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慶應生、山形・庄内で「山伏」になる。➁編

➀編の続き!

➂庄内と死生観
〜庄内論語、先端研、それから滝行〜

今回のセミナーの意義の一つには、
自分自身の死生観と向き合うこと。

自分の死生観について、
みなさんは考えたことはありますか?

セミナーの事前課題でも問われた、
現時点での私自身の死生観については、
下に書き下ろしておきます。
ご自身の死生観と比べてみては。



⭐︎キーワード=円環

○死について
近代自然科学的。死ぬ→分解される→終わり。
天国・地獄は考えない、淡白で冷淡な考え方。
怪力乱神を語らない、儒教的姿勢。

○生について
仏教的。輪廻転生のイメージ。
細胞周期やサーカディアンリズムから
容易に想起できる。

⭐︎︎自分の死生観の問題点

・円環的な死生観とは相容れない、
大学生活における一方向的・直線的
スケジュールの影響を大きく受けている。

・生死に全身で向き合った経験が少ない。

・自分の生に向き合うのに手一杯で、
自分や他者の死に向き合えない。

・生死は表裏一体であるはずだが、
死生観には矛盾がありさらには
それを見て見ぬふりをしている。



以上の内省を踏まえて、
セミナーに参加させていただきました!

正直、セミナー参加後も
大きく死生観は変わりありませんでした。


しかし、死生観について考えるヒントは
獲得できました!!

1、庄内論語の素読
2、慶應先端生命科学研究所の見学
3、湯殿山での滝行


1、庄内論語の素読
⇒死を恐れないための「孝」と、魂の概念。

庄内論語。一般的な論語とは、読みや送り仮名が異なる。

➀編でも言及した致道館では、
当時の藩校生徒と同じ部屋で
「庄内論語」
(徂徠学の教育風土を継承するために、
教育委員会が作成した小中学生向けの冊子)の
素読
(意味の理解の有無に関わらず、
とりあえず声に出して自分の骨肉にする作業)
を行いました。

孔子が唱えた、
肉体とは別物の魂が
祖先〜子孫まで循環していくという、

死を恐れないための「」の概念を
僅かではありますが理解しました。

脳を中心とする近代的生命観とは全く異なる、
魂の存在を前提とする概念に触れ、

伝統的な墓参りや仏壇の文化を想起しましたが、

正直なところ具体的な想像ができず
現時点では腑に落ちませんでした。


2、慶應先端生命科学研究所の見学
⇒連綿と続く生殖細胞に着目すれば、
 人間は30億年一度も「死んで」いない

先端研 メタボローム拠点には
億単位の測定機械がそこかしこ。

1000年以上前からのいにしえの信仰が残る
「出羽三山」とは全く対照的に、

慶應義塾大学の生命に関する
最先端の研究も行われている、

今昔のコントラストが鮮烈な庄内地域。

慶應先端研、ベンチャー企業が拠点を置く
「鶴岡サイエンスパーク」を
見学させていただきました。

そこで行われている最先端の研究内容
(とくにクマムシ研究!!)
に圧倒されるとともに、

自然科学的見地から見た
生命や寿命について考えました。

自分たちの遺伝子情報が
30億年以上という途方もない年月の間
継承され繋がっていることは
容易に腑に落ちませんでしたが、

「孝」を大切にする庄内論語や
既存の伝統的宗教観=円環的つながり
重なり合う部分もあり、

その奇妙な共通点が印象的でした!

3、湯殿山での滝行
⇒「生まれ変わり」の概念、
 円環的生命観を身をもって体感

心機一転!!!

2000段以上の石段がある
「現在の山」羽黒山に対して、

その御神体は「語るなかれ、聞くなかれ」の
「未来の山」湯殿山。

そんな聖地湯殿山で、
修行=滝行体験をさせていただきました。

(御神体及びその周辺は撮影NG)

出羽三山への参拝を通して、
西洋的な(人間対)自然の価値観を脱却し、

信仰の対象としての「お山」の価値観を
僅かながら体感できました。

(イメージとして合致するのは、
まさに映画「もののけ姫」のオープニング。
事実、アシタカの住む里や森は
蝦夷=東北地方がモデルと聞きました!)


滝行の感想としては、
きつい・つらいというより、
清々しさが勝るのが率直な感想。

「未来の山」湯殿山で、
滝行による自分自身の生まれ変わりを通して、

自分を取り巻く様々な生命の
円環的循環の片鱗を体感しました!


総括


今回のセミナーに参加して良かった!

なぜなら、

庄内内外の人びと、
学年を越えた慶應関係者との交流のお陰で、
考えるきっかけ・新たな視点を獲得できたから!

だけど、

現状の問題点としては、

○自分自身が、自分の生に向き合うのに
手一杯であること

○(夏休み前半も含めて)様々な経験をした
→この先、自分の経験だけに依拠した生き方、
 今までの知識・経験は生かしきれているか
 疑問を抱いた。
⇒・学びを単なる知識では無く、
  実践に昇華できるかどうか
 ・自分が第一に感じたことを
  大切にすると同時に、
  疑ってかかる姿勢を忘れない
 ・第一印象で決めつけることで、
  学ぶチャンスを自ら狭めない

○セミナーでは死生観だけで無く、
 首都圏では無く地方での働き方の選択肢を
 学んだ。
 →これからどの方面で、限られた時間で
  自分の経験を広げて職業選択をするか


などなど、、

色んな課題が浮き彫りになり
収穫の多いセミナーでした!


最後に、お世話になったセミナーのみなさま、
ありがとうございました。

一緒に参加したみんなー!
刺激的で、楽しかったよー笑



ここまでお読みいただき、
ありがとうございます!

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