【クラリネットのオクターブ】

この年になり、ふと夢に出て思い出したのが

小学校🏫の登校を良くサボっていた
とても小柄な一人の女の子だ


彼女は
たまに学校に来た時は、
皆んなから怒号?が飛び交いクラスの皆んなは大声あげて非難していた(イジメか?)

でも彼女は何も気にせず、語らず、無口で無表情だった



私はアホで貧乏だけど嫌々学校に行っていたので登校しない彼女をズルく見えて

「なんで来ないんだ💢」
の罵倒の中に参加していた☹️

彼女が学校に来ない事に怒りを感じていた
と言うより
嫌な学校に来ない羨ましさが私にはあったので罵倒していたと思う

何かの噂で
小柄な彼女はとても貧乏で
幼い妹、弟の面倒を見る為に良く学校を休んでいた事を知った😳
 私と同じ母子家庭らしく
小学校を休んでは
小さい兄妹の面倒や家事をしていたのだ
(幼い兄妹と一緒に食品の買い物をしていたのを見た事があった)

同じ貧乏の私はそれとは知らず
皆と一緒に罵倒していたのを
とても恥じた😫

それを知ってから小学生の間、彼女と同じクラスだが目を合わす事も出来なくなった

月日は経ち
そして皆んな中学生になった

あの不登校気味の貧乏で小柄なチョット臭い彼女

弟、妹は小学校、保育所に入り要約手が空いたため彼女は念願の吹奏楽部に入ったそうな

学校からの貸し出しでクラリネットを担当して練習していた。

いつも校庭の裏で
独りで練習している小柄な彼女は
いつも無口で無表情だが
演奏している時は、とても楽しそうだ


下校時にそれを見ていた私は、
あの時みんなと罵倒していたのが胸に支えて
いつも謝りたい気持ちで彼女を見て帰っていた


そして中学三年の夏
いつも独りで練習している彼女を見つけるたびに小学校の頃の罪悪感がつのり

恥ずかしいが
『やっぱりあの時を謝ろう』
と思い
勇気を振り絞って
独りでクラリネットを練習している彼女に近づいて震えながら伝えようと思った


いざ彼女の前に出ると
何故か素直に謝れない😭
無言で立ちすくんでしまう


言葉詰まってようやく言ったのが…

私「あの…俺、調べたんだけど…クラリネットってオクターブが広いから演奏が難しいんだってね………。お前、凄いな‼️さっきから色々な音を綺麗に出して。とても上手いやん‼️」

すると私を誰だか理解していない様子だった彼女は

彼女「え‼️うん、ああ(照れて)まぁありがとう😊どう❓私って凄いでしょ❣️」

私「うん、凄い凄い‼️とても凄い」

彼女は和かにクラリネットを吹いてくれた


私はその場で泣きそうになった。

お金が無くて、兄妹の面倒を見て、罵倒を気にせず、そして今は難しいクラリネットを楽しそうに吹いている
 彼女が強くたくましく、楽しそうなのが眩しかった

そして…
私は素直に謝れず😫
涙が出そうなので
その場を無言で走って逃げた


それから
卒業するまで
彼女とはアレ以来接触は無かった



あの時は自分なりの謝罪で、
「彼女が凄いのを褒める」
と言う、幼稚な考えだったのだが
それでもなんとか謝罪は伝わっただろうか…



 あれから20年ぐらい経ち
私の次女が私と同じ母校の中学生になり
吹奏楽部に入った😳

次女は
「何の楽器を希望しようかなぁ❓」
と家で考えていたので、私はすぐ

私「クラリネットなんか、どう❓オクターブが広いから難しいけど、吹けたらとても楽しいみたいだよ😀」

クラリネット経験者でも無いのに、楽しそうと伝えてしまった


程よく次女はクラリネット担当になった

家でも一所懸命に吹いて練習している
スジが良いのか次女は直ぐにマスターして楽曲を楽しそうに吹いていた

私「お前、凄いな‼️さっきから色々な音を綺麗に出して。とても上手いやん‼️」

次女「ありがとう😊どう❓私って凄いでしょ❣️」

私「うん、凄い凄い❣️もう天才❣️」

次女は凄く楽しそうに吹いていた



中学校時代の
あの時の貧乏で小柄でチョット臭い彼女に
私の謝罪の思いは伝わらなかったのかも知れないけど

「お前は凄い‼️」
と言う褒め言葉は伝わったのかな?


次女を通して20年越しで理解と自信が出たよ


クラリネットはオクターブが広くてムズイね
でも、音は綺麗で楽しそう

いや、吹いてる人は楽しいんだよ


終わり


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