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オンライン授業のやりとりを、のぞいてみた話

こんにちは!サルタックの真衣です。再び、香港から学校の様子をお伝えしたいと思います。春休みが終わってから、香港でも対面授業が再開されました。(昨年度ほど二転三転しなかったものの、今年も2カ月半ほど対面授業が停止されていました。今もワクチン接種率や毎日のRATテスト等、様々な条件はありますが。。) 学校に行けるようになって良かった、と思う反面、オンライン授業では、授業の様子を垣間見ることができ、貴重だったなと改めて感じました。そこで、子どもたちの発言を中心に、小学校でのオンライン授業の様子を書き記しておきたいと思います。(なお、大学編はこちら

説明の後の挙手の、よくあるパターン

「トイレに行ってもいいですか」  

先生がひとしきり説明した後、おっ子どもたちから質問かな、と思ったら…ということがよくあります。オンラインでも、授業を抜けるときは一言いうように、という規律が行き届いているようです。

「手を下げるのを忘れていました」

これはオンラインならではですね。ミーディング用の便利な挙手機能を使っているからこそ、聞きたかったことが解消された後も、うっかり下げるのを忘れてそのままになっていたのでした。

「伸びただけです」 

オンラインだとずっと画面を見ているということもあり、ストレッチもしたくなりますよね。うーんと伸びたところを先生が見逃さず、挙手と思った模様です。

突然いなくなったのは

上記の通り、子どもたちの小学校では、オンライン授業でも通常の授業と同じくトイレに行くときも許可を得る、ということが前提なのですが、子どもが突然いなくなってしまうこともありました。

「ネットが落ちました」

これは、オンライン授業では避けがたいパターンですよね。ただ、先生からの質問に答えられなかった時や、ズルしたことを注意されている時に限ってしばしばネットが落ちてしまう子がいました。タイミングが良すぎる(悪すぎる?)ものの真偽は分からず、オンラインならではの指導の難しさだと思いました。

「外に行ってました」  

一方、画面はついたままいなくなり何度呼んでも現れないケースもありました。授業中に描いていた課題の絵が思ったようにいかず、イライラしてしまい、家の外に出て気持ちを落ち着かせていたことが、後で判明しました。突然画面からも家からもいなくなったということで、先生は「次回外に行きたくなったら必ず、まず先生に言うように」と何度も念押ししていました。授業中の子どもの安全を守る、という責任をオンラインで果たすのは大変そうです。

家庭の様子が垣間見られるとき

オンライン授業を通して子どもや先生の家庭の様子が垣間見られるのは、以前も書きましたが、興味深いですよね。もちろん、こちらも見られることになるのですが…

「家にプリンターはないけど、お母さんが職場でプリントできます。2~3日かかるけど良いですか?」  

これには、「お母さんに頼まなくても良いよ!」と先生が即答していました。画面上で作った図形に色鉛筆で色を塗る、という課題で、プリントアウトできない人は配布済みのスケッチブックに描き写して、ということだったのですが、転記するのは気が進まなかったようです。

「お父さんがお昼ご飯だと呼んでいるので、抜けてもいいですか?」

確かに午前中の授業が終わるのは12時を過ぎてしまうのですが、この時間割で既に数週間も授業をしているのに何故に今日だけ?と先生もびっくりの様子でした。「今日は仕方ないけど、オンラインでも学校は学校だから、お父さんにも時間割を伝えておいてね」と、先生も詳しい事情は分からないながら子どもたちに改めて説明していました。無下に却下することもできず、かといってOKとしてしまうと、他の子どもたちも早くお昼ご飯を食べたいと収拾がつかなくなりそう… オンライン授業をスケジュール通りに進めるのは、各家庭の方針とのバランスが求められるようです。

「私、今日でこの学校、最後です。」 

学期末を目前に、朝の会でこう発言した子どもがいました。クラス全員が、突然の話にびっくり。担任の先生でさえ、保護者からも同僚からも事前に聞いてはいなかったようです。この学校では転出する家族は珍しくなく、特にコロナの影響で色々な状況が突然変化することもあると思いますが、最終日に子どもから告げられる、というパターンは少ないのではないかと思います。学校にいれば、どこからか漏れ聞こえていたのではと思うので、これもオンラインならではのコミュニケーションの難しさでしょうか。先生も、まずは情報の真偽確認から始めていました。

オンライン授業で先生に求められるもの

先生にとって、オンライン授業への対応は、パソコンスキルなどの技術的な側面だけではないことがよく分かりました。小学生を一定時間画面に集中させるためのスキルが求められることに加え、授業時間に遅れる子どもへの対応や、授業中に他のことをしていそうな子どもに対応する時のノウハウ等々。特に、画面を通して子どもの状況を把握するのは簡単ではなく、しばしば唐突でびっくりするような状況や発言に直面している様子も垣間見られました。
もっとも、これはオンラインなので気づいただけで、実際の教室内でも様々な想定外の出来事があって、先生は日々それに対応しつつ授業を進めているんだな、と改めて感じるきっかけとなりました。

と、オンライン授業の思い出日記のようなブログになってしまいましたが、このままオミクロンも落ち着き、対面授業ができない日々が過去の話となることを願って。
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