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ボクは、旅をする。


ボクは旅に出ることにした。

どこまで歩いていけるのかを知りたい。
どこまで道があるのかを知りたい。

世界はどこまで広いんだろうか。

誰かが教えてくれる世界なんて、興味がない。
道なき道をボクは行く。

自転車でぐんぐん進むと、ボクはよく分からないものを見つけた。丸いナニか。なんだろう。よくわからないけど、とりあえず乗ってみることにした。

すると、不思議なことが起きたんだ。
今まで歩いていた土が、急に水になったんだ。

大変じゃないか!
そしてモサモサしている緑色の草が、ワニになった。
ボクは襲われてしまう!
逃げるんだ!

ボクがえいやと勢いよく次の丸いところにジャンプした途端、水が火になった!
燃えている!地面が燃えている!
ぎゃー!

ジャンプ!
ジャンプ!
なにこれ!
たのしい!

ジャンプしまくったボクは、ひろい場所にでた。
カラフルなテントがあって、みんながワイワイしている。
みんな休憩しているのだろうか。
みんなは旅をしないのだろうか。

世界は広いのに、なんでココに止まっているのだろうか。

でも、旅をしてないのに、不思議となんだか楽しそうにみえる。
ワイワイしてるし、美味しそうなものを食べている。
ちょっとウラやましい気もするけど、ボクのいる場所はここじゃない気がする。


ボクはまた歩きだす。

でっかい水たまりを見つけた。
空と水が一つみたいに同じみたいな色をしている。

誰かが、コレは海だよって教えてくれた。

海は空と繋がってるのだろうか。
空は海と繋がっているのだろうか。

青い行き止まりまで行けば、その終わりが見えるのかな。

海と空が一つになったら、世界が一つになるのかな。
ボクがそこまでたどり着いたら、もしかしたら空も飛べるかもしれないし、海に潜れるかもしれない。

ボクはそこに行ってみたい!

それはちょっと無理かな。

なんでだよ。
行くかどうかを勝手に決めないでくれ!
ボクの自由じゃないか!

なんて強がって砂の上を歩いてみたけど、どこまでもどこまでも砂しかない。


疲れた。
疲れた。
ああ、もう疲れた。


やあ。どうしたの?

プーサンという、下半身露出オジサンが突如ボクの前に現れた。
全身黄色の不思議なヤツだ。

ボクが無視を決め込んでいると、そんなこと気にせず、ボクに話しかけてくる。

疲れたの?
ともだちは?

ともだち?
ボクは一人だけど?

ともだちがいると楽しいよ
けんかもするけど
たのしいこともふえるよ

ふーん

ぷらぷら歩いてたら、ボクに似てる子を見つけた。
一緒に歩こうってことになった。

ちょっと偉そうだけど、いいヤツかもしれない。

ボクより長く旅をしてるから、ボクより色々知ってるみたい。
ボクはともだちの後ろをついて歩いた。

時折、空が暗くなったりする。
雨も降ったりする。
風が冷たくて、びゅうと吹くと、ボクの背中がひゅっとなったりする。
草がカサカサと足をくすぐったりする。
靴に砂が入ったりするし、旅も楽しいことばかりじゃない。

あ!

なんか閃きそうだけど、届かない!
この旅の意味が、分かりそうでわからない。

一つだけわかるのは、ボクは緑が大好きだってこと!

かえるよ〜


大きなともだちがボクを迎えに来た。
ボクの今日の旅はもう終わりらしい。




でも、大丈夫。
ボクは、いつでも旅をする。





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