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サツキ『メズマライザー』の考察

サツキさんのメズマライザー凄く良い曲で、
channelさんのMVも示唆的なもの含みで凄く良いMVで。
あたま空っぽにしてミクちゃんテトちゃんカワイイ!で受容してもいいし、
あるいは、意図的に仕込まれた明らかな違和と言いますか…

手触りで感触を確かめた時にちくりとトゲが刺さるような、
または情報過多を視界に注ぎ込まれて脳内のアラートが鳴り響くような、
心のゾワゾワする感覚を楽しむことも出来る楽曲だと思っていまして。

そうやってなんでもなくリピート再生していた際、ふっと思いついた解釈がありまして…

ボーカロイド・ボイスロイド・合成音声etc.をすごく愛している方も居られると思いますので、これはある種、とてもひどい考察・解釈にはなるのですが…

(念のため、これも解釈のうちのひとつなのでもちろん、どれかが正解というわけではないです)

途中の字幕なしシーン、
ミクの方は
『動かなくなる彼方 「これでいいんだ」 自分さえも騙し騙しShut down』
までたどり着けているのに、
テトの方は
『動かなくなる彼方... (強制解除)』
でグリーンバック(GB)になっちゃうんですよね。

フィクションの世界のキャラクターは、
「自分がフィクションの世界に居る」とは
基本的に考えないわけじゃないですか。(メタネタを除く)

催眠が強制解除されてGBになるというのは、
「この世界で生きていると思っていた自分達が、
視聴者の基底世界でGBとして現れてしまう
=初音ミクと重音テトが基底世界のキャラクターであることを
識ってしまう、誤魔化して認識していた催眠が解けてしまう」
という見方もできるかなと思っていて。

これは伝え聞いた表現なのですが例えば、
トランプに描かれたキングは自分自身のことをめくれないけれど、
それを持っている人間は容易にそれをめくることができますよね。
つまり「面」の二次元に対して「立体」の三次元は、
二次元が伺い知ることの出来ない形で干渉できるわけです。

もっとよく、自分事のように捉えて考えてみるのなら、
たった今、周りの空間が、部屋が、瞬時に緑一色になって。
まるで私達の世界の常識たる物理法則を無視して、
「四次元的な観測者から、消費物的に見られていること」を認識させられてしまったら…

それはテトが吐き気を催すのも、「私はこの世界に間違いなく生きている」という催眠が解けて、ミクが壊れてしまうのもむべなるかな、という所だったりするのかな、と…

動画の最後、キャラクターであることを識ってしまったテトも、
「楽曲や動画みたいな、そういうパッケージングされた中でないと自分は存在できないんだ」というのを嫌でも分かってしまうわけで。
だからこそ、もう諦めたように目を閉じて、ハイライトのない目で微かに笑って終わったのかな。

そう考えると、催眠でも常識でも、
「ひとが認識して、思い込んでしまうこと」の危うさと弱さを思わずにはいられないですね…

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