詩│敬悼


絵の具も海の塩となる

私はそれが少し寂しい

部屋に散らばった
まだ味のするガムが
海の水に浸ってしまっては

だけど貴方は。

線路に咲いたたった一輪
孤独に抱えた無数の片が
刹那、一斉に舞い散った
夏祭りの太鼓の横
人だかりの胸の内
雪のように等しく降り注いだ

貴方は今どんな気持ちか
私は
なぜだろう
痛みと共に
敬意を抱いている

貴方もきっと塩となる



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