存在理由を教えてくれた選手
動画を繰り返し見て時々現地で見たとき以上に号泣するゴール。
昨年のルヴァンカップ決勝での同点ゴール。
あの試合を見ていた人なら多分どこのサポーターであっても、なんの予備知識がなくても少なからず興奮したであろうゴール。
彼のこれまでを知っているサかポーターなら「これで泣かなければいつ泣く」、そんなゴール。
彼が16歳の頃にその存在を知った。
ユースの試合を見に行って、「ボールが動くとき、いてほしいところにいる選手」が目に入った。
「あの6番の選手誰?(背番号は違っていたかもしれない…)」
「深井一希というの!ユース代表の子!覚えておいてね!」
と、ユース親分…いや、ユースにとても詳しい友人にその時点で強くレコメンドされた。そのレコメンド通り、U-17の世界選手権で活躍もした。だからトップ昇格を楽しみにしていた。
…選手のこれまでについては、くろかわひろとさんのこちらの記事以上のものを書ける気が1ミリもしないのでこちらを読んでください(適当
代わりに自分は選手が怪我をした当時のリアタイ自ブログを貼ります(適当
2014年と2015年と、毎年「怪我をした つらい」という記事を書くなど夢にも思わなかったし、その選手がそれから4年後にカップ戦決勝でゴールを決めるという夢を描いたこともなかった。
もしもトップ昇格して怪我をしないで順調に成長していたら、彼は今頃どんな場所にいたのだろうか。
チームで結果を出して五輪代表やフル代表に選ばれて、海外移籍なんかもしてたかもしれない。W杯に出ちゃったりしてたかもしれない。もちろんそれらは今でも十分追える夢だし出来るなら追ってほしいとも思う。
でも凡そ順調ではない道程を経て、たどり着いたあの日のゴール、今これを書きながら思い出してブワッと来る、どんなに今が苦しくても、もうこれ無理じゃね負け戦じゃねって思っても、「いや、そんなことはない、あの日わたしは見た」と力強く言えるような、そんなゴールを叩き出したことは、描かれた輝かしい未来図とは真逆の、でも輝き方は何ら変わらない現実の物語だ。
昨年の最終戦でまた怪我をして見ている我々を凍らせたものの、今回は重篤な怪我ではなく済んだので、今季は少し出遅れても早いうちに合流出来るだろう、と思っていたら試合そのものが開催されないという、これまた夢にも見ない現実が待っていた。
けど、このしんどさもいつか越えられる日が来るはずだって信じている。
信じられるのは「それ」を見続けてきたから。
日常生活を送っているだけではなかなか信じることの出来ない、けれどスポーツにはある、奇跡のような瞬間が現実にあることを知ったから。
サッカー、そしてスポーツの存在理由を私に教えてくれた選手のひとりとして、
北海道コンサドーレ札幌 背番号8 深井一希
この名を挙げさせていただきました。
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