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サバイバーの話

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機能不全家族について
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記事一覧

冬の日の思い出

 

 冷蔵庫の中に鮭の切り身を見つける。今朝は水たまりに薄く氷が張っていた。とても寒い。夜には雪になりそうだ。暖かいご飯を作ろうと思う、鮭を使って。ちょうど牛乳とバターがあるから、クリームシチューにしよう。玉ねぎとじゃがいも、ニンジンをざくざく切る。全部鍋に放り込んで、じっと待つ。そしてこんな日は、思い出してしまう。父のことを。

 私は私のことが好きじゃなかった。いや、大嫌いだった。なぜなら、

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石田衣良『北斗 ある殺人者の回心』を読みました。 愛を受けず、心のないまま生きてきた主人公が、愛によって心を取り戻す話に思えました。

親と暮らせない子どもについて知りたい人が、これさえ読めば概要を理解できる記事

先日、G1サミットに参加している知事・市長ら10人に「日本の社会的養護、特に児童養護施設についてデータに基づいたマクロの議論を15分で話す」というお題を頂いた。ただでさえ起業で忙しいうえに荷が勝つテーマではあったけど、子どもたちの状況がこれで良くなるのなら、と一生懸命に資料を用意した。せっかくだから、ここでその概要をお伝えしたい。人間のモノを読むスピードは聞くよりはるかに早いので、さっと読む分には

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機能不全家族の中で育ち、寛解するまでの10のステップ

機能不全家族の中で育ち、寛解するまでの10のステップ

「機能不全家族とは、「子育て」、「団欒」、「地域との関わり」といった、一般的に家庭に存在すべきとされる機能が、健全に機能していない家庭の問題を指す。そしてこの機能不全家族で指摘される問題は、家庭内での不健全な事象よりも、その機能不全家族の中で育った子供への悪影響を問題として指摘する場合が多い。つまり、機能不全家族内で育った子供は、機能不全な環境や考え方が当たり前であるかの様に認識して成長するケース

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サバイバーから見た「2分の1成人式」

考え直してほしい「2分の1成人式」——家族の多様化、被虐待児のケアに逆行する学校行事が大流行

学校リスク研究所の内田良先生は、これまで日本の学校教育の中で美化されてきた「独自の」文化に対して色々な提言をなさってきた。見えにくい(見ようとしない)日本の根性論・精神論に対して科学という万人にわかりやすい物差しで、ちょっと違うんじゃないか、と言う。もっと切迫して命の危険があるとはっきり言う。そして現場

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