「秘密のなっちゃん」だいぶ経過した感想

年単位で期間あきましたね。
全然気力がなかったのです……
なんか病気の兆候が見つかったり色々してたのですが今回は別な話をします。

遡ること二月五日、「ひみつのなっちゃん。」と言う映画を観ておりまして
レビューというほどでもないんですけど感想したためるやつをやります。

ジャンルとして、ざっくりといえば「和製プリシラ」ですかね……
ドラァグクイーン達のロードムービーです。
主演は滝藤賢一さん、他に渡部秀さん、前野朋哉さんを加えた3人がメインで展開していく映画です。

「なっちゃん」というのは、この三人が仲良くしていた二丁目のママさん。
映画冒頭で亡くなったと知らせを受ける滝藤さん演じる「バージンさん」のシーンから始まります。
なっちゃんは自身がオネエだということを家族にカミングアウトしておらず、それどころか店の従業員やバージン達にも住所を教えていない程の秘密主義だったなっちゃんの家を突き止めた三人は、なんとかオネエだとバレそうな遺品を隠そうとしていたところ、なっちゃんのお母さんに遭遇してしまいます。

別にこの状況、オネエでないと起こり得ないかといえばそうでもないですよね。
家族の誰にもいえないまま、何かしらのオタクになってしまって、遺品整理になったときになって故人の意図していなかったであろうところで家族に周知されることとなる……みたいなのは、わたし自身オタクとして想像に難くないし普通に今のままでも遺品整理させたくないなと思うような生活環境ではあります……

話を映画に戻しまして。
なっちゃんのお母様になんとかオネエのことはその場でバレずに済みはしたものの、三人はそのままなっちゃんの葬儀に来てくれと「郡上八幡(ぐじょうはちまん)」まで来ないか、と提案され……オネエだとバレるわけにもいかないので「普通のおじさん」の三人として、なっちゃんの秘密も、自分たちの正体も隠し通す旅が始まる……
というような感じです。

なんでこの映画を観ようと思ったかって
滝藤さんの演技が好きなのと、オネエとかドラァグクイーンの方々が好きだからです。
実際クイーンの方にちゃんとお会いしたことってないんですが、メイクの研究だったり考え方だったりがリスペクトできる方がたくさんいて、定期的にYouTubeの閲覧履歴がドラァグクイーンのメイク動画で埋まることがあります。

メインの三人はそれぞれ系統や経緯などは違えどドラァグクイーンで、カミングアウトしているかとか、普段のオフはどういう格好で居るのかなども三者三様です。
滝藤さんのオフ(だけどオネエまではオフしない)という演技がかなり堂に入っていて「あ、居そうだなこういうひと……」ってなるんです。
周りからの視線の感じ方とか、セリフはないのに目線とか空気感でこちらに伝えるだけの演出が多く感じましたが、むしろああいう瞬間ってセリフとして言語化がすごく難しいんだろうな……
バージンさんは以前お店でショーをしていたものの、引退したオネエさん。けれども自室でウィッグを被りヒールやドレスを身にまとい、ばっちりメイクをしてライトを煌めかせて昔のように練習をする日々。
郡上八幡に向かうまでの「衣装でないバージンさん」もまたお美しくて……
ビジュアルはもちろんなんですけど、所作まできれいなんですよ。

渡部秀さん演じる「モリリン」は三人の中でも若い方です。他の二人よりもマインドが最近寄りなので、都内よりも絶対数が少なさそうな郡上八幡で一度限りのショーを持ちかけたりするところなどに二人との違いを感じます。
何よりオフ時も女装時も綺麗なんだよなあ!
パーキングでとある人といい感じになるシーン、笑っていいのかわからないけど爆笑しちゃった……

前野朋哉さん演じる「ズブ子」はメディア露出もあるような忙しいオネエさん。食レポしては決め台詞でひとウケしてスタジオに返す。町で歩けば「ズブ子さん!」と声をかけられ、人気があるけれどもその一方で忙しさのせいで彼氏が遠ざかる……というジレンマを抱えた傷心のオネエさんです。
わたしが一番見るタイプの、馴染みのあるオネエ像、というか。
でも同時にズブ子さんの裏側も描かれるのでただの芸能人、みたいなイメージは薄いです。
ただの恋を求める一人の人間だなぁ、と思わせるシーンもあり、どのシーンも愛らしさがあってみていて楽しい!

映画を観てから、YouTubeに上がっている舞台挨拶の動画や関わったオネエの方々の動画まで観漁ってしまいまして。
それで知ったんですが、この作品コロナもあって一度公開が延びてたんですね……
脚本の方が郡上八幡出身だとかで、なっちゃんの故郷がそこになったのもそういう理由があるようです。そこでおこなわれるお祭りがあって、そこに住む人がいて、昔からの文化があって。
そこに入っていくオネエ三人組は、今でこそLGBTQ +がメディアなどで話題になるようになって、まるで新しいもののような感覚がしてしまいがちですが、同じように昔からそこに居たはずなんだよな……と思わされますね。
舞台挨拶で撮影当時のことを語るキャストさん達がまた楽しそうなのもいいんですよ。公開が延びたから結構前の話だとは思うんですけど……カメラが回ってなくてもバージンさんの所作が抜けない滝藤さんの話とか、渡部さんとなんでか縁のあるとある共演者さんの話とか。

映画の結末まで楽しく優しくて、とってもいい作品です。

感想の話するのが下手くそだな……まとまらなくて自分でもびっくりお茶濁しに二軒リンクを貼り付けます。

↓こちらは映画冒頭の五分間が特別に公開されているYouTubeのページです!
部屋の中でゆったり舞うバージンさんのシーン。

↓そしてつい最近ですがBlu-rayとDVDも発売されているみたいなのでそちらのリンクもこちらに。


映画好きなので結構観るんですけど感想にアウトプットする作業をしてこなかったのでまたリベンジしますね。今回はひとまずここまで。

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