Interop Tokyo 2024の感想
今年もインターネット技術の展示会であるInterop Tokyoに行ってきた。
以下に書くことは個人の感想です。
誤解や間違い等があったら教えてくださいませ。
Interopはどんなイベントか
こんなイベント↓
毎年幕張で開催される展示会
インターネット技術の最新トレンド等が展示される
最新のネットワーク技術を運用する大規模な実験ネットワークShowNetが構築される
今後5年から10年後に一般的に使われる技術の展示や相互接続実験が行なわれる
近未来のインターネットを知ることができる展示会
セミナーも行なわれる
全体の感想
今年も面白かった
いろいろな人と会って雑談ができたのは楽しかった
雑談しすぎて、水木と2日間行ったのに全部のブースは回りきれてない
小さいブースですごく尖った技術が展示されてることが多いんだけど、そのへんは回りきれなかった
セミナーもあまり聞けなかったかも
過去に出てきた技術が確実に進化していくのを見るのがとても楽しい
各出展社を見ると、業界の勢いみたいなものも感じられる
来年も絶対に行く
個々の感想
NEC
NECブースは今年も面白かった。
個人的に毎年とても楽しみにしている。
NECは面白いものをひっそりと出していて、他社の製品よりあきらかに1周以上進んでるものが多い気がするんだよね。
ただマーケが悪いのか、全然目立たないし、そしてそんなに儲かってない印象。
なんかもったいないけど、ガツガツしてないので、未来を作る技術にじっくり楽しみながら取りくめるんだろうなあ。
中でも一番良かったのは宇宙関連。
衛星通信で、横方向、つまり衛星同士で通信をさせて、メッシュのネットワークを作る、みたいな、それは無茶だろ、みたいなものが現実になりつつある。
異動したばかりの藤本さんがいたので、あれこれ聞いてみたら、本当に面白かった。
10年後には海底ケーブルと同様に通信インフラの一翼を担うんだろうなあ、みたいなことを思った。
ちょっと前にノキアのイベントでも衛星通信についていろいろ言ってたけど、それはとてもふわっとしてて、それに比べると、NECはちゃんと技術の裏付けがある感じ。
OpenFlowという楽しい技術が生まれたあたりから、つまり10年以上前からずっとやってるネットワークコントローラは今年もちゃんと進化してた。
自社製品だけじゃなくて、他社の製品もちゃんとクラウドコントローラで管理できるよ、みたいなデモは、わりとイケてるはずなんだけど、ひっそりと展示されてた。
去年も出してたローカル5Gシステムは、小型サーバを使ったお手軽パッケージデモを出してて、これもわりとイケてる気がするんだけど、これもひっそりとやってた。
Quantum Safe Networkというバズワードで、量子暗号通信ができるネットワークを作ろう、みたいなのが最近流行ってるんだけど、NECもちゃんとやってた。
自社でちゃんとできちゃうのはわりとすごいはずなんだけど、Awardは他社に持っていかれてた。残念。
みんな大好きな小型ルータのIXシリーズは、MIPS CPUの在庫切れのため、CPUを交換して中身を全部書きかえた新しい製品が出てた。
CPUやネットワークチップが丸々変わる、っていうのは、すごいカロリーを使ったはず。
でもこれも目立たず展示されてた。
そして去年はIOWNのエンドポイント用の箱がドヤって感じで展示されてたけど、今年は他社のブースに置かれてたぐらい。
IOWNの展示とかユースケースはNTTとかのキャリアにまかせて、NECは中の仕組みをちゃんと作る、みたいな立ち位置になってるのかしらねえ。
技術持ってるよー、みたいなドヤ顔をもっとしても良いと思うんだけど、国産メーカーは地味だよねえ。
DriveNets
赤井さんを見かけたので、何してるの?、って聞いたら、2ヶ月前にここに転職したということで話を聞いた。
White Box Router OS のイスラエルの会社。
2015年から作っていて、SONiCとかより歴史があるらしい。
主にキャリア向けに売ってて、AT&Tとかでも動いてるとのこと。
SONiCとか、OcNOSとかでハマった人が良く買ってくれるんだそうな。
JANOG54のNOCでも今はOcNOSを試してるけど、やっぱりいろいろツラいところがある
CLIを見ると、Junosに近い感じ。
ただ、オープンソースでもないし、VMとかは出していないし、一般人が手軽に使うのは難しそう。
学生向けにアカデミックライセンス出ないの、とかそんな話をしたり。
Fortinet & Alaxala
去年と同じく、とても大きい枠を取っていた。
Alaxalaブランドは戦略的に別ブランドとして維持し続けるっぽい。
Wi-Fi APはわりと世界では売れてるけど、日本では全然売ってなかった。
去年なんで日本で売らないの?、とか聞いたんだけど、今年はちゃんと出展してた。
クラウド型のネットワーク&セキュリティコントローラを売るタイミングに合わせてAPも売るようになったのかな。
値段を聞いたら、メーカーなので値段は言えないから代理店に聞いてね、と言われた。
Amazonでも売ってる、と聞いたので、ちょっと調べてみたら高いねえ
セキュリティ対応を強化した製品という位置付けなんだろうなあ。
Spirentが買収された
ネットワークの負荷試験を本格的にしたいときに使う製品のメーカーは、IxiaとSpirentのどちらかになっちゃう。
ところが、Ixiaを買収した会社が、Spirentも買収しちゃって、同じ会社になっちゃったらしい。
お値段を釣り上げられたりしたらやだなあ、みたいな話を東陽テクニカのブースでした。
SEIKO Solutions
いろいろお世話になってるので顔を出してきた。
JANOGのNOCでNTPサーバを借りたり、踏み台サーバ(Smart Jumper)を借りたりしてる。
世界で初めてIPv6に対応したけどいまいち売れてないロードバランサがVM対応していた。
JANOGのNOCで使いたい人がいたら貸してもらっていじってみようかしら。
SENKO
SEIKOと紛らわしいけど、こっちはセンコー。
光配線に関わった人にとっては、SEIKOよりこっちのほうが良く耳にする気がする。
高密度光コネクタをいろいろ作ってて、今年も実物がいっぱい並べてあった。
ホワイトボックスルータのスケルトンモデルが展示されてて、中のネットワークチップにトランシーバが直結してる様子みたいなのを見せてたのも面白かった。
ShowNet
今年も面白い。
過去のものの復習としてあきみちさんのページを見とくと良い
https://www.geekpage.jp/blog/?id=2024-6-8-1
今年のネタはいろいろ聞いたけど、あきみちさんが後で書くはずの記事を見るのが良さそう。
会場であきみちさんを捕まえて、あれこれ聞こうと思ったけど、補足できず。
機会があれば適当に聞きたい
ShowNetのメンバーの林さんを見かけたので、なんか面白いものない?、と聞いたら、林さんが構築したテレメトリーによる監視システムを見せてもらえた。
テレメトリーってこういう風に使うんだー、便利じゃん、OSSで全部実装できるのかー、すげー、という小学生みたいな感想を言ったり。
大規模システムでちゃんと監視基盤が作ってあるなら、絶対に便利だよなあ、と思った。
W3C
himorinがコスプレをしていなかった。やる気が感じられなかった。
YubiKeyを無料で配ってたのでゲット。
Amazonでお値段を見てびっくりした。
富士通の福井さんのTrustable Internetのセミナーは面白かった。
何が信用できて何が嘘か、というのを判定するのはなかなか難しい。
安易なトラストポイントに頼らず真面目にやるアプローチにちょっと共感したけど、真面目にやると大変だよなあ。
出展してない会社、見れなかった会社
不参加の企業もわりと多い。
出展してないのー?、と思ったのは以下。
クラウドベンダーすべて
さくらインターネット
Equinix
Akamai
Nokia
Arista
CTC
Dell
Intel
NVIDIA
あと、今リストを見て、見そこねた、と思った会社もいくつかあったことに気付いた。
マクニカとかは時々面白いものを持ってくるんだけど見損ねたかも。
NVIDIA推しなので、NVIDIAはそこにあったんだろうな。
小さいブース巡りをちゃんとできなかったのも残念。
併設のデジタルサイネージ展
素直にデカイディスプレイすげーな、と感じられて良いよね。
まとめ
今年のInteropも面白かった
NEC良いぞ
YubiKeyもらえるぞ
なんか他にも面白いネタがあったら教えてくださいませ