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ある日突然大腸ガンになってからの徒然日記vol.1


突然のガン告知から大学病院での1回目の手術、その後の抗がん剤治療、さらに自分のガンのまさかの特性。そして現実を突き付けられた会社の対応等、同じ様にガンで頑張ってる人や、同じ様に普段健康であまり自分の身体のメンテナンスをしない方へ少しでも励みや参考になって貰えればと思って素人の大腸ガンサバイバーが書いてます。
月1程度で今までの奮闘日記を残して行こうと思ってますのでよろしくお願いします


《突然の体調不良からの緊急入院》

当時43歳の2020年。

まだ梅雨明け前の蒸し暑い頃、いつも通り元気に職場へ出勤していつもと同じ様に仕事に取り掛かって特に何も体調が悪かったわけでもなく...

ただちょっと人生でほとんどなったことが無かった便秘?(なった事が無かったので便秘がどういうものかもわからず勝手な思い込み)気味だったくらいで...

けどその日の夕方会社のトイレに篭ってなかなか出にくい便を頑張って出した後にいつものようにトイレットペーパーを巻き取って拭いたら違和感…「あれ?赤いぞ?」と。

今にして思えばそれこそ血便で、本来体の調子に敏感な人であればすぐにでも病院で診察、検査をする事態なんだろうけどいかんせん自分はそこまで自分を労わってなかった。

...というかズボラだったというか、とにかくそこまで大事に捉えられなかった自分を今更ながら悔やんでも仕方ないけど、当時の自分は

「痔が切れて出血でもしちゃったんかな?」

って本気で思ってしまったんです。
実際数日でその時の血便は止まって、やっぱり

「痔でも切れて出血してたんだろうな」

くらいにしか思わなかったんです。

ちょうどその直後に世間ではコロナが席巻し始めてて、当時仕事でよく使っていた横浜ベイブリッジの下に日本のコロナ騒動の根源であるあの豪華客船が停泊していた頃でした。

自分の体調よりもコロナにかかってはマズイという意識の方が強く、日々の仕事をしていたんですが、夏頃に収まった血便がまたちょっと気になりだしたタイミングの2020年12月。

もうあと数日で仕事納めをして年末年始のお休みに入ろうかという時期にいつも通り朝マイカーに乗って職場へ向かっているとなんだか頭が熱っぽい…

ハンドルを握っている手も痺れがあって、当時コロナにかかると味覚症状や手足の痺れが出ると騒がれてて、

「これはもしや掛かっちゃったか?!」

と思いつつすぐに上司にTEL。
急遽その日休ませてもらって、自宅の近所にある総合病院へ向かうことにしたわけです

病院へ到着して受付をする際に、一応血便が気になると伝えると下部消化器、肛門の診療科で待つように言われ待つ事1時間弱。

いよいよ呼ばれて中へ入るとそこには明るい元気なオッサン的雰囲気のドクターがいらっしゃって自分の顔を見るなり

「肛門カメラで中見るからおしり見せて!!」と。

そういう雰囲気でテンポの良い言われ方をしたから余計に軽い気持ちで深刻な事は無いだろうと気楽に言われるがままの姿になってまな板の上の鯉状態(笑)
診察しながら先生が放った言葉に小さい衝撃

「あ~これ潰瘍性大腸炎かもなぁ。確実な事は言えないけど今見た時点ではそれっぽいや」と。

『潰瘍性大腸炎?!?!』

と思わず聞き返すと

「そうそう、(当時ご存命だった元総理の)安倍さんと同じやつ、とにかくこれは食事はしちゃダメだからこのまま入院で様子見なきゃダメだね」

年末のこの時期になんとも絶望的なお言葉…会社になんと言えばと考えても仕方ない。
ありのまま伝えて家族にも電話。

そのまま大人しくエレベーターで病室へ...

あの時は潰瘍性大腸炎という事を会社にも嫁にも伝えて、しばらく絶食して症状が収まれば無事退院と思ってたんだけどなぁ

《詳しい検査で人生初の大腸カメラ》

入院して点滴を射っていると、外来で診察してくれた先生とはまた別の若い女性の先生が挨拶がてら説明に来てくれて、

「詳しい診断をするのにカメラを入れて検査します。」との事。

ただそれが思った以上に過酷でお腹の中を空っぽのするために大量の下剤を飲む必要がありそれがもうしんどくてしんどくて…

ただでさえ便秘で便なんか全然出ないのに飲むだけ飲んでお腹に入れても出てくる物が出てこない…うぅ地獄だ…

後々分かった事だけど、大腸カメラ検査を受けた事がある人や知っている人はこの下剤を飲む作業が圧倒的に嫌だって口を揃えて言ってた意味が分かった体験でした(笑)

【それでも、今、元気でもやっぱり身体のケアや検査は受けるべきです。これはもう病気になったから言えることで、実際に今現在元気な人に「理解しろ」と言ってもなかなか難しいとは思いますが、自分個人としては今となっては健康診断だけでなく定期的にある年齢になると役所から送られてくる検査案内は1度はやっておくべきと思います】

いざ検査準備完了と言うことで検査室へ呼ばれ、病室から検査室へ…

今まで手術室や機械だらけの検査室なんてテレビの医療系ドラマでしか見た事無かったから、変な緊張とドラマの見過ぎな妄想ばかりが浮かんできて我が事では無いような不思議な気持ちのまま麻酔をされて意識が無くなって起きたら終わってた。

起きたと同時に先生の発言で大きすぎる衝撃

「ガンですね。直腸に大きなガンの塊があってこれで腸内塞いじゃってるからそりゃ便秘になる」

『マジですか?!ガンか…そうかガンか…』

それ以上なんも言葉も考えも出てきませんよ…

《告知と今後》

病室に戻って特に何も考えられなくて、ただただボ~っとした時間を過ごしていたら、今度はまた違う若めの男性のドクターが入室してきて

「直腸ガンですね。かなり進んじゃっててステージ4てとこかな…実際のステージは今後の詳細な検査で確定すると思うけど、カメラで見た感じでは4程度かな」と。

あまりの衝撃に思わず…『4ですか!?!』

心の中で、

『4てなんだよ…相当無理な感じじゃん…てか告知ってこんな感じで病室なの?こういうとこで4とか言うんもんなの?ドラマとかだと個室に呼ばれてプライベートな空間でしんみり言われるものじゃないの?』

とかイメージとは違う現実の告知とあまりに衝撃的な【ステージ4】のインパクトに困惑しつつ出た言葉が、

『今の時点で余命とかそういうのは言われるレベルとかでは無い感じですか?』(ステージ4て言葉で余命宣告までワンセットと思い込んでました)

先生が続く
「今のまま何もしなければ1年とか2年とか…何もしなければね。今後手術とか治療とかするだろうし今の時点で余命がどうとかって言うのは早すぎるよ」

人生でガンになった事無いし、ガンの告知=余命宣告的な勝手なイメージあったしもうガンと言われてから何もかもが未体験の未知数な出来事過ぎて、何から手をつければいいのか頭の中がグチャグチャで…

「とにかくここの病院では治療は出来ないから大きい大学病院紹介するから〇〇病院か△△病院(両方共今の病院から同じくらいの距離にある通いやすい大学病院)どっちがいい?」

『じゃぁ△△病院でお願いします』(通う道路状況考えた時に渋滞とか無さそうで通いやすそうだったからで、病院の知識が無かった俺は評判とかそこまで考えが及ばなかったし、すぐに紹介状作ると言われてそこまで吟味する時間も無かった為)

と答えるとすぐに先生は紹介状を書きに退室。

残された自分はしばらくボーッとしてたけど、ふと我に返って急ぎ会社へ連絡。

『こういう状況で数日ここに入院してその後病院変わって治療になるので、とりあえず入院するこの数日お休みさせてもらってその後説明に会社に行きます。』

「分かった。無理しないでお大事に。会社に説明来る時にまた連絡ください。」

これが勤務先との理不尽なやり取りの最初になるとはこの時点では全く予期してませんでしたがそれはまただいぶ先のお話。

続いて嫁にもすぐ事情と病名を話して病院に来てもらうように連絡。

あとはもうなるようにしかならんのだろうなぁっていう諦めにも近い感覚に襲われてただ病室のベッドで寝てました。  

                                                                                                      つづく。                    





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