[たまには少しだけ専門的な話でも] 意外とロコモの論文が少ない【シン・21日目】

一応大学教員をしておりまして,それなりに授業を持って学生に専門的な話をしています
noteではめちゃくちゃどうでも良いことを書いているので,大学教員感がない
ということで,たまには少しだけ専門っぽいことを書いてみたいと思います

他学科の授業を担当しておりまして,その名もリハビリテーション栄養学
栄養学の中でも,近年結構盛り上がっている分野で,臨床栄養学だけでなく,スポーツ栄養学等の知識も必要となる学術分野です

リハビリテーション栄養学は,管理栄養士というよりは,理学療法士さん,作業療法士さん,言語聴覚士さん,薬剤師さん,看護師さん,医師などなど医療に関わる,いわゆるNSTに関わる職種のみなさんにある程度知識を持ってもらう必要があります

そんな大事な授業を8コマ (1単位) でやるのはなかなか難儀だぜ...

で,その中で,ロコモティブシンドロームとメタボリックシンドロームの話をしなければならないので,論文を確認しておりました
で,気になったのは,メタボリックシンドロームとロコモティブシンドロームの論文数

[検索] PubMedのみ
[キーワード] Metabolic syndrome or Locomotive syndrome

[Metabolic syndromeの結果]
全期間: 97,084件
5年以内: 31,698件 (33%)

[Locomotive syndromeの結果]
全期間: 7,222件
5年以内: 1,803件 (25%)

ざっくりとした検索なのであまり正確ではないのですがこんな感じです

メタボリックシンドロームは,2005年に国内のいくつかの学会が整備しているので15年以上の研究の積み重ねがあります
他方,ロコモティブシンドロームはここ数年で提唱されてきたもので,研究の積み重ねがこれからという感じなのだと思います

ロコモティブシンドロームの研究数の推移 (PubMed検索結果)
メタボリックシンドロームの研究数の推移 (PubMed検索結果)

メタボリックシンドロームに関する論文は,1935年位から出ているらしい
ロコモティブシンドロームは1950年くらい

横軸も縦軸も値が違うのでちょっと比較するには難しいんですが,論文の増え方の違いが何となく分かるかと

ロコモの方は,これから論文数が増えるのだろうと思いますが,メタボみたいな増え方するのだろうか?とちょっと思ったんですよね

メタボは,Metabolicというくらいなので,代謝性のこと
ロコモは,Locomotiveなので移動・運動に関わるという意から運動器 (骨・関節・筋肉・神経など) に関わること
を表しています

この特徴を考えると,代謝性の研究をしている研究者と運動器に関わる研究者の数を考えた場合,運動器に関わる研究者は少ないのかもなぁと思ったり

ロコモに関する研究等について厚生労働省が進めていったときには,メタボからロコモに研究内容移したグループもあったとは思いますが,実際的にはそんなに数は多くないんですかね

メタボもロコモも健康に関わる事柄ですし,国のお金にも関わることなのでどちらの研究もものすごく大事です

私自身はこれらの研究には関わっていませんが,論文を読むなどして新しい情報は入れていかなければなぁと思っているところです

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