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中学生と規則

今日、授業をしていたらこんな場面があった。

1年生の文法単元。前の時間に、次回は問題集を使うことを予告していた。そこで、「これから問題集を使うので出しなさい」と言うと、「(教室前の廊下にある)ロッカーにありますが、廊下に出ると、着席違反になるので取りに行けません」という答えが返ってきた。

1年生では、授業開始のチャイムが鳴る前に、授業に必要なものを準備して着席することが規則として指導されている。違反すると、生活委員にチェックされ、帰りの学級活動で反省の弁を述べねばならないらしい。

「問題集と連絡黒板にかかなった国語係が悪いんですよ」と言う者まで現れ始めた。

私は、1学年所属ではないので、ロッカーに取りに行くことは指示せずに、問題集の当該ページをコピーしたプリント配布して授業を進めた。

授業を終えてから、中学校の規則、校則とは何のためにあるのだろうと考えた。社会人になって求められるのは、場面に応じた、臨機応変な対応だと思う。問題集が必要だが、それが廊下のロッカーにある場合、臨機応変で合理的な対応としては、「先生に許可を得て取りに行く」という行動が考えられる。

しかし、今の1学年の規則は、それを許す状態にないのではないかと考える。規則を守ることを教えるのも教育だが、臨機応変な対応を阻むような規則は生徒の成長を阻害するのではないだろうか。

先日、一切の校則を無くした世田谷区立桜丘中学校の西郷孝彦前校長先生のお話を聞く機会があった。桜丘中のような学校を作るのは、一朝一夕には為し得ない。しかし、近づけていく努力はできると思う。生徒の成長を阻害する校則は他にもたくさんあるのではないかと感じた。

「校則を無くすことで、生徒は、自分の行動に責任をもつようになります」と西郷先生はおっしゃっていた。

規則に従順な人間を育てるより、臨機応変な判断ができきる、自分の行動に責任がもてる人間を育てることの必要性の方が高いと思う。

学校教育には矛盾がいっぱい!