詩│河原にて想う


ごおごおと吹く時間に押され
リンゴがちゃぷんと落ちました
ゆらゆら揺られ
ゆらゆら揺られ
そのまま海まで
行くはずでした

朝日が昇って沈むまでを
手帖片手に眺めてみても
黒い霞が群れとなり
川はいつかは溢れるのです

そういうものなのです

そろそろ海に着いたでしょうか
あるいは雲になったでしょうか
例え言葉を交わしても
鼓動がもはや遠すぎます



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?