家と暮らし sachi "お話"
『カオルと 僕と そして今』1~45 約144,425文字を一気読みいただけます。切なくて、愛しくて、言いたかったのに言えなかった言葉、届かない想い、東京とイギリスとフランスの一部の空が、お届け出来れば、と思います。
おはようございます。sachi です。 "お話" を読んでいただくにあたり、ご案内がございます。 + + + 有料記事にした理由この "お話" は、有料記事となっています。 これは、ある方からのアドバイスです。 「じぶんが大事にしているものは、しっかりと守りなさい」 じぶんの大事なモノは、家に保管してあったりします。 それをどなたかに見ていただくには、家へお招きをすることになります。 その家は、とても個人的な場所であって、鍵がかけられています。 有料=お金をお支払い
【Introduction】消えた命と、産み出た命 30年前 産まれたばかりの真っ白な命を、この腕で抱きしめても 悲しくて苦しくて、どうしようもない気持ちが止まらない 「いっそ、全てをお話に仕立て上げれば、少しはラクになるのかもしれない」 そんな気持ちで、書き始めました 最初から、ラストシーンは決まっていました 私はただ、ペンを走らせただけ "書け、書け" という声に促されて、紙に書き出しただけ まさか、30年も経過するとは、夢にも思いませんでした 30年経った
#First of allそれは 1993年のこと 手のひらの上、指先一つで いつでも会話をすることが出来なくても 行き先を声で案内をしてくれる地図が無くても それでも 黒い受話器の先にいる声を聴いては、会いたい思いを募らせ 見ず知らずの場所でも、ちゃんと待ち合わせをして出会い 大好きな人を見ていられる限られた時間の中で むさぼるように言葉を交わし求め合った そんな不便で不器用な、ささやかなつながりの中で それでも誰かを愛することをやめられなかった時のこと #思い出
#テツオ #フォルクスワーゲン・ゴルフ 年明けから、テツオはぽっかりと穴が開いてしまったように暇にしていた。 ところが二月に入って、突然立て続けに仕事が入って忙しくなり始め、そんな時に限ってスキーの誘いなんかがくるものだ。 それまでは先の予定もなく暇だったので、節約のつもりで好きなスキーには行かずに我慢していた。 シーズン前に新調したブーツと板は、その威力を発揮できずに、いささか不満ぎみに部屋の隅でじっと出番を待っていた。 そんな中で、この誘いはただの遊びではなく、友人の接
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