(株)ミナトのパーパス
はじめに
2022年7月から小樽商科大学の履修証明プログラムの「病院経営アドミニストレーター育成プログラム(通称:HUHMA(ヒューマ))」に参加している。
病院経営アドミニストレーター育成プログラム | 小樽商科大学 アントレプレナーシップ専攻 (otaru-uc.ac.jp)
2023年2月28日現在、HUHMAは佳境である。
残す講義は一つ、2023年3月4日の「地域HSP_M3 地域ヘルスケアシステムの実行プランの練り上げと最終報告」のみとなっている。
前回の2023年2月18日の講義「地域HSP_M2 地域ヘルスケアシステムの実行プランの練り上げ」では、(株)ミナトで支援を行い、2023年5月に開設予定の訪問診療クリニックについて発表した。
発表したプランについて、講師から指摘があった項目は以下の通り。
(株)ミナトのパーパスは何か?
支援する訪問診療クリニックの今後の展開・差別化について
新型コロナ含む感染症流行時の少人数体制での運営リスク
(株)ミナトのパーパス
2023年3月4日のHUHMAの講義に向けて、これを機にパーパスを固めてみた。
“住みたい場所に住み続けられるように、持続的な医療提供体制の構築を支援する”
地域包括ケアシステムの理念のパクリみたいになってしまったが、私が文系学部出身でありながら10年以上医療介護業界に関わるきっかけを振り返って考えると上記のパーパスに落ち着いた。
パーパスの背景 ~医療介護業界に関わるきっかけ~
調査への参加
2009年、大学3年生の時にサークル活動でお世話になっていた教授から調査の協力をお願いされ興味本位で参加した。
私が参加した調査は夕張市が財政再生団体に移行するタイミングで、全住民に市への要望を聞き取り調査するというものであった。
(調査のリーダーは現北海道知事の鈴木直道氏、当時は東京都からの出向で夕張市に在籍していた。)
当時、夕張市はすでに破綻しており、“財政再建団体”から“財政再生団体”に移行するタイミングであった。
夕張市は「全国最低の行政サービス」と「全国最高の市民負担」と言われる状況で、住民の市への要望は多岐にわたった。
全住民への聞き取り調査のなかで、私が個人的に印象に残ったのが医療に関する部分であった。
市が破綻したことで市立病院の機能が維持できなくなり、例えば透析を受けるためには隣町の栗山町まで行かなければならず、やむを得ず栗山町に引っ越した人もいたという話を聞いた。
また破綻した病院の指定管理者となった村上医師は少ないリソースで医療を提供するためには予防医療に力を入れ、住民がなるべく病院にかからなくてもよくなるように訴えた。
しかし、村上医師の提唱した予防医療は住民に十分に受け入れられておらず、ハレーションを起こしていた。
(村上医師の提唱した予防医療を否定する訳ではない。念のため。)
こうした住民の医療に対する要望を聞くうちに、医療はインフラであり、医療が無いことで住みたい町に住めなくなる人がいるということを知り、医療業界に興味を持った。
就職活動を通じて医療業界との接点が生まれる
就職活動を通じて、医療介護業界専門の人材紹介会社があることを知った。
私が大学に入るより以前に、北海道で医師の名義貸しが問題になっていた。
医師の名義貸しの根底にあったのは、地方の医師不足・医師の都市部への偏在であった。
医療介護業界専門の人材紹介は、地方の医師不足に少しでも貢献できる仕事なのではないかと考えた。
また夕張のように地方の町で、医師不足や医療の提供体制が維持できないためにその町に住めなくなる人がいるという課題に、人材紹介という事業を通じて少しでも貢献できるのではないかと考え、医療介護業界専門の人材紹介会社に就職した。
住みたい場所に住み続けられるように…
私個人の医療介護業界への想いは夕張での経験が原点にある。
(株)ミナトでもみんなが住みたい場所に住み続けられるように人材事業、M&A事業、経営支援事業を行っている。
また、2023年5月に開設予定の訪問診療クリニックへの支援については、これまでの事業に比べてより直接的に地域住民や地域医療に貢献できる事業であり、パーパスにも沿うものであると考える。
さいごに
人材紹介会社に就職し色々な病院に訪問して、人材不足以外の多くの課題も知った。
それぞれの課題に対して、人材紹介以外にM&Aや経営支援も行っているがその話についてはまたいつか別の機会に。