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論文からみる肥満女性のトレーニングの種類と心理的効果

昨今のトレーニングがダイエットに対して非常に効果的なことが知られています。 トレーニングを行うことは、ダイエットやボディメイクなどの身体の変化だけではなく、心理的にも多くの利益をもたらすことを体感している人も多いはず。 今回の内容は、肥満女性が行う特定のトレーニングが特定の心理的効果の獲得に関連しているかどうかを評価するための研究です。

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肥満女性のトレーニングの種類と心理的効果の研究概要

この研究は、ポーランドのポズナンにある医科学大学の内科、代謝障害、高血圧科の外来診療所に登録されている163人を対象に実施されました。選択基準を満たした、44人を対象に研究されています。 この44人をランダムに2つのグループ(A、B)に分けられました。 グループでの年齢、体重、BMI、ウエストとヒップの周囲長、またはWHRで違いはありませんでした。 ※WHR:waist-to-hip rationの略語で、0.7の数値が最も女性として魅力的とされています。

両グループは、3ヶ月間のトレーニングに参加しました。 Aグループは、持久トレーニングを行い、Bグループは、持久筋力トレーニンングを行いました。 被験者は、食事を変えないようにする必要があることを知らされ、食事インタビューに基づいて、製品消費分析に専用ソフトウェアDiet2.0を使用したところ、両方のグループの研究中の栄養素摂取量、総カロリー、カフェイン摂取量は一定の同等レベルであることがわかりました。

最初と3ヶ月の体力トレーニングの後、体重、身長、ウエスト、ヒップの測定が行われました。次の心理的数値も評価されました。 この調査は、標準かされた質問表を使用した診断調査方法によって実施されました。

・全体的な自尊心

・身体の自尊心及び食事行動

トレーニングの介入は、ポズナンのプロスポーツクラブであるスポーツクラブシティゼンで行われ、資格のある認定されたフィットネスインストラクターによって実施されました。

Aグループ:自転車エルゴメーターの持久トレーニング

トレーニングセッションは、低強度(最大心拍数の50~60%)のストレッチ運動を含む5分間のウォームアップ、最大心拍数50~80%の強度で45分間のトレーニング、5分間のライディングで構成されました。

追加の負荷がなく、5分間の低強度のストレッチと呼吸のエクササイズがないサイクロエルゴメーター。

Bグループ:低強度(最大心拍数の50~60%)のストレッチ運動を含む5分間のウォームアップ、20分間の強度運動、25分間の持久運動(最大心拍数50~80%の強度)、追加の負荷なしで5分間のサイクリング、5分間のストレッチと呼吸のエクササイズ。

筋トレの一環として、参加者はバーベルを使った毎週の様々なエクササイズとジムボールを使ったエクササイズを行いました。 持久トレーニングは、サイクロエルゴメーターで実施しました。

肥満女性を3ヶ月トレーニングしてわかった身体の変化

これらの違いにも関わらず、肥満女性の体型改善と体重減少、つまりWHRとBMIの減少が自分の身体の満足度にプラスの影響を及ぼし、懸念を軽減することが明確に確認されました。 この論文では、被験者の自尊心に有意な改善は見られなかったが、持久力と筋力トレーニングを行ったグループでは、改善傾向が見られました。 興味深いことに、ほとんどの女性は実際の体重に関係なく、自身の身体に不満を抱いており、不満のレベルは、太り過ぎや肥満の女性の方が高くなっています。 女性の場合は、外見や体型の不満や不安は、自尊心や行動などに悪影響を及ぼします。

肥満女性を3ヶ月トレーニングしてわかった摂食行動

摂食行動は、体重と身体の両方を制御するために意図的に摂食を控えたり、食事を制限したりするなどの行動が含まれています。 次に、制御されていない食事は、抑えることのできない空腹の為、食べ過ぎになる傾向が現れます。 感情的な食事は、気分の落ち込みや不安で過食になることが特徴です。

この論文では、体型の懸念レベルと制御不能の食事との関連が確認されています。 体型の懸念レベルが低下するほど、制御不能の食事のレベルが低下しました。 さらに体重が過剰な女性の摂食行動は、特定の種類のトレーニングへの参加によって影響を受ける可能性があることが示されました。 つまり、3ヶ月のトレーニング後、持久筋力トレーニンググループは、持久トレーニンググループと比較して、認知抑制のレベルが大幅に高く、感情的な食事のレベルが大幅に低かった。 この違いは、摂食行動とストレスのレベルとの関係の結果である可能性があり、持久筋力トレーニンググループは、大幅に減少しました。

しかし、両グループ間の差は、統計的に有意ではないと示されています。 ストレスのレベルが低いと、認知行動制御や目標達成などの認知機能が改善され、感情の効果的な調節を促進し、やけ食いや身体に悪い食べ物の選択を減らしてくれます。 3ヶ月間のトレーニングを行った被験者間で現在の体型の評価を除いて、心理的変化の大きさに有意さは見られなかったが、現在の姿への自尊心は、持久トレーニングを行った女性でのみ有意となった。

最後に

この研究では、肥満に対してどのトレーニングがどのような心理的影響をもたらすのかという観点で行われました。 トレーニングを行うことで、食事への制限をかけることができたり、自尊心や自分への懸念が下がるということがありましたが、まだまだ研究の余地がありそうです。 ですが、トレーニングを行うことによって、心身にもたらされる影響が大いにあるので、皆様もトレーニングを行ってみてはいかがでしょうか。

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