親切な善人として私に近づき、ある程度親密になったところで豹変した。自己の偏見を押しつけ、私を支配しようとしたのである。「こいつは変だ!」と気付いた後も、様々な理由で関係を解消することができず、ダメージを受け続けた結果、鬱を発症。そこでようやく、相手との距離が取れるようになり、避難できると同時に、相手が、「悪意を持ったサイコパス」であったと改めて自覚した。
サイコパスがすべて悪人とは限らない。しかし、急速に近づいてくる、他人を支配しようとする、排他的な言動を繰り返す、精神的な束縛をしようとする人物には充分に注意されたい。
学校教育には矛盾がいっぱい!