小説は急いで読むもんじゃない
※BL小説の話をします。
今年の正月、樋口美沙緒先生のムシシリーズを一気買いしました。
文庫8冊と番外編セレクション2冊です。
このときは後期の終わりが近かったので、課題が膨大に出ていました。
しかし、気になった小説への興味は抑えきれず、読み始めてしまいました。
もう課題そっちのけで読みまくり、3日で読破。
これを遅いととる人もいると思いますが、私的には爆速で読みました。
しかし、これが実にもったいないことだったと今、後悔しています。
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BL小説沼へ足を踏み入れたときに出会ったのがムシシリーズでした。
色々なレビューや感想、試し読みを経て、買う前から泣けることだけは確信していました。
案の定、第1作目「愛の巣へ落ちろ!」から第4作目「愛の罠にはまれ!」まで、ボロ泣きしながら読みました。
何回も涙をふき、何回も鼻をかみました。
小説を読んでいて初めて、「読み終わるまで、ティッシュがもつかな?」と心配しました。
それぐらい、どの作品も泣けるんです。
しかし、4作目が読み終わったあたりで、課題のやってなさに気づきます。
冬休みに終わらせられるだろうと踏んで、教授たちはこぞって課題の締め切りを冬休み明けすぐにしていました。
「課題をせずに小説を読んでいるだけで時間が過ぎている……でも、まだ読みたい!!」
私の耐え性のなさは自分でも呆れるレベルですが、どうしても我慢できない……
かくなるうえは……マッハで読むしかない!!!
今までもまぁまぁ早く読んでいましたが、第5作目「愛の本能に従え!」からはいつにも増して爆速で読み進めました。
そんな読み方をしても、概要は掴めました。
しかし、涙の数は確実に減りました。
第8作目「愛の星をつかめ!」は泣かずに読み終えました。
そして、番外編セレクションも読み終え、3日でシリーズすべてを読破しました。
楽しんだといえば、楽しんだ。
面白かったといえば、面白かった。
しかし、私は小説を全然読めていませんでした。
それに気づいたきっかけは既刊の読み直しです。
6/30にムシシリーズの新刊が発売されるので、その記念に自分で勝手に既刊の読み直しを始めました。
以前とは異なり、1日1冊丁寧に読みました。
すると、初めて読んだぐらいの感動と涙が溢れ出しました。
特に、第8作目「愛の星をつかめ!」は、真耶の抱えていた弱さや悩みをしっかり理解でき、その葛藤の様子に涙が止まりませんでした。
初回は一体何を読んでいたのか?
そう自分に問いただしたいぐらい何も分かっていませんでした。
小説は概要を知るもんじゃない。
ゆっくり物語の世界に浸ることこそ小説の醍醐味だ。
小説の表現をじっくり咀嚼することで見える世界が変わるかもしれない。より登場人物に共感するかもしれない。
細かい表現を見逃がさないようにしたいと思える出来事でした。
小説は時間をたっぷりとって、ゆっくりじっくり読もうと思いました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいや〜、ムシシリーズめちゃくちゃおすすめです!!
涙活したくて、商業BLが大丈夫な人ーー(∩˙▿˙∩)
是非読んで!
虫嫌いな人ーー(∩˙▿˙∩)
大丈夫!虫の絵は出てきません。
虫の生態がエッセンスとして入ってるだけです。
1回、試し読みをしてみてください。
このシリーズは「愛」について考えさせられます。
愛には痛みや葛藤があることを教えられるし、それでも愛はいいなと思える……そんな素敵なシリーズなんです。
そして、そんな気持ちになるのは、ジェットコースター並みに山・谷があるストーリーだから。
苦しいときはどん底、しかし救ってくれる出来事が必ずあります。
「文庫の内容じゃ足りない!」「もっと読みたい!」と思ったとしても、10周年記念で番外編セレクションが発売されているので、満足できますよ!
参考までに、私が購入する前に読んだツイートです☟
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