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漬物が食べられない件

※実話をダラダラと書いてしまいました。
 良かったらお付き合いください。

私は物心ついた頃には既に漬物がかなり苦手だった。匂いも味も臭くて食べられなかった。特にたくわんが苦手で視界にあるだけで食欲が落ちてしまう。(漬物屋さん、漬物を販売している方、漬物が好きな方 大変申し訳けありません)

大人になって他人と食事する機会が増えたが、私が漬物を遠ざけたり残したりするので、色々言われてきた。数百回と言われたのは、
「勿体無い、美味しいのに」
「いや俺には不味いから」
と反論したり心の中で呟いてた。もっとキツイことを言う人からは
「田舎育ちのくせに漬物が嫌いなのはおかしいやろ」
「お前の田舎は漬物が主食やろ」
等と毎回言われることも。
「いやいや都会者も田舎者も関係無いやろ」
「俺の田舎でもたまには肉も食べるわ!」

カレーを頼むと良くセットでついてくるラッキョウも絶対食べられない。
以前カレー屋さんのカウンター席に着いた時、店員さんが「どうぞ」とラッキョウと福神漬けがセットになった例のものを置き、目の前でパカっと蓋を開けてくれた。一気にげんなりして「すみません。苦手なので下げてください」と下げてもらった。
その後カレーを食べていると「失礼しました!」と別の店員さんがまた例のセットを置こうとするので、「すみません。苦手なので下げてもらったです」と伝えた。数分立つとまた「失礼しました!」のコントのようなくだり。4人目が最後だったはず。

付き合っている彼女がたくあんやキムチを冷蔵庫に置くようになったことがある。「これは俺のことが嫌いになってきたな」と感じたら、案の定数か月もたたずに振られた(笑)。

仕事で新人の頃から全国に出張してきた。その頃は景気も良くて、皆元気で羽振りも良かった。仲良くなった博多の取引先の社長さんに
「これから良い所に連れていきますよ」
と言われて着いたのは老舗の明太子屋さん。3つか4つ高級そうな明太子を選んでくれて勘定が1万円以上。満面の笑みで
「そうぞ持って帰ってください!」
私も感謝の笑みで
「えー、さすがにそれは頂けないですよ~」
と言ったものの結局受け取って持って帰った。当然明太子も食べられない。この時は心から残念だった。社長すみません。あの時の明太子は全部人にあげました。

漬物が食べられないから漬物に詳しく無い。タバコを吸わないから銘柄をあまり知らないのと似ているかな。熊本に出張した時、プレゼン会場に到着して順番のくじ引きがあり、3番目となったために2時間待ちとなった。お偉いさんが自らの運転で阿蘇に連れて行ってくれた。
「高菜めしの美味しい店に行きましょう」と言ったので、
「いいですね。お願いします」とつい返事をした。
お店に着くなり「高菜めし6人分」と注文してくれて席に着いた。運ばれてきた高菜めしを見てヤバいと分かったがもう遅い。当然高菜は食べられないが、覚えて無かった。「美味しいですね」と嘘を言いながらどうにか2/3程度流し込んだ。
「すみません。案外お腹が減ってませんので、残してしまいました」
とまた嘘をついたが、どうやらバレてない。地獄の5,6分間を耐え忍んだことで、お偉いさんの好意を台無しにしなくて良かった。高菜はAランクの苦手な食べ物なので、なんとか我慢できたが、これがたくあんや納豆にようなSランクの苦手なものだったどうなったのか?
大袈裟だけど想像すると今でも怖い(笑)。

ちなみに、阿蘇は非常に好きなところ。山や草千里の色を見ると気分が晴れやかになる。

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漬物が食べられない理由は匂いも味も、私には臭く感じることが理由だけど、同じ理由で生の魚介類も臭くて食べられない時が多い。生臭い時と生臭くない時は、私にしかわからないから難しい。

全国に出張した中で最も美味しかったのは秋田のきりたんぽ鍋だけど、それとは別の機会に、修羅場を秋田で経験した。たまたま電気工事の女性の社長さんが主催する食事会に呼ばれると品のある小料理屋さんで、料理が全部美味い。でも最後のほうに
「皆さんのために特別に用意してもらいました」
と出てきたのは見たことない大きな生ガキ。当然生ガキも食べられない。
しかしここで食べられないというのはビジネスマンとしてだけなく、人としてもあり得ない。一気に口の中に入れたら、やっぱりすごく臭くてダメだ。
涙がでそうになるのをなんとか抑えて飲み込んだ。
「いやー私あまり得意ではないんですが、これはかなり美味しです。ありがとうございます!」
と伝えて、喜んでいただけた。

きりたんぽ鍋

とまあ漬物が食べられない、生臭いものもダメな私はまだまだエピソードがある。自分では「たまたま味覚嗅覚が敏感なだけで好き嫌いが多いわけではない」と言い聞かせている。

同じような人に稀に会うと、一気に距離が縮まる気がする(笑)。


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