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1962年の2月。ある新聞に投稿された、とある有名俳優のコラムが物議を醸した。

その内容は、外国産テレビ映画の他人が演じた動きに声だけを当てはめるアテレコは、俳優として片輪(かたわ)になりかねない危険な仕事だという。。※片輪。。現在ではあまり使われない言葉ではあるが、主に身体障害者の方の事を指します。※

後に「アフレコ論争」と言われた、この論争には新旧著名な俳優の方々がご意見を出されたようだ。

そもそも古来より、日本では俳優=役者さんと言われる方々は多く存在したが、やはり一番の元祖といえば、神社の神事などで舞い踊る巫女なども例に挙げられる。

「役者たるもの全身全霊を持ってその役を演じきる」という概念のもと、他人の芝居(演じる者)に「声」だけを吹き替える(アテレコ)のは邪道だというご意見が主流だったらしい。

一説では、それが故に自国以外で海外で上映される海外作品は「吹き替え」が多い国に対して、日本は数少ない「字幕」による上映が一般的でなかなか「吹き替え」が普及しなかったとか?

それがある時期からのTVの台頭で状況は一変。

今は年間、何百・何千と日本にやってくるようになった海外作品の多くは字幕と合わせて、「吹き替え」も一般的になった。人々のニーズや価値観によって、記憶からは消えてしまう物ではあるが過去にそんな話があったというのも心に留めておきたい。


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