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敢えて言おう、ジャパンの5ドル飯は世界最高であると。



飯世界の物理法則を無視するジャパン


日本経済の縮小と反比例するように近年増え続ける日本すげー番組

テレビから流れる「日本の技術力、精神性に世界から称賛の声!」という陳腐なメッセージに対して、「自国とその最小構成単位としての自分を特別視するのは万国共通のバイアスですよね」などと返すのは無粋であろう。

だがそんな一見斜に構えた私から、敢えて言わせてもらいたい。



ジャパンの5ドル飯は世界最高であると。


こんな事を言うと鍛え抜かれた社畜はコンマ2秒で「それ事実?推測?お前の主観?」とすぐド詰めしたがるだろうが、断言しよう。
これは1ミリのバイアスも含まれていない圧倒的FACTである。


僕が過去20ヵ国弱を訪れて感じるのは、
・高いものは美味い。
・安いものはまずい。
という極めてまっとうな物理法則。

5ドルで買えるのはパサパサのサンドイッチが関の山。唯一例外的に美味いのは移民が作るケバブくらいだ。

だがしかし、世界にはこの圧倒的物理法則に反旗を翻し安ウマ飯を極めたロックンロール国家がいる。

それこそ、我らがジャパンである。

「アジアは安ウマな屋台飯たくさんあるだろ」という突っ込みをする前に冷静になって欲しい。
アジアンフードラバーの僕から言わせると、あれは期待値が下がることによって結果美味しい気がするというマジックであり絶対値としては特別美味しくない。


てんや、ヤバくない?

ビジネスの世界では常に結論から始めなければいけない。

そう、このnoteの結論はてんやはヤバいということである。

てんやを礼讃する前にまずは海外の日本食屋に敬意を示しておきたい。「繊細な日本食の味は日本人にしか再現できない」などということはなく、海外にも美味しい日本食屋は数多くある。

だがしかし、天ぷらは例外である。

実は天ぷらを作るというのは相応に難しく、海外の天ぷらの食感はサクサクではなくガリガリなのである。レベルの高い海外の日本食屋に行っても、なぜか天ぷらだけはガリガリというのは一度や二度ではない。


そこで我らがてんやである。


世界広しと言えど、わずか5ドルであれほど完成されたTENDONを出せるレストランが存在するであろうか?(反語)

天ぷら専門店にいき2,000円ちょっとの天丼を食べる程に突きつけられるてんやの完成度。
最高ではないが最高クラス、This is TENYA.


ここまでてんや礼讃をしてきたが、これが私個人の主観でないことを付け加えておきたい。

皆さんはCreepy nutsをご存知だろうか?

そう、賞レース総なめ日本一のバトルMCと世界一のDJからなるHip Hopユニットである。

まずは黙ってこの4分の動画を見て欲しい。



お分かり頂けただろうか?

日本一のバトルMCと世界一のDJに「トブぜ…」と言わしめる。

てんやは正真正銘のworld classなのである。

僕も基本は野菜天丼です。


蛇足としての美味しいやつら

もう結論は言い切ってしまった。みんなてんやで野菜天丼食べよう。

ここから先の文章は蛇足である、プレゼン資料最後に付けたappendixに過ぎない。だが我らがジャパンはそんなappendixですら美味しい。


●サイゼリヤ
言わずと知れたキングオブイタリアン
5ドルあれば、前菜青豆の温サラダにアーリオオーリオというあまりに完成された食事を楽しむことが出来る。
同じレベルのものを西ヨーロッパで食うなら20ドルは必要だろう。

●ミスド
頼むから世界中のDunkin' dounutsをミスドに変えてくれ。
誰が何と言おうとミスドのドーナツは美味い。より正確に言うとミスドのドーナツはコーヒーで流し込まなくてもそれ単体で美味いのだ。

世界最大のドーナツチェーンDunkin’ dounutsが得意とする糖と油の塊をコーヒーで流してIt's so nice!のストロングスタイルからは一線を画すわびさびのミスド。

5ドルあればドーナツ二つとコーヒー(おかわり可)で小粋なブランチを楽しもう。

●コンビニスイーツ
海外でセブンイレブンに行くと気づくであろう。これはセブンであってセブンではないと。

思わず哲学的思索にふけりたくなるほどにセブンイレブンジャパンのスイーツ類は完成度が高い。5ドルの組立は極めて難易度の高い問題だが、今ならいちごのレアチーズもこ、ダブルシュー、生チョコでいくのが良いだろう。


●その辺のお菓子
この長ったらしい文章も終わらせよう。
もう5ドルはいらない。1ドルでいい。
ジャパンは1ドルにも凄みを込めてくる。


オーストリアへの一人旅、ウィーンの有名ショコラティエからの帰り道に僕は思ったのだ。


まぁ普通に美味しかったけど...

ガルボ食べてーな。


と。

ジャパンのお菓子コーナーに並んでいる謎進化を遂げた1ドル菓子類はなぜあれほど美味いのか。

製菓メーカーに圧倒的感謝。皆偉大なmasterpiece。


最後に、日本食とは何であって何でないのか?

自分も上海生活4年となるが、海外で食べたくなる日本食は肉じゃがなどでは断じてない。

食べたいのはてんやの野菜天丼であり、サイゼの青豆の温サラダであり、セブンのダブルシューでありガルボである。

日本食とは狭義での和食を指すのではなく、世界中の料理のエッセンスをコスト最小でなんとなく再現する食文化の総称だと気づいたとき、我々はジャパンの5ドル飯の偉大さを知る。

ジャパンに幸多かれ。


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