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ロジカルシンキングの本を10冊読んでわかったこと|実務では使えないよと思っている人に

こんにちは、さるこじといいます。
今日はロジカルシンキングって結局なんなんだろうってお話です。

「ロジカルシンキングは物事を体系的に捉え矛盾なく考えること」などといわれますが、わかったようなわからないような…
演繹法/帰納法、MECEやロジックツリー、ピラミッドストラクチャを研修でかじったので、実務で使ってみるけど使いどころがわからず時間だけかかる…
という方は多いのではないかと思います。

私もそんな状況でしたので、この1か月でロジカルシンキングに関する書籍を10冊(付随する参考書籍を入れると20冊くらい)読み、アウトプットしていく中で気づいた内容をまとめました。

ロジカルシンキングっていろんなことに応用できそうだなと思っていただければ幸いです。

1・ロジカルシンキングは論破するためのものではない

ロジカルシンキングというと弁護士や、弁論大会をイメージする方も多いのではないでしょうか。
論理で相手を打ち負かすためのものというイメージが強いですが、本来の目的は「相手に自分の意見を根拠を明確にして伝えること」です。
自分の意見を明確に伝えた後に期待する結果が、論破することなのか納得させるのか行動してもらうか、異なってくるだけです。
むしろロジカルシンキングは相手に客観的事実をもって合意してもらうことを目的としていますので、建設的なコミュニケーションになるはずです。

2・ロジカルシンキングは「具体」と「抽象」を行き来する能力

ロジカルシンキングをネットで調べると
「ロジカルシンキングには比較 / 因果関係 / 具体と抽象がある」
というような記述があります。

私の考え方は少し違っていて、
「具体と抽象を行き来すること=ロジカルシンキング」
だと考えています。

これを図で表すとこのようになります。

200714ロジカルシンキング図解 (1)

比較も因果関係も「具体と抽象」の中に包括されているということです。

より詳細な図でまとめると以下の通りです。

200714ロジカルシンキング図解

手段⇔目的、根拠⇔結論、結果⇔原因などはすべて具体と抽象の関係になっており、
「具体=現象・行動」と「抽象=法則・思考」の関係性を構造化→自由に階層を行き来することがロジカルシンキングである、
と考えています。

この図が頭の中にあると、
・何事も原因を深堀りして考えるようになる
・手段の目的化が避けられる
・自分の意見を言うとき自然と根拠を考えるようになる
など、メリットがたくさんあります。

要は、自分は今どの階層のことを話して/考えているのか、ということが分かるようになるのです。

3・ロジカルシンキングは「言語」である

そもそも言語とは、具体的な事象をグルーピングし抽象化したものに名前をつけたもので、抽象化の典型例です。

抽象化を多くの人に伝わるように共通認識のルール内で行うことで、スムーズにコミュニケーションをとるためのツールになります。

ロジカルシンキングもこのような側面があると思っていて、共通のルールの中で根拠と結論を並べ立てることでなるべく齟齬を少なく意思疎通をおこなうことがロジカルシンキングの大きな役割の一つではないでしょうか。

共通のルールが「MECE」や「帰納法」、「演繹法」などになります。
つまり「MECE」や「帰納法」、「演繹法」は言語で言う「文法」にあたるのです。

ロジカルシンキングは思考のツールというイメージが強いですが、コミュニケーションのツールという側面もあると考えています。

ちなみにコミュニケーションの中でも具体と抽象の図を意識することが大きな役割を果たします。
自分の意見を伝わりやすくすることはもちろんですが「傾聴力」もあがります。
相手が具体の話をしているのか、抽象の話をしているのかを把握することができるので、相手の話している内容を理解したうえで
「具体的にはどのようなことですか」
「そもそもの目的はなんでしょうか」
と抽象度を変える質問ができるようになります。
そうすると相手の話を深堀りでき、さらには抽象と具体がごっちゃになっていた相手の思考を構造化してあげることができるので話し相手にとってもメリットがあるのです。

4・ビジネスは具体と抽象の深さと幅を競うもの

ビジネスでは、客観的根拠をもとに本質を見抜き、それを利益につなげるための具体策にまで落とし込むことが必要になります。
つまり、具体(根拠)→抽象(本質)→具体(行動)と行き来することになります。
より深い本質を見つけ出し、それを行動にまで落とし込めた人が勝つのがビジネスの世界だと思います。

マーケティングも営業も製品開発も、顧客の言動やデータなどの客観的根拠から、その裏に隠れているニーズ・ウォンツを見つけ出し、それを具体的な行動(提案や具体的な施策、新製品など)に落とし込むという点で根っこの部分は同じです。

よくマーケティングで引用される「ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である」というセオドア・レビットの格言がありますが、これも具体と抽象の行き来がビジネスに必要である良い例だと思います。
【お客さんがドリルを買う(具体)】から【お客さんは穴を欲している(抽象)】を見出し、それをもとに【新製品を開発する(具体)】ことでよりお客さんのニーズに沿った製品開発ができます。
これを「お客さんはドリルが欲しい」のまま製品開発をすると必要以上に本体のスペック向上を進めていくことになりますが、「お客さんは穴を欲している」ということがわかると、スペックはそこそこでも、例えば開けられる穴の種類を増やすだけでヒット商品が作れるかもしれません。

さらにいろいろなところから本質を抽出できるようになると、それを横展開できるようになります。
一見関連のなさそうな物事から本質を見抜き、その本質を自身のビジネスに当てはめると思いがけないイノベーションを起こすことがあります。

ビジネスでの例として「自頭力を鍛える」の著者、細谷 功氏は

例えばウーバーを表面上の配車サービスと捉えるのではなく、「個人と個人が必要に応じてマッチングされる」という「オンデマンドマッチング」というモデルで考えたり、エアビーアンドビー(Airbnb)を「民泊」と捉えたりするのではなく、「稼働率の低い資産をシェアする」というモデルで考えることで、そこから無数の応用が考えられます。
引用元:https://news.livedoor.com/article/detail/16834813/

と紹介しています。

ロジカルシンキングを身に着けることで、具体と抽象の行き来がスムーズになり、普段から「本質は何か?」を考えるようになるのでビジネスへの好影響も非常に大きいです。

5・めちゃくちゃ汎用性が高い

色々と書いてきましたが、一番言いたいことは
「ロジカルシンキングは色々なことに応用できるからみんな一緒に勉強しよう」
ということです。

「ロジカルシンキング=具体と抽象の行き来」と考えると応用の幅は驚くほど広がります。
ぜひピラミッドの図を頭に入れたうえでもう一度ロジカルシンキングについて学んでみてください!


わかりにくい部分、ここどういうこと?など質問・ご意見あれば気軽にコメントいただけると嬉しいです。

では。

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