【 ② リズム編 】心地いいDeep Houseを制作するための5つ以上のコツ ▶︎ Model:Cycles
Elektron Model:Cycles(以下、m:c表記)を使って
Deep Houseよりの
心地いいトラックを
制作するためのコツ
をシェアします。
m:cでの操作をなんとなく理解している初心者の方向けです。
今回はいよいよ
「実践編」
を書いていきます。
題材となる曲は以下です。
この楽曲を制作した際のプロジェクトファイルは以下からDL可能です。
Model:Cycles(以下、m:c表記)をお持ちの方は、プロジェクトファイルをインポートし、実際に音を鳴らしながら読み進めていただくと理解しやすいと思います。
【 その前に 】
楽曲は
演奏する前にm:cでしっかりと作り込んでいます。
MIDIキーボードを接続して
メロディーやコード進行を考え、音色の作り込み、パラメータロック、細かなリズムの揺れや強弱
など筆者のイメージにできるだけ近づけました。
そのため、作り込みが終わった時点で楽曲のクオリティはほぼ完成されています。
あくまで筆者が音楽を作る場合の話になりますが、
この「作り込み」の作業がもっとも重要
なのですが、これをすべて解説すると、あまりにも文字数が多くなり、また場合によっては理論的で面白みに欠けてしまいます。
そこで、プロジェクトファイルを用意した上で、
「 こうしたらいい感じになるかも 」
というコツにフォーカス
して記事を書いていきます。また、過去の記事と重複する点や、筆者の主観が入る部分もありますので、ご了承ください。
【 キックとベースの棲み分け 】
心地いいグルーヴを生み出すには、
キックとベースの動き、そして
スネアの位置が重要
です。
以下は、パターン4のトラック1に打ち込んだ
キック(Kick)、
ベース(Bass)と
トラック3に打ち込んだ
スネア(SD)の
トリガー(音が鳴る)の位置を図にした
ものです。(パターン:以下P表記 トラック:以下T表記)
図の大きな枠にある数字は小節(1〜4)を示し、その下の数字は1小節を16分割した16分音符の位置を表しています。
上図の
SD FILLはFILLボタンを押している間だけ鳴る
(トリガーされる)スネアの位置です。
また4小節目の12番目の赤い四角は、SWINGのパラメータロックを設定し、実際に音が鳴る位置を13の頭直前にしています。
これは、FILLボタンを押していない間は4小節目の4拍目にスネアを鳴り、FILLを押している間は、その音が鳴りつつ4拍目以降スネアのフィルインが鳴るようにするためです。
長くなりましたが、ポイントは
キックとベースを同時に鳴らさない
ことです。
4つ打ちキックを基本にし、その間を縫うように16ビートのベースが鳴ります。こうすることで、
自然と両方の音が
しっかりと前に出るようになります。
また、キックが4つ打ちで小節の頭をはっきりさせつつ、
16分音符のベースを
使うことで裏拍が強調
され、BPM128の速すぎず遅すぎないテンポ感の中で、
浮遊感のあるグルーヴ
を作ることができます。
【 スネアについて 】
スネアはT3に打ち込んでいます。
ポイントは2つ。
①スネアにリバーブ
偶数小節(2と4)の4拍目のスネアには、
パラメータロックでリバーブの値を大きく
設定しています。
理由は、リバーブの残響音を印象的にすることで、
次のスネアが
鳴るまでの間をつなぐためと、
ビートに奥行き感を出すため
です。
リバーブが深くかかったスネアが「パーーーン」と鳴った後、徐々に音が小さくなり、次のスネアが「パンッ」と鳴って区切り、次のビートへと移る感覚です。
リバーブの「深さ」を調節することで、グルーヴにメリハリをつけることができます。
②DECAY(ディケイ)でグルーヴ感
上図を見ていただくと、スネア(SD)の基本的な位置は2、4拍目です。その間の8番目と10番目にも音を打ち込んでいます。
これにより、
ビートが軽くなります。
m:cをお持ちの方は8、10番のトリガーを消して再生してみると、
2拍目と4拍目だけのスネアではビートが重く感じる
ことが分かると思います。
ビートを軽くし、浮遊感を出すためのさらに効果的な方法は、2拍目と4拍目の間に鳴らす
スネアのDECAY値を、
2拍目と4拍目よりも小さくする
ことです。
例)
スネアのDECAYの値:
2、4拍目 → 50
1小節目の8番目の音 → 35
スネアのDECAYの値を
細かく調節することで、
グルーヴ感を簡単に
コントロールできる
ので、オススメです。
ちなみに動画の02:18でスネアのDECAYの値をリアルタイムで大きくしています。
DECAYをいじることで
グルーヴ感に変化を加え、
展開にアクセントを
つけることができます。
m:cの左上部にある青色のロータリーエンコーダー下にあるPAD MENUのボタンを押せば瞬時に元の値に戻せます。(m:cは便利な機能が多い!)
以上、最初の実践編をお届けしました。
お読みいただき、ありがとうございました。
▼つづきを書きました。
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