作家の活躍を喜べない……?


BL小説を読んでいます
と言えば、なんとなく察せるでしょうか?

そう、一穂ミチ先生の一般小説『スモールワールズ』が直木賞の候補作にノミネートされたんです。
素直にすごいことだと思いました。
ただ、それを喜んでいないモヤモヤした気持ちが心の中で少しつっかえていたことも事実です。


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一穂ミチ先生と言えば、BL小説のイエスノーシリーズが有名でしょうか。
私はそういう認識です。


一般小説『スモールワールズ』が発売されたことは以前から知っていました。
しかし、私の中で今はBL以外の本を読む気がなかったため、買いませんでした。

そんな中、飛び込んできたこのニュース。
直木賞にとってBLは対象外だろうから、関係ない世界だと思っていました。しかし、BL作家が対象外ということではないんです。
作品がBLでなければ、一般小説であれば、対象なんですよね。
BL作家はBLを書いている作家というだけで、BLしか書いちゃいけないという決まりはないです。
何を書いていようが、作家には読者を獲得する文才が必要で、人気作家ともなればそれを十分に持っています。
一穂ミチ先生の場合、その文才が『スモールワールズ』にも発揮され、それが直木賞ノミネートという形で認められたということ。

喜ばしいことなんです。
なのに、それを喜んでいない自分もいる。
それが後ろめたくてたまらない。

どうして、喜べないのか……


おそらく、BL小説を書かなくなってしまうのではないかという不安があるんだと思います。

BL作家が一般小説を書き、賞をもらった出来事で記憶に新しいのは、凪良ゆう先生の『流浪の月』が2020年本屋大賞を受賞したことでしょうか。
この出来事もすごいと思います。
しかし、これ以降私の知る限り、凪良ゆう先生はBL小説を書いていないです。
私は凪良ゆう先生の『美しい彼』シリーズが好きで、まだ続いてほしいと思っています。
しかし、2巻から3巻までも約3年空いており、その間にもBL小説を書いていますが、一般小説も書くことになるともっと期間が空きそうです。
一応、1巻1巻ちゃんと完結はしているので、このまま続編がなくても大丈夫ですが…………いやっ、ダメ!読みたい!!
しかし、一般小説で成功した以上、商業の観点からいくと、より売れる方のジャンルが優先されそうだな……、出版社はBLより一般小説を書いてほしいだろうな……と考えてしまいます。
(次に書く作品をどのように決めているのかは分かりませんが)

BLはニッチな世界で、全員にそれを薦めることはできないし、しません。
いくらストーリー重視の作品もあるとはいえ、Hな場面はありますし。
そのような狭い世界では人気作とはいえ、売り上げをそこまで期待できないだろうし、自分の財力でどうにかすることもできません。

また、BLにこだわっているのはあくまでも私の方で、それを作家さんに押し付けて「BLだけ書いて」というのもおかしな話だろうと思います。

しかし、たくさん書いてもらうために囲い込んでおきたい……なんてことも考えてしまいます。


結局、「BLをたくさん書いてほしい」という自分の希望とは異なった方向に進んでいるから、手放しに喜んでいないというだけですね。

まぁ、本のジャンルは作家自らが編集担当者と相談して決めるものだと思うので、私はただ待つのみですかね。
(上記に挙げた先生方は「もうBLは書かない」とおっしゃっているわけではないので、いつか書いてくれると思う。)


以上、私の心が小さい話でした。




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