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大切な人と一緒にいられる時間
最近、家族の体調が優れず、病院へお見舞いに行く日々が続いています。
幸いなことに、生命にかかわるものではありません。しかし、病院という空間では、健常な僕であっても、身近に死を意識してしまう空気があります。
そんな状況だからか、小学生か中学生の頃に「おじいちゃんやおばあちゃんとあとどれくらい一緒にいられるのだろう」と考えたことを思い出しました。
大した計算ではありませんが、その後の在り方が大きく変わった気がするので、以下にその内容を記します。
当時の僕の年齢:10歳
祖父母の年齢:70歳
帰省頻度:年3回(お盆、正月、ゴールデンウィーク)
1回の帰省で会える時間:32時間(16時間×2日)※寝ている時間は含まない
祖父母の寿命:85歳(当時)
寿命までの帰省回数:45回(15年×3回/年)
一緒にいられる時間:1,440時間(45回×32時間)
1,440時間と聞くと意外とあると感じるかもしれませんが、日数換算すると実質60日分(1,440時間÷24時間)しかありません。(なぜか寝ない前提)
60日分しかないと知った僕は、それ以降、帰省した際の祖父母と一緒に過ごす時間にとても有難みを感じるようになりました。
人は、大事な人の死のように嫌なことを自然と意識しないようにする傾向があると思います。しかし、僕は偶然にも小さい頃にその現実に向き合ったことで、その後の一緒に過ごす時間が非常にかけがえのないものになったと思っています。
一般論として述べるのは陳腐かもしれませんが、何事も勇気を出して終わりを現実に向き合うことで、その終わりまでの過程がより儚くも美しいものになるような気がしています。
余談:
ちなみに、うれしいことに祖父母は今日現在も健在です。僕が当時想定した寿命を大きく超えて、90代も半ばに差し掛かっていますが、元気に旅行に行ったりしています。僕も近くに引っ越したため、会いに行く頻度も増え、幸せな時間を過ごしています。
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