見出し画像

#8 マイ・ディア・カウンセラー

みなさんは渡辺貞夫さんの My Dear Life という曲をご存知でしょうか?原曲はソプラニーノ・サックスというとても珍しい楽器での演奏で、貞夫さんが最初に入手したソプラニーノはフランスから日本に輸入された最初の3本のうちの1本(残り2本は東京藝術大学が購入)と言われています。今日はその曲のタイトルを少しもらって、マイ・ディア・カウンセラー、お世話になっているカウンセラーの先生について書きたいと思います。


「カウンセリングを受けている」というと今でも、「精神的に弱い人や問題のある人がお世話になるもの」という感覚が残っているようで、とても残念です。大学へは心理学専攻で入学し、周囲にはカウンセラー志望の学生も多かったので、カウンセリング技術の授業を取りました。大学の先生は次のようにおっしゃいました。

誰でも悩み事の一つや二つあるはず。それを学生相談室のカウンセラーに話してみて欲しい。カウンセラーと話して自分がどういう気持ちになるかを理解せずに、カウンセラーにはなれないよ。

しかし周囲は意気揚々と大学の心理学専攻に入ってきた学生たち。実際にカウンセラーと話した経験があった人はごく一部だったと想像します。僕も、自分が後に長期間に渡ってカウンセラーのお世話になるとは全く思っていませんでした。


人間は、本当に追い込まれると、家族や大切な友人にこそ、何も話せなくなるものです。「このことを話したら心配や迷惑をかけるのではないか」「こんなことを悩んでいる自分と距離を取られたらどうしよう」と、どんどん自分を追い込んでしまうものです。2020年に社会人大学院生としての進学が決まった直後は、毎日のストレスレベルが急激に上がってきた頃でした。そんな時妻の勧めもあり、「家族や友人と何も利害関係がない人に相談してみよう」とカウンセラーに相談することを決めました。時はコロナ禍真っ只中、オンラインで相談できるカウンセリング機関を探し、cotree(コトリー)に出会いました。現在も、メールによる「書くカウンセリング」とビデオ通話による「話すカウンセリング」を併用しています。

カウンセラーの先生には、悩みの種や問題がある時は正直にそのことを話し、ない時は現状報告をします。いつも僕の調子とリズムをモニターしてくれているので、再度調子を崩した時にもすばやく適切なアドバイスが得られます。「調子が良くなっても止めずに続ける」ことが大切だと感じています。秋からドイツへ行っても、引き続きお世話になる予定です。
 2023年1月に提出した修士論文では、「自分を最も支えてくれた3人」のうちの一人として先生を謝辞で紹介しました。博士論文の謝辞にもきっと先生の名前を載せられるよう頑張ります。人間は時に自分の感情の面倒を自分で見られなくなりますが、「先生がついていてくれる」と思うと、「心のバックアップ」「気持ちの伴走者」を持っている感覚です。


最後に、大好きな曲 My Dear Life の1980年日本武道館ライブの映像を引用します。僕は以前、貞夫さんが持っているのとほぼ同じ、セルマー・マークⅥのソプラニーノを持っていました。生活費を得るために売ってしまいましたが、あの楽器は今どこで誰が吹いているのだろう……

今日もお読みくださって、ありがとうございました☕️
(2023年7月9日)

サポートってどういうものなのだろう?もしいただけたら、金額の多少に関わらず、うーんと使い道を考えて、そのお金をどう使ったかを note 記事にします☕️