見出し画像

なぜ民主主義とコモンズの概念が地域医療構想に重要なのか?特に病院統廃合と地域住民の関係について。

大学院プリセッショナルコースで「医療と民主主義」についてまとめる機会があったので、もう少し具体的に、少し個人的な雑感をつけてシェア。
最後につけた大学に提出したレポートは、もう少し一般論に寄っていて、英語から日本語に直しているので、やや生硬です。
(少し学問的なことをいうと、個人的には、このような医療や健康のための「政策」とその「過程」、そこに関係する「個人」、背景にある「歴史や文化など」のナラティブの関係に最近興味があります。)

・行政でもなく、営利でもない、「ローカルコモンズ」としての医療の管理/議論が必要

このテーマをレポートに選んだのは、病院の統合・再編・集約化:端的にいえば「効率的で持続可能な医療提供体制」のための変革を進めるためには、もっと地域住民に対してオープンな議論の場が必要なのではないか、と感じているため。
概念としては「(狭い意味での)公共」でもなく「民間/営利」でもなく「(ローカル)コモンズ」として地域医療を運営することが必要だし、そのための動きが必要だと考えています。

実際に僕自身が関係しうる範囲でも、安房地域でも同様の話題(安房地域医療センターと富山国保病院の件)は出ているし、最近の他地域のニュースでも病院の再編計画に反対する市長候補が当選し計画が白紙化する三田市の例もあり、このような事例は全国的に広く聞かれるようになっている。以前の職場であった青森県はある意味で先進地域であったが難航していたし、岩手県は同様の課題に関連して県知事が県議会で土下座して「医療提供体制の改革」を懇願し物議を催していた。コロナ禍以前ではあるが、厚生労働省が病院の「リスト」を発表した際には医療関係者側からの反発も強かった。
もちろんこれは「計画がうまく進まない」という、ある意味で言えば専門家/行政側からの「上から目線」な視点でみても問題であるし、一方で同時に「そういう住民を含めた合意形成がうまく図れていない」という意味でも課題があるということもできる。

・専門家側:議論の場を住民にもっとオープンに。

当然「全員の合意」なんていうことは無理ではあるのだけど、
医療の専門職、医療制度の専門家、行政、推進派の政治家は、悪意がなくても「このような専門性の高いことはある程度専門家同士で決めて、進めていくのがよい」「むしろ医療提供体制や医療財政の厳しい見通しを洗いざらい市民に提示するのは、いたずらに不安をあおるのではないか」と考えて、内輪で話を進めていた面はあるのではないか?と考えている。

実際、「当院の医師は人数が少ない中で手術も外来も夜間救急も回しているので、寝不足での過剰勤務かつ、時間給に直したら安給与の医師がサービス提供しています」なんて住民にアナウンスする病院はまず聞いたことがない。
でも住民とオープンに議論する、というのはそういうこと。

・住民側:医療サービスの「利用者」から「資源の共同管理者」として意識の変革が必要

一方で、地域の大事な共有資源として、コモンズとして、医療をオープンに管理していくのであれば、当然利用者であり運営者である住民にも相応の自覚が求められる。
これは「医療の適正利用」「賢い受診行動」とかも大事だが、そういう「賢い消費者」というだけではなく、「地域資源の賢明な経営者」としての自覚が必要となる、ということである。
僕個人としては、この「地域資源としての医療提供体制」を考える時には次の3点は前提条件として共有しなければならないと考えている。

①アクセス、コスト、クオリティは両立しないこと
②「地域医療構想」は「医師の働き方改革」「医師偏在対策」と合わせた三位一体改革の一貫であること
③「現状のままでいい」は通用しないこと

①アクセス、コスト、クオリティは両立しない

これは医療制度の大原則で、医療へのアクセス(予約なしですぐに受診できる、とか)、医療のコスト(窓口負担という意味もあるけれど、税や社会保険料含めた制度全体としてのコスト:つまり事実上いくらお金を使っているか、人的コストや教育にかかっているコストはどうか、なども)、医療の質(安全性や世界最先端であることとか)を3つすべて100点満点にはならない、と言われている。
日本は全体として医療制度の評価は国際的にみて高いが、特にフリーアクセスといわれているようにアクセスの点が優れている。
クオリティについてはなかなか評価が難しいところだと個人的には思うけれど、国際的にみれば悪くはない。
問題はコスト。窓口負担は3割、特に受診が多い高齢者は1-2割で、さらに高額療養費制度など患者の直接負担自体は比較的軽減されているため、これだけ見るとアクセス◎、クオリティ〇、コスト〇という状態で、両立しないはずの3連立が両立していることになる。

もちろんこれは財政的な補填や、長期的には社会保障全体の財政的持続可能性の課題につながるのだけれど、社会保障に関連した財政は複雑すぎるのでここでは省略。
理解してほしいのは、実際にはどこかでコストをきちんと支払っている、ということ。
1つ目には、税や社会保険料など、窓口負担とは別の形で支払っている。
2つ目には、将来世代へのツケ払い。
そして、今回書きたいのが3つ目。
「医師を含む医療専門職の過剰労働」という巨大なクッションでこのコスト面を吸収している。
つまり、通常の労働基準法では違法のレベルで医師を働かせること、過剰労働の実態を「見えない化」、つまり自己研鑽等とすること、本来市場価格よりも安い給与(アメリカや美容など医療に市場原理が導入されている場合と比較)とすること。これらによって、実際にはかかっているコストがないことになっているので、
本来は不可能なはずの「超優良な医療へのアクセス、良質な医療、比較的低廉な窓口負担」という3連立が成り立っている側面があるのだ。

②「地域医療構想」は「医師の働き方改革」「医師偏在対策」と合わせた三位一体改革の一貫である

ただし、このままでよいはずはないことは明らかだ。
人口減少/高齢化を踏まえて、財政だけではなく、医師の働き方を含む医療提供体制全体を改革していく必要があるとして、国が進めているのが「地域医療構想」「医師の働き方改革」「医師の偏在対策」をあわせた2040年を目指した三位一体改革である。
この中で、地域医療構想は、各地域の病院や診療所などが実際にどのように転換しているのかを話し合い計画していく、というものであり、重要な役割を持っている。(ひとによっては、行政、医療機関、住民による「官製談合」と。市場原理に支配されない日本の医療提供体制という場面では、決して悪い意味ではない)

つまり、医師の過重労働や、看護師ら医療関係者/介護関係者などエッセンシャルワーカーの低賃金や悪い労働環境、研修医や若い医師の自殺、地方の医師不足や開業医の高齢化や継承問題に心を痛ませ、それらが問題であると考えるひとは、
同時に「地域の病院はこの先どうあるべきか」「どのように変わっていかなければならず、どこは守らなければならないことなのか」を考えることが必須である。

③「現状のままでいい」は通用しない

「地域資源としての医療の共同管理者」として考えるときに、先に述べたように「現状のままでいい」という地域は現状ほとんどないと言えるのではないだろうか。

このときに、考えるヒントになるのが、先の「アクセス・クオリティ・コスト」の関係だ。
アクセスを少し制限することで、質を維持しながらコスト(人的コストを含む)を節約するのか。アクセスといっても、千葉県のように病院まで10-30分という世界と、東北の一部のように30-60分が標準であったり、北海道のように「一番ちかい診療所まで100km車でいく」というのが当たり前の世界もある。さらに、プライマリケアへのアクセスなのか、それとも脳神経外科のような高度専門家へのアクセスなのか、救急へのアクセスなのかによってもイメージするものは変わってくる。

またこの地域に必要な「医療の質」というのはどういうことなのか?プライマリケアや診療所の医師の高い質なのか、高度な手術器具やゴッドハンドのような外科医のような質なのか?

地域の住民として、どれくらいその「地域の病院」を維持するためのコストを持続的にかけられるのか。

少なくともいえるのは、
「開業医にも脳外科にも予約なしでいつでもすぐに受診できて、窓口負担も1-3割負担で、医療なんだからこれは国が責任をもってコストのことはなんとかするべきで、それでいてどんなへき地でもどんな手術でもすぐに受けられる病院が家から10-20分の距離に常にあるべきだ。これまではそうだったし、これからもそうであってほしい!」という意識ではなく、
上のようなある程度の前提条件や各地域の現状を
専門家や行政側は住民にオープンに、より「民主的な手続き」を意識し、
住民のある程度専門的な情報についてはそれを土台としながら、
「自分たちの地域に必要な医療資源は?」と「コモンズの共同管理者」として考えていく、そんな意識に変わっていかなければならないということだと考える。

その意味で、「病院の統合再編・廃止はありき」なのではないことはよく理解していく必要がある。あくまで「手段のひとつ」である。
「今後50年100年先まで自分の地域に「良い医療」を残していくための再編集」のための手段である。

このような議論をしていくために、
専門家や行政側も、住民側も「医療はコモンズ」であると考えて、
議論の仕方を変えていかなければ、変わるものも変わらないと考えている。

<参考:レポート翻訳>

日本政府は、長年の課題であった財政難と医療従事者(特に医師)の過重労働を解消するため、医療制度の改革を目指している。地域医療構想は、各地域が将来のあるべき医療提供体制の姿に基づいて策定するものであり、最も重要な施策の一つである。この改革は、日本の医療制度、特に医療提供体制について、長期的な持続可能性を担保するために重要な改革であり、この文脈において、この「将来のあるべき姿」とは、各地域のステークホルダーの協議によって決定されるべきものであり、一義的に病院の統合再編を意味するものではないが、実際には多くの地域においては過剰な病院数を減らし、より効率的な配置に再編しようとすることを意味する。しかし、これらの計画をどのように策定するかという方法論は、基本的に各地域に依存している。そのため、多くの自治体では、自治体職員や地域の医療関係者、日本医師会の地域会員など、従来からのステークホルダーを交えて議論を重ねている。しかし、こうしたプロセスには課題があることはすでに明らかである。例えば、一部の地方政治家や地域の市民活動が選挙活動を通じて、病院の統合再編計画を中止に追い込むことがある。これは、「中止になってしまった」という上からの視点から問題である、ということも言えるが、それだけではなく「そのような住民の意見が吸い上げられていなかった」「適切な合意形成が図られていなかった」という意味でも課題があったと指摘することができる。

しかし、国民皆保険を達成した最も古い国の一つであり、世界で最も高齢化した社会である日本であるからこそ、日本が医療制度をより持続可能なものに変えていくことは、日本にとっても、また今後同様の問題に直面するであろう他の多くの国々にとっても重要な試みである。従って、医療制度改革案を策定するための、より民主的な方法を日本でも導入すべきである。つまり、地域住民に議論のテーブルを開放すべきである。このエッセイは、まず、公的資源を管理するために市民参加がいかに重要であるかを論じる。次に、医療と民主主義の関係について説明する。続いて、平時の民主的な方法による制度の確立が、社会の回復力を高めることを説明する。最後に、日本の地域医療制度を改革するためには、民主的プロセスが重要であることを改めて結論づける。

それぞれの地域医療構想の策定には、市民社会の関与が効果的かもしれない。地域医療計画は、投票によって支持された地方自治体によって、すでに十分に民主的なプロセスで策定されていると言えるかもしれない。しかし、これだけでは不十分である。なぜなら、伝統的な利害関係者とともに計画を策定することは、各自治体にとって依然として主要な方法だからである。また、前述したように、投票によって専門家の計画に反対し、それを阻止する地元の政治家や住民もいる。このことは、市民の意見が十分に計画に反映されていないことを示唆している。そのため、市民の声を反映させる工夫が必要であり、その一つが市民社会の参画である。
市民社会が政策決定において積極的な役割を果たすことは、特定の地域における保健管理にとって有益である。まず、このような関与を通じて、政策が社会的弱者を含む地域住民のニーズを考慮することになる。さらに、人々が政策を理解し、政策実施を監視することは、政策の有効性を高めることに貢献する。最後に、計画段階から市民を政策決定に参加させることで、後に市民が計画を破棄する可能性を減らすことができる。したがって、地域医療ビジョンを成功させるためにこそ、政策立案への市民の関与が重要なのである。

民主主義は、いくつかの側面で健康に有益である。第一に、民主主義は、乳幼児や子どもの死亡率の低下、出生時の平均余命の延長など、平均余命と関連していることが確認されている。さらに、民主主義は心血管事故や交通事故の結果も改善する。これらの特徴は、これらの国が強固な医療制度に支えられていることを示唆している。これとは対照的に、民主的な政治構造から独裁的な政治構造へと変化した国の中には、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ率が低くなる傾向がある。これに関連して、これらの国々では国民の健康に対する負担が増加している。もちろん、これらの研究のほとんどは民主的な国と独裁的な国との比較であり、日本は独裁的な国ではないためそのまま適応できるわけではないが、これらの研究はより民主的な意思決定方法が健康にとって有益である可能性を示唆している。
さらに、民主的なコミュニケーションと政治姿勢は、社会正義を通じて民主主義の有益な効果を高める。まず、ガバナンスと責任を共有することは、効率的な医療制度にとって重要である。なぜなら、これらの概念は、より健康な社会を作るために協力する道徳的義務を引き起こすからである。また、政府が透明で正直な方法で国民とコミュニケーションをとれば、国民は政府の指示に同意する傾向がある。実際、台湾のcovid-19の際の成功は、責任の共有、道徳的義務、台湾人の政府への信頼によって支えられていると指摘されている。したがって、健康状態を改善し、医療制度の効率を高めるためには、民主主義が必要である。

台湾のケースに限らず、平時の医療における民主的な社会正義は、次の危機に備える社会を生み出す。最近の研究では、様々な民主主義国の中で、社会正義に関連するいくつかの側面が、covid-19の抑制に成功した国々を導いたことが明らかにされている。医療における社会正義には4つの要素がある。第一に、政府は公益のために運営されるべきである。私利私欲を求める政治家をトップに据えた国の中には、covid-19の抑制に失敗した国もある。2つ目と3つ目は、台湾のケースに見られるように、「責任の共有」と「透明性のある公的コミュニケーション」である。最後に、成功した政府は倫理的リーダーシップを発揮し、道徳的義務、責任の共有、合理的なコミュニケーションに基づいて自国を共通善へと導いた。
しかし、緊急時にこれらの能力を迅速に育成することは困難であり、これらの能力は平時から獲得しておく必要がある。従って、こうした社会正義を地域レベルから醸成することは、次の危機に備えるための有効な手段である。

民主主義は、独裁政治と比較して、医療において明らかな利益をもたらすが、市民が地方政治に関与することが、医療制度の効率を直接的に高めるかどうかは明らかではない。実際の市民参加と政治との間のダイナミズム、そしてそれが保健医療政策にどのような影響を与えるかは、今後の研究課題である。
日本の医療制度は、より持続可能な制度へと変化していかなければならない。この改革は日本だけでなく、グローバル社会にとっても重要である。なぜなら、この最も高齢化が進んでいる国がどのように制度を改革するかは、日本のように高齢化が予測される他の国にとっても重要だからである。日本の医療制度改革にとって、医療における民主主義には2つの意味がある。第一に、民主主義は改革を成功させるための方法である。第二に、民主的な手段による改革は、より持続可能で、より健康で、より抵抗力のある社会を構築する。したがって、日本の医療政策立案は、地域社会に議論のテーブルを開き、地域の医療制度についてより民主的な議論を促進する必要がある。

Why is the concept of democracy important in the healthcare debate in Japan? Regional Healthcare Vision as an example.

Japanese government aims to reform the healthcare system due to longstanding issues which are financial unsustainability and overwork of medical staffs, especially doctors (Sakamoto, 2018). Regional Healthcare Vision, which is made by each region based on their ideal medical delivery system vision for the future, is one of the most important policy measures (Sakamoto, 2018). In this political context, this “future ideal vision” means that each local government tries to reduce the number of hospitals and reorganise into more efficient arrangement. However, a methodology for how to formulate these plans is basically depends on each region (Sakamoto, 2018). Therefore, most of them discuss their plans with conventional stakeholders who are local government office workers, local medical experts, and regional member of the Japan Medical Association. But it has been already clear there are problems with these processes, for example, some local politicians and regional civic activities defeated experts’ plans through voting, and reorganising is stopped (Doi, 2023).
However, as a one of the oldest countries which achieve Universal Health Coverage (Matsuda, 2018), and as a most aging society in the world, a success to change the healthcare system into more sustainable one is important for both of Japan and other many countries which will face similar problems in the recent future. Therefore, more democratic methods to formulate healthcare system reforming plans should be introduced in Japan. This means discussion tables should be opened to local citizens. This essay begins by discussing how civil engagement is important to manage public resources. Secondary, it moves on to explain the relation between health and democracy. Following this, it is explained that the establishment of systems by democratic ways in ordinary time will enhance the resilience of society. Finally, this essay concludes again the importance of democratic process to reform local healthcare systems in Japan.

Civil society engagements might be effective to formulate each Regional Medical Plan. It may be argued that Regional Medical Plans are already made in enough democratic process by local government which is supported by voting. But this is not enough, because making plans with traditional stakeholders are still major methods taken by each local government. And, as mentioned above, some local politicians and residents opposite and stop the experts’ plan through voting (Doi, 2023). This suggests that there are citizens’ opinion which could not be reflected to the plan enough. Moreover, it is pointed out that whether this policy-making process is opened to local citizens or not is unclear (Sakamoto, 2018) Thus, it is necessary to devise ways to reflect the voice of citizens, one of which is civil society engagement.
Civil society’s active role in policy-making is beneficial to manage health in certain areas. At first, a policy will take into accounts the needs of the local residents, including vulnerable people, through this engagement (The Global Fund, 2023). Furthermore, people’s understanding of policies and monitoring policy implementation contribute to improve effectiveness of policies (The Global Fund, 2023). Finally, involving citizens in policy-making from the planning stage reduces the likelihood of citizens destroying plans later on. Therefore, it is precisely in order to make Regional Medical Visions successful that civil engagement to policy-making are important.

Democracy has benefit on health in some aspects. First, it is identified that democracy is related to life-expectancy, including lower infants and children death rate, and longer life expectancy at birth (Bollyky, 2020). Furthermore, democracy also improves results of cardiovascular events and transport accidents (Bollyky, 2020). These features suggest that these countries are supported by robust healthcare systems. In contrast, some countries which have changed their political structures from democratic way to autocratic one tends to become lower Universal Health Coverage rate. Related to this, burden of the people for health had increased in these countries (Wigley, 2020). Although most of these studies are comparing between democratic countries and autocratic countries, and Japan is not an autocratic country, these investigations suggest democratic decision-making may be beneficial for health.
Furthermore, democratic communication and political posture will enhance the beneficial effect of democracy through social justice. At first, sharing governance and responsibility are important for efficient healthcare systems, because these concepts will cause moral obligation to cooperate making more healthy societies. In addition, if a government communicates with the people in a transparent and honest way, they tend to agree with the government’s directions. In fact, it is pointed out that Taiwan’s success during covid-19 is supported by shared responsibility, moral obligation, and Taiwanese’s trust for their government (Ruger, 2020). Therefore, democracy is necessary to improve health status and enhance a healthcare system efficiency.

Not only in Taiwan’s case, democratic social justice in healthcare in ordinary time will produce a prepared society for next crisis. Recent studies have identified that some aspects related social justice have led some countries to succeed to control covid-19 among various democratic countries. Four factors of social justice in healthcare are identified. First, the government should be managed for the common good. Some countries which had self-interest politicians as top-leaders failed to control covid-19. Next, shared responsibility and transparent public communication are important, as already seen above in Taiwanese case. Finally, succeeded governments showed their ethical leadership, and led their own countries to common good based on moral obligation, shared responsibility, and rational communication (Ruger, 2020). However, it is difficult to foster these features quickly in an emergency, these abilities should be gained in ordinally time. Therefore, fostering these social justice from local level are effective way to prepare next crisis.

Although democracy has clear benefit in healthcare, compared with autocracy, it is not clear that civil engagement in local politics have directly enhance healthcare system efficiency. The dynamism between actual citizen engagement and politics, and how this affects health and healthcare policies, is an area for future research.
Japanese healthcare system has to change into a more sustainable system. And this reform will be important not only for Japan, but also for a global society, because the way how this most aging country reform their system is important for other countries where an ageing future is forecasted, as in Japan. Democracy in healthcare has two meanings for Japan’s reforming healthcare system. At first, democracy is a method to success to reform. Secondary, reforming in democratic measures will build more sustainable, healthier, and more resistance societies. Therefore, healthcare policy-making in Japan need to open the discussion table for local communities, and promote more democratic discussions about their local healthcare systems.

Reference List
Bollyky, T. J. Kickbusch, I. (2020). 'Preparing democracies for pandemics'. BMJ, 371, m4088, pp. 1-2.
Doi, H. (2023). 'Shimin Byoin no Kobe Itenn wa hakushi sanda shichosen hatsutousen no tamura-shi saihen tougou eno hanpatsu wo oikaze ni'. Kobe shinbun, 24th July [Online] Available at: https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/202307/0016620203.shtml (Accessed: 3rd, September, 2023)
Matsuda, S. (2019). 'Health Policy in Japan – Current Situation and Future Challenges. Japan'. JMA Journal, 2(1), pp. 1-10.
Ruger, J. P. (2020). 'Social justice as a foundation for democracy and health'. BMJ, 371, m4049, pp. 1-3.
Sakamoto, H., Rahman, M., Nomura, S., Okamoto, E., Koike, S. et al. (‎2018)‎. 'Japan health system review'. Health Systems in Transition , 8 (‎1), pp. 1-228.
The Global Fund. (2023). Civil Society. Available at: https://www.theglobalfund.org/en/civil-society/ (Accessed: 3rd, September,2023)
Wigley, S. Dieleman, J. L. Templin, T. Mumford, J. E. Bollyky, T. J. (2020). 'Autocratisation and universal health coverage: synthetic control study'. BMJ, 371, m4040, pp. 1-10.
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?