香港にみる歌手と政治協力のジレンマ 【2022年上半期の香港カントポップ 番外編】

前回前々回の記事では、2022年上半期の香港のヒットソング、注目曲を取り上げてきたが、やはり気になるのは、昨今の香港の政治情勢との関わりだろう。

ここのところ、香港では「国家安全」を理由にメディアの統制が強められており、エンタメ業界も影響を受けている。そこで、今回の記事では、政府が主導する政治キャンペーンに歌手たちがどのように協力しているかを見ていこうと思う。

キャンペーンソングへの参加歌手一覧

2022年上半期には、北京冬季オリンピックの公式テーマソングの香港版『一起向未来』(2月)、新型コロナウィルス感染症の予防を呼びかける『獅子山下 同心抗疫』(2月)、香港返還25周年記念のテーマソング『前』(5月)と、大規模なキャンペーンソングが3曲制作され、あわせて150名ほどの歌手が参加している。

『一起向未来』は、元々中国大陸で制作された北京冬季オリンピックテーマソングだが、香港の芸能人60名ほどが歌うバージョンが香港のテレビ局TVBにより制作され、公開された。


参加歌手は以下の通り:

成龍、張學友、曾志偉、劉德華、譚詠麟、李克勤、王祖藍、林子祥、葉蒨文、楊嬅、任賢齊、謝霆鋒、張智霖、草蜢、鍾鎮濤、容祖兒、Twins(蔡卓妍、鍾欣潼)、李玟、張衛健、呂方、王嘉爾、陈小春、謝天華、梁漢文、林曉峰、杜德偉、甄子丹、應采兒、薛凱琪、李幸倪、泳兒、陳偉霆、Supper Moment、林欣彤、張繼聰、區瑞強、許靖韻、涂毓麟、After Class(炎明熹、姚焯菲、鍾柔美、詹天文)、冼靖峰、何晉樂、林智樂、張馳豪、孫漢霖、菊梓喬、譚嘉儀、谷婭溦、伍富橋、謝東閔、鄭俊弘、戴祖儀、施匡翹、胡鴻鈞、林二汶、林穎彤、文凱婷、林君蓮、潘靜文、林沚羿、蔡愷穎。

『獅子山下 同心抗疫』は、同じテレビ局TVBが作成したもので、新型コロナウィルスのオミクロン株の爆発的流行をきっかけに作られた、感染症拡大防止を呼びかける歌である。1979年リリースの名曲『獅子山下』の替え歌になっている。2月19日に最初のバージョンが公開され、その数日後にさらに数名の芸能人の歌唱を追加したバージョン2が公開されている。

TVBの公式動画の説明文によれば、合計の参加者は以下の通り:

成龍 李克勤 鄺美雲 林子祥 葉蒨文 呂良偉 胡 楓 劉德華 譚詠麟 佘詩曼 陳展鵬 袁偉豪 陳 豪 楊千嬅 汪明荃 薛家燕 陶大宇 吳岱融 肥 媽 陳潔靈 林夏薇 黃智雯 盧冠廷 梁漢文 陳 友 陳山聰 譚俊彥 胡定欣 方力申 陳敏之 鄭 融 黎耀祥 葉麗儀 林曉峰 謝天華 王灝兒 側 田 朱凱婷 陳小春 周柏豪 連詩雅 馮盈盈 糖 妹 彭健新 蘇永康 陳貝兒 梁競徽 敖嘉年 泳 兒 楊立門 譚嘉儀 伍富橋 谷婭溦 鄭俊弘 蘇 姗 胡鴻鈞 吳若希 張彥博 羅凱鈴 龔柯允 黑 妹 炎明熹 姚焯菲 鍾柔美 詹天文 林君蓮 谷 旻 文凱婷 林沚羿 蔡愷穎 孫漢霖 林智樂 艾 妮 張馳豪 冼靖峰 何晉樂 關嘉敏 陳善渝 漢 洋 李日朗 李龍基 海俊傑 胡渭康 方伊琪 葉泓聲 曾樂彤 關楚耀 區瑞強 方樹樑 侯慧寧 蘇煒喬 松岡李那 AGA Oscar Joe Junior Kerryta Sheryl

『前』は、2022年7月1日の香港返還25周年を記念して作成され、5月末に公開された。

大陸の歌手を含む、以下のアーティストが参加している:

譚詠麟、張學友、劉德華、鍾鎮濤、陳慧嫻、草蜢、李克勤、容祖兒、楊千嬅、炎明熹、曾比特、雷有輝、呂方、張杰*、張靚穎*、伍珂玥*、梁漢文、林峯、衛蘭、李幸倪、江海迦、菊梓喬、吳若希、胡鴻鈞、林曉峰、蕭凱恩。

*印は大陸出身かつ大陸をメインに活動する歌手

返還記念ソングは、これまでにも10周年の『始終有你』(2007年)、15周年の『難忘時刻』(2012年)、20周年の『香港.我家』(2017年)が作成されている。

また他の音楽に関連した返還25周年記念行事としては、TVBが大陸の芒果TVと共同で記念音楽番組『聲生不息』(4月24日〜7月17日)を制作・公開したほか、返還記念日当日には記念コンサート『回歸25周年文藝晚會』が開かれている。

キャンペーン参加回数ランキング

この2022年にリリースされた3曲に複数回参加している主な歌手を表にまとめると以下の通りになる。また過去の返還記念曲3曲と『聲生不息』、『回歸25周年文藝晚會』への参加も合わせてまとめている。

*2022年の3曲中2曲以上に参加している他のアーティストには、張學友、謝天華、譚嘉儀、伍富橋、谷婭溦、鄭俊弘、林君蓮、文凱婷、林沚羿、蔡愷穎、孫漢霖、林智樂、張馳豪、冼靖峰、何晉樂、區瑞強、涂毓麟、吳若希、草蜢、鍾鎮濤、呂方、林欣彤、菊梓喬がいる。

ベテラン歌手の李克勤(ハッケン・リー)は今年の3曲に加えて、過去の3曲、そして25周年記念番組、記念イベントにも出演し、見事皆勤賞を達成している。彼よりさらにベテランの譚詠麟(アラン・タム)は2017年の『香港.我家』以外全て参加している。その下には『香港.我家』と今年の3曲、そして『聲生不息』に参加している楊千嬅(ミリアム・ヨン)が続いている。

若手の中では、TVBのオーディション番組をきっかけに結成され、昨年デビューしたアイドルグループ「After Class」の炎明熹(ジジ・イム)が2000年代生まれの歌手として唯一今年の3曲全てに参加している。彼女は『聲生不息』にも参加しており、TVBから期待の若手としてプッシュされていることがうかがえる。

After Classの他の3人のメンバーも3曲中2曲に参加し、『回歸25周年文藝晚會』にも出演している。


キャンペーンソング参加歌手の世代


参加者たちのリストを見ていると、After Classの面々以外には、往年のベテラン歌手たちの名前が目立つ。一方で、これまでにこのnoteで取り上げてきた張天賦、林家謙、あるいはMIRRORの面々といった新世代の人気歌手たちの名前は見られない。

これは、キャンペーンソングの多くが体制寄りのテレビ局TVBによって製作されているのに対して、そうした新世代の人気歌手たちには、若者に人気の新興テレビ局ViuTVと関係が深い歌手が多いのが理由ではないかと思われる(MIRRORに至ってはViuTV傘下のレーベルに所属し、専属契約を結んでいるためTVBには一切出演しない)。

そこで3曲のキャンペーンソングの参加者を出生年ごとにまとめると、意外にも80年代、90年代生まれの参加者が最も多いという結果になった。もう少し年齢層が高くなるのかと思ったが、TVB制作の2曲には、同局傘下のプロダクションに所属するほぼ無名の若手歌手、俳優も多く起用されていることが理由だろう。

グループ名でクレジットされている歌手は「1人」分として計算。出生年非公表の歌手は除外した。



返還記念番組に見られる政治審査

また、こうした公的なキャンペーンは、政府の後押しのもとに行われるものであり、参加者についても過去の活動歴や政治活動を慎重に判断した上でスクリーニングがされているものと思われる。

香港のオンライン文化評論誌Waveによれば、とりわけ『聲生不息』は、番組制作自体が中国政府のメディア統括部門である「国家広播電視総局」と、中央政府の香港出先機関「中央政府駐香港連絡弁公室」の指導を受けているという。

Waveのまとめによれば、同番組で、7月3日までの全11回中演奏された114曲のうち、香港の人気作詞家である林夕の作詞曲は一曲もなかったという。

林夕は、返還後香港を代表する作詞家であり、多くのヒットソングを生んでいることを思えば、明らかに不自然な数字である。特に参加者のひとりである楊千嬅は、デビュー以来長く林夕の歌詞提供を受けており、代表曲である『再見二丁目』『少女的祈禱』『小城大事』はいずれも林夕作詞だが、これらの楽曲は同番組では披露されていない。

背景には林夕が長年民主化運動を支援し、2019年以降の抗議運動に対しても積極的に支持を表明してきたことがあると思われる。2020年に大陸のテレビ番組で彼の作詞曲が披露された際には、作詞者のクレジットが「佚名」(作者不詳)となっていたこともあった。中央政府は彼のような政治傾向を持つアーティストを排除したいのだろう。

この番組で披露された全114曲中、最も多く歌われていたのは、林夕と並び返還後香港を代表する作詞家である黃偉文の作詞曲だったが、大陸で放送されたバージョンでは、彼の名前は作詞者として表示されていないという(TVB版では第4回以降表示されるようになった)。その理由は推測するしかないが、中央政府は彼も要注意の不穏分子として見ているということなのだろう。

第2回で披露された黃偉文作詞曲『勇』のクレジット表示(TVB版)。
作曲者は表示されているが、作詞者の表示がない。
(https://www.youtube.com/watch?v=Ckrg8TvMsbAより)
同じ回で披露された同じく黃偉文作詞の『單車』のクレジット表示(TVB版)。
(https://www.youtube.com/watch?v=uXRIXiZoukk)
同じ回で披露された『來生緣』のクレジット表示(TVB版)。こちらは作詞者も記載されている。
(https://www.youtube.com/watch?v=DtYw4qcbtIQ)

他にも、同番組で黃偉文作詞の2003年の楽曲『心淡』が演奏された際には、「平反」(判決を見直す、名誉回復をする)という言葉を含む歌詞の一節が省略されていたことも香港では話題を呼んでいた

これはこの言葉が天安門事件を批判するスローガン「平反六四」(天安門での民主化運動の評価を見直せ)にも用いられているためだと思われる。この回が放送されたのは6月5日で、ちょうど天安門事件の起きた6月4日の1日後だった。

政府の後押しする返還記念キャンペーンは、このように、敏感な言葉や人物を徹底的に排除しながら行われている。国家安全維持法制定以降の香港で、創作やエンタメがどのような政治的制約を受けるかを示す一例だろう。

返還記念キャンペーンへの参加と人気は比例しない?

このように政治的な「安全」に徹底的に配慮して行われる数々のキャンペーンだが、こうした活動への協力と香港での人気とは必ずしも比例しない。

『聲生不息』には、ベテラン歌手の林子祥(ジョージ・ラム)、李克勤(ハッケン・リー)、楊千嬅(ミリアム・ヨン)、葉蒨文(サリー・イェー)が参加しているが、4月〜6月中に彼らの楽曲は一度もSpotifyの再生数トップ200曲に入っていない。

新人歌手からは、昨年デビューの二人、炎明熹(ジジ・イム)と曾比特(マイク・ツァン)も参加している。

大陸では番組出演後、彼らの注目度が急上昇したそうだが、香港での再生数にはおそらく大きくは影響していない。炎明熹の楽曲は1度もSpotifyの200位以内に入っていない。ViuTVのオーディション番組出身で、香港でも元々知名度のあった曾比特の楽曲は番組出演前から上位にランクインしていたが、番組出演前後の期間を比べても再生数に大きな上昇はしていない。

2022年1月〜6月の曾比特楽曲の再生数の推移。


愛国アピールにより人気を失う歌手も

反対に、愛国的イベントへの協力が旧来のファンたちの失望を招く例もある。昨年には、人気歌手の陳奕迅(イーソン・チャン)が愛国的なSNS投稿をおこなったところ、Spotify上で彼の人気楽曲の再生数が減少するという事例もあった。

昨今の香港では、とりわけシンガーソングライターの林二汶(イーマン・ラム)の事例が注目を集めている。林二汶は女性ボーカルデュオat17のメンバーとして2002年にデビューし、実力派のミュージシャンとしてコアな音楽好きの支持を得ていたが、ここ2年ほどはTVBの番組に積極的に出演するなど、急激に体制寄り、大陸寄りの姿勢を見せるようになっていた。とりわけ、2022年7月1日の返還25周年記念日に愛国的色彩が濃厚な『中華頌』を発表したことはファンたちの失望を招き、林二汶本人も旧来のファンたちへの事実上の決別宣言とも言える声明を発表している。

林二汶はそれまで民主化運動に親和的な歌手だと見なされていたからこそ、ファンたちの失望も大きかったのだろう。2019年8月に発表された、彼女の楽曲『最後的信仰』は、困難な中で誰にも盗めない内面の信念を守ることを呼びかけており、リリースのタイミングからも抗議運動の支持者に呼びかける歌であると考えられていた(ちなみに作詞者は先述の通り運動を積極的に支持していた作詞家・林夕である)。そのため、愛国ソング『中華頌』の発表時には、この曲になぞらえて「最後の信仰を捨て、中国に魂を売ったのか」といったコメントが相次ぐことになった。

抬頭尚有天空 敲不碎
(頭の上にはまだ 誰にも打ち砕けない 空がある)
埋頭尚有智慧 思想 他人難偷取
(頭の中にはまだ 他人には奪い難い 知恵が 思想がある)
軟弱無力全是 堅忍的證據
(無力に思うのもひとえに 我慢強く持ち堪えているからこそ)
靈魂內有信仰 搶不去
(魂の内側にある信仰は 誰にも盗めない)
這種搶匪也許 比你畏懼
(恐れているのはきっと君より その強盗たちの方だ)
想保無邪之軀
(無邪気なこの身を保つため)
還是必須好好過下去
(何よりしっかりと生き抜いていこう)

作詞:林夕

(Youtubeで活動する香港の歌い手、晴天林によるカバー版。彼は普段、ヒットソングを改変し、時事問題を風刺する歌詞をつけた「替え歌」を多く投稿しているが、この曲はオリジナル版のまま歌われている。元々騒動を受けて替え歌版を作成したのだが、真面目なバージョンを歌った方がいいと思い直してオリジナルの歌詞のままカバーした動画を投稿したという。今の彼女には、元のままの歌詞が最も痛烈な皮肉になると考えてのことだろう)


一方で非協力的態度も許されない?

このように、政府への協力は、体制に不満を抱くファン層(旧来の選挙での民主派支持層を見る限り、香港住民のマジョリティがこれに該当するのではないかと思われる)たちから批判を招き、人気を失うことに繋がりかねないが、今日の香港では表立って政府への反抗や不協力を表明するわけにもいかない。

もともと体制寄りとされているテレビ局、TVB以外のメディア(つまりは視聴者層により多くの反体制派が含まれているであろうメディア)にも、当然ながらさまざまなキャンペーンへの協力の圧力はかかっている。昨今、多くの若手歌手を輩出し、TVBに代わる選択肢として若年層を中心に人気を集めつつある新興テレビ局のViuTVも例外ではない。

2月には「中央政府駐香港連絡弁公室」が財界関係者を集めた会合を行い、感染症対策への協力を呼びかけた。同会合には、ViuTVの親会社「盈科拓展」の主席も参加しており、ViuTV所属の人気アイドルグループMIRRORを「抗疫大使」(感染症防止大使)に任命すると発表している。

この「大使」としての活動がどんなものになるかは、ファンたちの間でも憶測と不安を生んでいたが、2月20日に感染症対策を呼びかける簡単な動画を投稿した以外は、それほどの活動は行っていない。

また返還25周年記念にMIRRORがどのように関わるかも同様にさまざまな噂を呼んでいたが、結局6月15日に『獅子山下』のカバー動画(『獅子山下 同心抗疫』とは異なるオリジナルの歌詞でのカバー)を投稿しただけだった。

2月の感染症対策を呼びかける動画と、6月の『獅子山下』も、どちらもスタジオではなくメンバーの自宅のような場所で、おそらく専用の機材ではなく手元のスマホなどを使って撮影されている。

また『獅子山下』に挟み込まれる映像は、医療従事者や東京オリンピックで活躍した香港選手などの香港の人々と香港各地の景色を映したもので、中国国旗はおろか香港の区旗すら一度もはっきりとは映らない。

以上の点から、政府からの要請にはしっかり応えつつも、ファンたちの不満を招くことがないよう慎重に計算されたものという印象がある。

さらに、ファンの間での論争を防ぐためだろう、普段は動画のコメント欄を開放しているViuTVだが、この2つの動画についてはコメントを不許可にしている。

一歩間違えば炎上に

ただし、こうした曖昧な非協力が常に成功するとも限らない。政府に目をつけられなくとも、香港内の体制派や大陸の愛国者達に見つかり、バッシングを受ける可能性もある。

たとえばベテラン歌手の張學友が、中国の国営放送中央電視台に返還25周年を祝うメッセージ動画を寄せたところ、「祖国」や「回帰」(香港返還を指す大陸側の呼称)という言葉を一切用いなかったこと、動画の最後を「香港加油」(香港がんばれ)という言葉で結んでいたことなどから、大陸のファンたちから「愛国的ではない」との批判コメントが殺到し、炎上した。

「香港加油」は2019年のデモで用いられたスローガンだ、との理解に基づく非難だったらしい(私の記憶では「香港”人”加油」は確かにスローガンとして広く用いられていたが、「香港加油」の方はあまり印象にない)。

この炎上を受けて、中央電視台は直ちにその動画を削除した。また張學友自身も声明を公開し、自分は「国家を愛し、香港を愛する中国人」である、タレントとして政治に干渉しないのを基本原則としている、”香港加油”の言葉は(コロナ禍に苦しむ中国各地を応援する言葉)”武漢加油”や"上海加油"と変わらない、たとえ「間違いを犯した人々が用いたことがあったから」とって禁句となるのは「個人的には理解できない」などと弁明した。


「政治に関わらない」ことの難しさ。

今日の香港のアーティストたちは、このように、敏感な政治状況の中で慎重な言動を強いられている。政府に正面から反対するもの、はっきりと恭順を示さない者は、表舞台から排除され、クレジットの名前も消去される。しかし、政府にあまりにも熱心に協力すれば、体制に不満を抱くファンたちの不興を買い、人気を失うことになる。また一方で、あまりにも非協力的な態度を取れば、愛国的なファンたち(とりわけ大陸のファンたち)からバッシングを受けることになりかねない。

「歌手だから政治には関わらない」とは、言うのは簡単だが、今日の香港でそれを実行するのはおそらくとても難しい。政治に関わらない「純粋な」エンタメを提供している歌手がいるように見えたら、それはこのようなどうにもならない板挟みの中を渡り歩き、なんとか娯楽のための空間を確保する、アーティストや関係者たちの影での努力の賜物なのだろうと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?