#1 離婚のすすめ:プロローグ

まえがき

僕(筆者)は今32歳。男。フリーランス。こんな本を書き始めたわけだから、当然離婚経験者であり、今は再婚して4人の子どもがいる。大学留学中に、当時の人との間に子どもができて、翌年入籍。大学卒業前までは、特にやりたいこともなく、何となく大学院に進んで研究でもしようと思っていたが、子どもが生まれるなら、と必然的に社会人生活が始まった。

子どもができたのが21歳の時で22歳になる前にパパになった。友達の関係では最も若い。というか、今もまだ子供がいる同級生は数えるほど。

その後、7年の時を経て離婚。2年後に妻と出合い、意気投合。付き合うのとほぼ同時にプロポーズ。再婚して、今に至る。詳しくはこれから書く中身に譲ろうと思うけれど、「本当に合う人っているんだなぁ」と毎日欠かさず妻を思っている。4人の男子の父で、まれに見る愛妻家だ(と自負している)。

妻は33歳で1つ上の姉さん女房。歯科関係の仕事をしていて、こちらも離婚と再婚の経験者。

この本は、結婚と離婚を考えるすべての人に向けて書いてみようと思う。主に筆を走らせているのは僕(夫)だが、妻の経験や価値観なんかも織り交ぜていきたい。

本のタイトルは「離婚のすすめ」とした。言うまでもなく、今一緒にいる妻と子どもたちと送る日々は幸せで、夫婦そろって「もっと早くにちゃんと離婚の決断をすればよかった」と思っているからだ。

もちろん、結婚に対する価値観は人によって大きな違いがある。だから、当たり前だが、僕らの経験や考え方がすべての人に当てはまらない事も大いにあり得る。

ただもし、あなたが今結婚生活に疲れ果てていて「離婚」という文字が時折脳内にちらつく状態だったり、今の人と仕方なく一緒にいるなら、この本は背中を押すものになるんじゃないかと思う。

ついでに言うと、この本は科学的な話だとか、数字に基づいた根拠は一切ない。100%個人的な経験と価値観をベースとした、ライフスタイルの哲学だ。ポピュラーサイエンスですらないと思う。

「それってあなたの意見ですよね?」と言われても、「はいそうですね。」としか言えない事は予めご了承いただきたい。

幸せ真っ只中の新婚カップルが手に取る本では無さそうではあるし、僕もその様な方々の幸せに水を差す気もさらさらない。しかし、この先結婚を真剣に考えているなら、その先の可能性にあらかじめ触れて置くことは賢明であるように思う。人間関係なんて何があるかわからないのだから、リアルな実体験程度の話でも、知ってるだけで結構役に立つものだ。

(そもそも、他人の人生の離婚の話なんてめったに聞けないから、井戸端会議に熱を出すおばちゃんの気持ちになって読んで頂いてもけど結構面白いのかもしれない。)

後悔先に立たず。離婚は楽しい経験ではないが、だからこそ前もって考えておく価値がある。もし順風満帆な結婚生活を保障してくれる保険サービスなんかがあれば絶対に加入しといたほうがいい。そのくらい、人間同士のつながりは脆い。

この本で伝えたいことのひとつは、離婚はタブー視して、目をつむりやり過ごすものではないということだ。むしろ風邪をひいたら病院に行くくらい自然に、また積極的に検討したほうがいい選択肢ですらあると思う。

あなたの人生の舵取りはあなたの仕事で人生は一度きりだ。そしてそれは今のパートナーでも、子どもでも、親や友達のものではなく、あなたの人生だ。もし、あなたがここまで前書きを読んだなら、きっと多かれ少なかれあなたはその世界の真実を頭では理解できているのだと思う。

では、そろそろ、多くの人があえて考えることを避け、目をつむるであろう「離婚」というパンドラの箱をゆっくり開けてみることにしよう。

いつか最悪の経験が最高の判断になることを祈って。


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