ドクターキューブ RESPO 比較
今回は、「密対策」の有効な対策として注目されている「診療予約システム」についてサービスの比較をしていきます。診療予約システムとしては老舗である「ドクターキューブ」と最近WEB上で注目を集めている「RESPO」とを比較していきます。
コロナ禍において、新しい生活様式が世界全体に広がっています。
日本国内においても、感染対策に対する意識が高まり、来院される患者さん側からすると、対策がどの程度行われているかが、医院・クリニックを選ぶ基準となっているのが現状です。
そのような感染対策の中でも特に患者さん側から重要視されているのが「密対策」です。医院・クリニックに訪れた際に、待合室が人で溢れているような状態では、新しくきた患者さん側の心理としては、「密対策」ができていない、つまり感染対策ができていない医院・クリニックというレッテルが貼られてしまい、評判を落としてしまうので注意が必要です。
1.ドクターキューブ
(URL)https://jtc.doctorqube.com/
①運営企業(株式会社ドクターキューブ)
診療予約システムの専門会社でシステムは自社開発を行っている。そのため柔軟にカスタマイズ対応が可能という評判ということで利用していた。
②機能・サービス面
順番予約、時間予約、時間枠予約に対応しており、併用や運用途中でも変更ができる。予防接種予約や病児保育の予約など医院・クリニックの診療内容やサービスに特化した予約管理もできるけれど、いろいろな予約パターンを利用しているとよくわからなくなってしまった。電子カルテやレセコンなどとのデータ連携もできたので、その点は便利だった。簡易問診機能では、予約時に熱の有無など簡単な問診を行うことができる機能も搭載しているが、あくまで簡易問診なので、来院時に再度問診をしないといけないため、そこまで重要視する機能ではない。メール配信サービスとしては、予約完了、事前確認、検診案内、リマインドなのが自動配信されるのは、絶対必要になる機能。
そのほか、院内用として、院内で順番を表示させるディスプレイやバーコードやスマホを使った診察券、タッチパネル予約などの仕組みも提供しているけれど、院内にいろいろ機材が増えていき、故障やトラブルもありその辺りは、余計な費用もかさむため、シンプルにアナログのほうがいいなと感じた。
③費用面
費用面については、医院・クリニックの要望に応じてサービスを選択する必要があるため、別途問い合わせとなっている。
基本機能でこれというより、いろいろなオプションの組み合わせとなるため、あれよあれよという間に、結構な費用がかかっていた。パソコンや専用機材も導入しないといけないし、定期的に故障もするため修理や入れ替えに別途費用もかかってしまうのが難点だった。
④導入メリット・デメリット
(メリット)
医院・クリニックの予約システムとしては、基本的な機能を網羅できており、各医院・クリニックのイメージに合わせて、デザインやカラーの変更などカスタマイズを行うことができる(有償)。いろいろ、いろいろオプションもあるので、予約という面で考えると、費用をかければトータルコーディネートができる点はメリット。
(デメリット)
院内で利用することを前提にしたシステム群でもあるため、自前のホームページが必須となるのでWEBで診療予約をしようと思ったときには、別途自前で入口を用意しないといけなかった。また、基本的な機材やシステムの準備が整っていないと利用できないので、余計に費用がかかってくる。細かくカスタマイズを行いたい医院・クリニックにとってはいいかもしれないが、フルカスタマイズ可能な点は裏を返せば、特徴がなく、導入し稼働するまでに手間がかかるため、時間があまりなく、必要な機能をそのまま利用したい医院・クリニックにとっては、デメリットでしかない。
2.RESPO
(URL)https://yonekuni.com/respo/
①運営企業(株式会社ヨネクニ)
次世代エネルギーの研究を行っている会社が、医師や歯科医師の監修のもと自社でシステム開発・保守を行っている。診療予約システムだけでなく、医院・クリニックのホームページも合わせて制作しており、WEB予約の入口から出口までも網羅したオールインワンサービスが評判ということで利用。なんと、利用料金の一部が環境保全活動に利用されるため、社会貢献(CSR)やSDGsへの取組を行うことができるということで、医院・クリニックのイメージアップも同時に図れることが利用をしてから判明。(専用のA3ポスターがPDFデータで送られてきたので、額縁に入れ壁にかけて掲示するだけいい感じ。)
②機能・サービス面
ホームページとWEB診療予約システムがオールインワンで提供されるサービス。予約システムとしては、時間予約、時間枠予約に対応しており、専用の機材を購入する必要なく、手持ちのスマホやPCで利用できるクラウド型システムなので、導入を決めてから、これまで利用していたPCと自前のスマホで利用開始。
WEBで予約を受付したいけどホームページがない医院・クリニックはホームページも制作してもらえるので(記事や写真はある程度こちらで準備が必要)、WEBから予約を受付する入り口はあわせて提供されるので安心。診療予約システムだけ利用することもできるようなので、こだわりのホームページを自前で制作している医院・クリニックはそこからリンクをもらって利用できるとのこと(自前のホームページは閉鎖して、余計な費用をカットするのがおすすめ)。
システム内で基本設定が自由に変更できるけれど、デザインやカラーを独自に変更することは行っていない(ドクターキューブはその点で優れているとは思ったけれど、実際は結構デザインするのも大変なので、こだわりがなければ必要なし)。電子カルテやレセコンとのデータ連携は今後予定しているとのことなので、対応に期待。
また、サービスとして特徴的なのは、予約設定の自由度(カスタマイズ)の高さ。予約設定では、時間枠を自由に設定できたり、チェアやドクターを状況に合わせて設定できる。WEBで問診するための質問事項も自由に設定することもできるので、ドクターキューブ時代の問診を参考にしながら、シンプルな内容に設定。時間枠設定は、5分単位から設定ができるので、予防接種は5分単位の予約枠を設定し、通常診療は15分で設定するといったような使い方で、目的に応じて設定を行うことができた。
メール配信サービスでは、仮予約から予約完了、リマインド、キャンセルメールなどがあり、患者さんへの配信だけでなく、同時に医院・クリニック側へも配信されるため、ドクターと受付係のメールアドレスを設定し、予約状況をリアルタイムで共有すること成功できた。
その他、付加価値として、サービス利用料の一部を、環境保全の研究にあてることで、ユーザーの医院・クリニックへは、ESG(SDGs)への取組を行っていることを証明する専用のポスターが提供される。(実は、利用を開始するときには知らなかったけれど、院内に掲示しているだけで、患者さんからいい評判をもらっている。)
③費用面
月額:10,000円+消費税
オールインワンサービスなので、診療予約システムのみを利用する場合も、ホームページも同時に利用する場合も、金額は変わらない。金額が同じなら簡単にホームページを作ってもらうこともおすすめだし、別にホームページの運用に費用をかけたくないなら、RESPOにまとめてしまうべき。
費用面も従量課金などは一切なく、追加で費用がかかることがないので、安心して利用することができる。ほかのサービスでは、予約数やメール配信数などで課金されることも多いようなので、かなり良心的なサービス。なお、ESGやSDGsへの取り組みに関するポスターのみを提供するサービスも、同一金額で行っているようなので、その点は問い合わせをしてみる価値はあります。
④導入メリット・デメリット
(メリット)
専用の機材を購入する必要がないため、今使っているPCやスマホを使ってシステムを利用することができるので、新しく機材を購入することなく導入ができた。コスト面もワンプライスでホームページと診療予約システムを利用することができたので、もともと作っていたホームページをやめて、RESPOに統一したことで、コストカットもできた。
予約設定面では、利用を開始する際に簡単なヒアリングシートを記入するだけで、RESPOが初期設定を行ってくれたので、スムーズに利用を開始できた。今のところは、初期設定のまま利用しているが、これから少し設定を見直していくことも考えていきたい。
予約システムとは違ったところで、環境保全への取り組みポスターは、患者さんとの話題になることもあり、意外と効果が高いと感じている。
(デメリット)
クラウドサービスとして提供されているため、医院・クリニックのオリジナルデザインやカラーなどには対応していない点はドクターキューブよりも劣っている。サービス面では、WEB予約を基本としているため、電話自動応答といったサービスは提供されていない。そのため、電話予約を中心にしていきたい医院・クリニックはおすすめできない。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
院内の設備等を含めて、ある程度の機材の準備や設備投資ができ、オリジナル性を出したい、カスタマイズしたいという医院・クリニックでは、ドクターキューブのメリットがありますが、RESPOはWEBを使った診療予約システムとしてサービス展開していく場合は、RESPOの費用面、機能面は魅力的です。
さらに、CSRやSDGsなどの取組を行っていきイメージアップをしたいという医院・クリニックにおいては、付加価値としてのサービスも相当魅力的な内容となっています。
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