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開発コンサルタントのお話し(キャリア編・後編)

実務編・前編実務編・後編も公開しました!)

皆さまこんにちは。副代表の川崎です。

連日日本全国で相当な暑さが続きますが、体調など崩されておりませんでしょうか。
これでもかという暑い日を迎えると、体のどこかがイラクの熱気を思い返しますが、日本もあれくらい暑い気がしています。
イラクは気温が50℃を超える予想の日は、突如その日が国民の祝日になるという(プラスの意味でもマイナスの意味でも「いい加減な」)ルールがありました。日本でも40℃を超えるような日はみんな休みになるとかなればよいのかもしれませんが、そうもいきませんね。

さて、前回より、ゆるふわ日記を少し離れて、国際協力キャリアの枠で開発コンサルタントと呼ばれる職業について記事を書いています。
開発コンサルタントのお話し(キャリア編・前編)では、開発コンサルタントとはという自己流の定義から、その大まかな仕事について、またキャリアのイメージについて書いてみました。

今回は、後編として、ある程度キャリアを積んで来たらどんな感じなのか、また私の個人的な考えではありますが、開発コンサルタントに求められる能力、みたいなところをご紹介できればと思っています。

なお、前回の繰り返しですが、この記事は、筆者の個人的な経験と理解に基づくもので、筆者の属する団体や、登場する団体等の公式な見解や説明ではありません。あくまで読み物として、参考まで、受け取っていただければ幸いです。

(写真は、少し関わったラオスの武道館整備案件で、現地の武道館の入口にかかっている記念盤)

(1)まずは「格付」を理解しよう

突然「格付」というのが出てきましたが、この業界で格付とか号数と呼ばれるものについて説明しておきたいと思います。

JICAが発注するコンサルタント業務においては、プロポーザルの作成、見積もりの作成、報告書の作成、業務の進め方等々について、様々なガイドラインがあります。ガイドラインでは、様々な業務に関する手順や基準が定められており、JICA業務に従事するコンサルタントにとっては、熟知していることが求められます。(この辺の話はまた次回に書こうと思っています)
このガイドラインの一つに、「経理処理ガイドライン」というのがありますが、ここに業務従事者の経験の目安が記されており、下記の表が該当します。

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(JICA「コンサルタント等契約における経理処理ガイドライン2022年4月版 4ページ」より引用いたしました)

大抵の調査案件では、総括や業務主任者と呼ばれるプロジェクトリーダーが1号(大卒23年以上)や2号(大卒18年~23年未満)で、評価団員と呼ばれるその調査において主要な役目を果たす団員(その人の実績や経験もプロポーザルにおいて点数となる)が大体3号(大卒13年~18年未満)までとなります。
4号(大卒8年~13年未満)というのは、業務主任者や評価団員以外の調査団のメンバーが大体そのあたりとなりますので、8年を超えると正式団員としてカウントできるかな、というあたりになります。
この「正式団員」となると、担当する案件で働いた分だけ対価がもらえることになります。また出張費や日当・宿泊費などがもらえます。つまり、「稼げるようになる」わけです。(この辺の話も、また次回に)

なお、大型案件で、アシスタントレベルの担当者が最初から想定されている案件(例えば、「業務調整」とか「○○補助」みたいなポジションがそれに当たります)は5号(大卒5年~8年未満)、時には6号(大卒5年未満)でも正式に調査団に参加することができることもあります。(正式でなくとも、前編で記載の通り会社で経費を出して参加させることもあります)
なお、それぞれの号数はどのような業務内容や責務を求められるかということは、「プロポーザル作成ガイドライン(2022年4月版)」の27ページ「別添資料5」に記載があるのでご参照ください。

ここからの話は、この格付けが一つの基準となります。

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