「殺さない彼と死なない彼女」


ずっとずっとずっと観たかった映画をやっと観ました。


「殺さない彼と死なない彼女」

世紀末さんという方のの原作があって、その実写映画版になります。

世紀末さんを知ったのは高校生の頃。
悩みや葛藤を抱えてたときに、大好きな友達から教えてもらって、そこから世紀末さんのSNSをチェックするようになりました。


そこには手描きの漫画やイラストが投稿されていて、何気ない日常の一部なはずなのに、どこか心に重たく刺さる表情や言葉が溢れていました。

ゆるいイラストと何気ない会話の中に、重たくのしかかるような意味の言葉が隠されているという世界観がとてつもなく大好きになって、

「きっとほんの一部分の人にしか伝わらないだろう」と思っていた私の抱えているものが描写されているみたいで、たった1つの投稿、たった4コマの漫画、たった1枚のイラストなのにずっしりと心に残されていきました。


そんな世紀末さんの「殺さない彼と死なない彼女」は本と映画の存在を知っていながらも今まではあえて観ることを避けていました。

そもそも心が大きく揺れ動くほどの本や映画があまり得意ではなく、映画館という公共の場で自分の感情を露わにするのもなんか嫌で、かといって家で1人で本や映画観るのはこの感情をどこに誰に共有すればいいのか分からなくなってなんか嫌でした。

そんな私が、たった1つの投稿や漫画だけでも重たく心に刺さる方の何百頁もの本や何十分もの映画を観てしまったら、どうなってしまうんだろうという気持ちでいっぱいでした。

明日ちゃんと仕事に行けるだろうか?
きちんと生活していけるだろうか?
死にたくなってしまわないか?

大袈裟に聞こえるかもしれないけど、本当にそう思ってしまって、いつか、忙しない日常から一瞬でも解き放たれたときに観ようと決めていました。


ここ5日間夏季休暇をいただいて、Netflixでの配信がまもなく終了するということもあり、意を決して映画「殺さない彼と死なない彼女」を観ることにしました。


案の定、意味わからないくらい泣きました。

こんなに重たく引きずる映画は他にないと断言できるくらい、私にはストレートに刺さって、観終わったあとも小一時間はあの台詞やあの場面を思い出して泣いていました。


もしかしたら日常会話に聞こえるかもしれない1つ1つの台詞に、実は呪い級の重たい意味が込められています。

その中でも有名な名台詞をいくつか抜粋します!

「1人は耐えられるけど、孤独は耐えられないわ」

「あなた以外の誰かと幸せになるくらいならあなたのそばで不幸になりたいわ」

「『バイバイ』ってなんだかもう会えないみたいで嫌なの。『またね』って言って?」

「あなたに抱きしめられている間だけ私は自分のことがとてもいいものに思えていました」


こんなことを映画内ではサラッと言って。
だけどこころの内ではきっと胸が張り裂けそうな想いをしていたりするのかな。


よくある学園モノの恋愛映画だと思って観たら死にます。ただ誰かが亡くなって感動するとか、運命的な出会いに感動するとか、そんなもんじゃなくて。


私が日々誰かに伝えてる1つ1つの言葉には実は深くて重たい意味が込められているみたいに、この映画もそうでした。

だから、独りじゃないって思えました。
どんなに孤独を感じても、この世界観だけは味方をしてくれると思ってしまいました。

次の日は有り得ないくらい目が腫れて3になっていて、5連休でよかった…と思いました。


また、大切な何かを忘れかけてしまいそうになったら観ます。本も買ってみようと思います。


私と感性が近い人はぜひ観てみてください。



※このお話はノンフィクションです。



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