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ほうれい線が深くなったので退職します

今日、約3年続けた会社を退職した。
新卒から14年弱、4回目の転職で入社した会社ということで、フラフラした社会人生活を送ってきた身としては、別段勇気のいる決断ではなかった。

私も今年で3●歳。
本当なら腰を据えて長く働き、願わくば産休・育休を取り、女性の活躍を推進したい会社の意向に沿ってここでキャリアを積んでいきたかった。
昨年結婚した心配性の夫にも、「一生共働きで頑張るから大丈夫!」と言ったのはどこのどいつだ問題をたった一年で勃発させた。


仕事を辞めたいと本気で思い始めたのは、退職の半年ほど前だったと思う。
そこで何があったか・・・・

仕事内容の割に少ないお給料
自分大好きな上司への気遣いの毎日
未だ男性中心の考え方から抜け出せない上層部
中小企業らしい福利厚生の薄さと少ない休日

辞める理由を挙げればキリはないが、いる理由だってまったくないわけではない。狭き門である「PR」という職種に中小企業でありながら専任で就け、「女性社員=事務職=若く可愛い20代」という会社の中では、異例の立場として優遇されていた。
手当は事務職並みに少なかったけれど、教育にはかなりお金をかけてもらえた方だ。


しかし、抗えなかったのだ。


老化。
女としての老化。には・・・


年を重ねてちやほやされなくなったとか、肩身が狭いとか言うのではもちろんない。


20代の一時、仕事に燃えプライベートを犠牲にして働いていた時代はあれど、基本的にバリキャリでもなければ、自頭の良いデキる人間でもない。一方で、ハイスぺとの結婚を望んだり、子どはは絶対!というような女に徹することもできない。

強いて言うなら、ちょっとコミュニケーション能力はあって、困ったおじさん上司にも割と心広く付き合えるのを唯一の武器にする、いわゆる「何でも屋」ポジションで生き残ってきた。本当にそれだけだ。


故に、自分は誰かのサポートをする立ち位置が合っていると思っていた。
「みんなから嫌煙されているけれど、無下にはできない立場の人や、人の気持ちは読めないけれど仕事はできるので会社として手放せない人の実務&精神的お世話係」に自然と流れた。流れた先で自分の居場所を見つけてきた。


し・か・し!である


重力で頬が垂れたのである。
垂れた頬にほうれい線が見過ごせない深さで決定打を打ったのである。


法令線は遠慮がちに、しかしハッキリとこう言った。

「もうオジサンに構っている場合ではない」と。


“ここにいるのが今は妥当”という理由をつらつらと並べ、昨日と同じような今日や来月を送っている、恵まれた時間は当に終わっていたのだ。

女性として、己の見た目や肉体にさほど不満がない時は、現状に安住してしまうのだろう。実はやりたいことや、気になっている仕事があっても、「まだ若い、大丈夫」という思いは、無意識に最初の一歩を鈍らせる。

終わり、着地点、下降カーブなど、一見マイナスな状態に陥って自分はようやく自分自身に向き合えるようになる残念タイプの人間だったようだ。

これまでしてきた仕事が無駄だとか、本当はやりたいことではなかったなどということではない。全て勉強になっているし後悔はない。
でも、これからは誰かのサポートではなく、自分のサポートをしたいと本心で思った。そうしなければ後悔する。

そんな私がこれから何をしていくかはまた別のお話になるとして、このような考え、きっかけで方向性を変える、転職をする30代半ばの女性は一定数いるのではないだろうか。

男性にはちょっと分からないかもしれない。
ほうれい線ごときで仕事を舐めている、結局は女性の仕事だから、という意見もあるだろう。
しかし、女性が自分の生き方を見つめ直すのに「見た目の変化」は避けて通れない。時間に追われ、責任に追われ、四六時中パソコンに向き合う生活では、この老化は止められない。

年相応にキレイな私、心身ともに健やかでありたいと望む30半ばの女性の想いを無視して女性が活躍する職場はつくれないのである。なぜなら在りたい自分に背を向けて幸せにはなれないから。

動き出した私の頬はどれだけまた重力に逆らえるだろうか。

今よりちょっとだけ薄くなったほうれい線を引っ提げて、この春はどこまでいけるかとても楽しみだ。

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