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帰属と多様性と欲望と秩序と…

前回書いたトランスジェンダリズムの話。
あーあ、と思いつつXを見ていたら、
内田樹先生のこの投稿を見つけた。

本当に、その通りだ、と思います。

アイデンティティって、自分一人だけでは見いだせないモノで、
結局は「私はどこに帰属しているか?」で判断するんだと思うんですよ。
例えば、私だと「神経発達症の傾向のある、外れ値の特性を持った、日本の関東弁話者」とかね。
(フツーはもっと具体的な、○○家の人間、とか、△△学校出身者、とかになるんだと思う。)
自分が、そのグループの属性に近いナ、と感じる特徴が、自分の特徴であり、自分の帰属先だ、と思うのよネ。
帰属意識って、安心の元でもあるけれど、排他的な感情の元だったりもする。

同じ「部族」で生まれ育った人ならば、同じ文化を身に付けているから、不文律が使えるからコミュニケーションが楽、なんですよね。
だから大きい企業とかは、とりあえず大学名で人を選んだりする。
同じ学校に通ってた人ならば、実家の経済力とか体験したこととか、だいたい揃えることができますもんねぇ。
意思疎通が楽なら仕事の効率も上がります。
でも、人口が減っていく日本国内でコレを続けるのは無理があるし、
外圧だのなんだのもあるだろうし(w)、
全体的な意見として、とりあえず
「多様性、良いんじゃない?」
みたいなノリになったけれども、その多様性を受け入れる文化は、まだきちんと出来てないのよね。
実際、障害者雇用の制度なんてムチャクチャですしねぇ…。

で、日本だけじゃなくて、人間のいるところではどこでも、やっぱ「変わったヤツ」は弾かれるから、帰属する場所が無いんですよね。
そうするとアイデンティティが迷子になって、自分が何者であるかわからなくなり、もともと変わっているヤツの言動が更に不安定になっていく…。
だから、帰属できそうな集団を見つけたとき、一気に心酔しちゃうんだよねぇ。

帰属先の文化に心酔しちゃえば、当然視野狭窄になるから
「これこそが正義だ!」「これを理解できないヤツは悪だ!」
なんてことになってしまう。
もともと弾かれていたヤツが、こんどは他人を激しく糾弾しはじめる…。

この構図、トランスだけではなくて、規模は全然ちがうけれどオタク界隈とか障害者界隈とかでも、「あるある」な光景なんですよねぇ。

んで、ちょっとコレ、ポピュリズムとプロレタリア革命とか民主主義革命とかまで思い起こしてしまった^ ^;
イヤ、ちょうどポピュリズム感満載の都知事選が終わったばかりだったし、ねぇ…大袈裟な連想でスミマセン^ ^;

んで、サ。
怒られるかも知れないけれど、
一部の自称トランスジェンダーの人たちって、「障害者」という下層身分に落ちるのが怖いから、
「そうではない!トランスジェンダーだ!」
と言い張っているのかなぁ…と見えたのよ。
障害者って、単純に、最頻値に合わせられない人、と私は思っているのですが、一般的には最下層民を意味したりするんですよネ。
だから余計に身分の闘争!みたいに感じるのよね。

特にMtoFの人は、男性文化の中で「敗者」扱いされてきたから、
ここで「女性という身分」を手にいれれば、当然「女」より腕力があるワケだから、一気に「勝者」になれる!なんて考えてるのだろうなぁ、と思うわけですよ。
(実際、女性枠のスポーツで無双してみたり、職場の女性採用枠を取ってみたり…等々あるワケだしネ)

本来のダイバーシティとかインクルージョンとかって、
「能力による競争で人間の価値を決めるのはやめようよ」
という意味があったハズなのですが、
そういう理想よりも、
「オトコとしては勝ち上がりたいノダ!」
という欲望の方が強かった、ということなんでしょうねぇ。

大して意味の無い「勝ち負け」にこだわる人って、一種の承認欲求モンスターになってしまうから、周囲の人が困ってしまうのよねぇ。

本来のジェンダーフリー、「ジェンダーをトランス(越える)する」という意味だって、
「社会的役割を性別で固定するのはやめようね」
という意味だったはずなんだけど、いつの間にか
「女性の装いをしていたら、完璧な女性として扱わないのは差別だ!性別は自由にトランスできるんだ!」
なんて話にすり替わっているし…。

何か新しい社会的な動きがあると、「それに乗じてのし上がってやる!」という欲望に、全部乗っ取られちゃうんだねぇ…。

「欲望を抑えられない人」に対しては、「ルールを守ってネ」としか言いようが無いのだけれど、欲望を前にしたらルールなど無意味!というなんとも勇ましい(=男性に限らずオトコらしい)人が多すぎるのよね…。

ルールの必要性がわからない、という「認識の限界」を持つ人も、結構たくさんいますし。

果たして、この現状から公正な契約・秩序は得られるんでしょうかねぇ…。





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