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生命とは何か、、、定義は?

それではここからやっと地球が地球たるその大きな特徴とも言える『生命』について書いていきたいと思います。僕の前の投稿までで、生命が出来上がる準備、その環境ができあがった当時について書かれておりますので、読んでいただけるといいと思います!

では本当の最初、「生命の起源」とはどんなもので、どんなところで生まれたのでしょうか。ここではまず生命の定義についてまずは述べたいと考えています。

1.「生命」の定義

まずは生命とはなんなのでしょうか。生命、というと我々人間や動植物、あるいはバクテリアのようなものを想像すると思いますしどれも生命でしょう。以前までの記事でおよそ40-38億年前頃には生命が生まれる準備ができていたことを書きました。では生命ってそもそもなんなのや?ってのを知る必要があるでしょう。

しかし定義ですらいまだ議論が続いており、これが生命である!と声高らかに叫んでいる人はいないのです。いくつか紹介します。

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NASA の用いた定義(Joyce, 1994)
Life is a self-sustained chemical system capable of undergoing Darwinian evolution.(生命とは,ダーウィン進化を受けることが可能な,自己保存的な化学系である)

Ruiz-Mirazo et al. (2004) による定義
‘A living being’ is any autonomous system with open-ended evolutionary capacities.(「生きている物」とは,自由に進化する能力を有した,あらゆる自律的な系である)

Oliver & Perry (2006) による定義
Life is the sum total of events which allows an autonomous system to respond to external and internal changes and to renew itself from which in such a way as to promote its own continuation.(生命とは,外的および内的変化に応答し,自己の存続を推進するような方法で自己を更新する自律系を可能にするような事象の総和である)
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とのことである。

進化をする、というのは一つのキーワードのようです。Oliver & Perryのいう変化に対応する、というのも進化し環境に適応することの言い換えとも考えられますね。

また自己保存的な系、も重要そう。熱力学において、「エントロピー増大の法則」というものがあります。要するに全ての物体は崩壊してバラバラになる方向に向かうというのがこの法則ですが、自己を保存していくためには崩壊しないように外からエネルギーを獲得する必要があります。生命としてその活動や肉体を得るためにはエネルギーは不可欠でしょうから自己保存的な系=エネルギー代謝とそれを繰り返す能力と考えることができます。

一方なんかこれだけだと、生命っていう実体がない感じがします。。丸山工作さん、生化学者の江上不二夫さんによるものが分かりやすくて、

(1)自己複製、増殖
(2)代謝
(3)物理化学的な境界(膜) 
(4)進化する

としています。非常に分かりやすいですし、境界(膜)という要素が加わっております。現代においてあらゆる生物は細胞の集合体として成り立っていて、その細胞は脂質などの膜で区切られています。代謝して増殖を繰り返す系としての存在をどこかで区切る必要があり、それは境界、膜と言った言葉で定義されるような気がします。

自己複製に関していうと例えば社会性昆虫の中には蜂みたいに、女王蜂は子供を産むけど働き蜂は産まない、ということもあります。ではこれは生命ではないのかというとそんなことはないと思います。分業していても同じ種や社会の中で一つの増殖システムができていればそれは一つの「生命」と見做せるわけです。これはこれで面白い例ですね。なので上の定義においても「あらゆる自律的な系」とか「事象の総和」と読んでいるのだと思います。はちの社会という一つの系、事象の総和そのものが生命なのでしょう。

また、僕も参考にさせていただいた仲田崇志さんによると、「生物=1つまたは複数の細胞からなる物体で,総体として自己保存しており, その物体中の細胞が含む遺伝情報に基づいてつくられるもの。」としているようです。これはより現代の生命に近いもので考えておられますが、上の定義も内包していてかなりしっくり来るものだと思います。

今日は生命の定義についてまとめましたが、難しいです。。。いまだはっきりとは分かりませんが、この「生命というフワッとした何か」を明日以降でより明確にしていきたいと思います。


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