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【11.28】『風化』をテーマに、思考記トークイベント開催!

心地いい風の吹く京都より、こんにちは。

今日は、来週11.28(日)開催のトークイベントについてお知らせです。メキシコに住むアーティスト/修復家の大井パベルさんと、『風化』『のこすこと』について、お話します。(筆 熊谷)

先に、余談のような言葉

「風化」はわたしにとって、良い印象があまりない言葉でした。風化を食い止めるために活動している人たちが、災害、伝統文化などなど、いろんな文脈でたくさんいると感じているからです。風化はよくないことで、それでもしてしまうもの。寂しさはあれど自分は、風化していく全てのものを、感じることすらできないかもしれない。それらと自分は、どう間合いをとればいいのか。わからないなぁ、という気持ちがずっとあります。

今回のゲストである大井さんとは、まだ一回しか話していません。けれど、大井さんの風化していくものへのあたたかで柔軟なまなざし、姿勢をそのとき感じました。500年以上(一番古いと2000年以上?)も前のマヤ文明の遺跡から残ったもの、そこにある何かを日々感じているだろう大井さん。風化について、のこすことについて、大井さんと話しながら、もう一度捉え直してみたい。2時間という短い間ですが、その時間をご一緒できたら嬉しいなと思っています。

イベントについて

思いついたことを、考え続け、記す雑誌「思考記」の刊行記念イベント。本屋B&Bさんと、オンラインで開催します。ゲストは、メキシコ在住のアーティスト/修復家・大井パベルさん。さりげなくからは編集部の熊谷がお話します。

大井さんの持つテーマ「風化の美」から、ものづくりについて、作品について、本について。ものや記憶が風化していくこと、これから遺したいもの、遺ってゆくものについて。そんなことに思考を膨らませ、続いてゆく時間になれば幸いです。

▼B&Bさんのウェブサイトはこちら

ゲスト・大井パベルさんについて

 大井さんは、メキシコ在住のアーティスト。石碑に彫られた文字や模様を原寸大で和紙に写し取る「拓本」技術を使いながら、作品づくりをされています。また、遺物修復のお仕事もされている方です。

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 作品は「風化の美」をテーマする作品が多く、人々の記憶や歴史がなくなっていく様子(風化)、時間が経過することでうつくしくなってゆくものを、作品にされています。

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 以前大井さんと話をした際、マヤ文字の拓本を見せていただき、摩耗したために和紙に写しとられなかった作品の余白について「ここが”風になった”部分だよ」とお話しくださったのがとても印象的でした。なくなった部分にわたしたちが、うつくしさを感じるのはなぜだろう。”なくなる”とはどういうことだろう。何かがなくなることをうつくしいと捉え表現する大井さんと、そんなお話ができればと思っています。

ゲストプロフィール

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大井パベル(おおい・ぱべる)
拓本アーティスト/修復家
1977年、メキシコ・グアダラハラ生まれ京都育ち。メキシコ国立自治大学/芸術学部 博士課程修了。子どもの頃、父親が団長を務める中南米発掘プロジェクトに参加する。作品に現れる人類学的アプローチは、その頃の体験に起因する。現在、メキシコ国立人類学博物館で唯一の日本人修復家としてマヤ遺物の修復に携わっている。また、移民をテーマにした「メキシコ国境の壁プロジェクト」(2019) は、日本のメディアにも取り上げられる。
HP:https://paveloi.tumblr.com

お申し込み・詳細はこちらから!

出演者:大井パベル、熊谷麻那(さりげなく)
日 時:14:00~16:00 
場 所:オンライン(zoom)*アーカイブあり。
入場料:
 ・トークのみ:1,650円(税込)
 ・トーク+「思考記」セット:3,300円(税込)
 *書籍は、イベント後の発送。

参加者の皆さんと、思考の海ただよう2時間になれば幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします!

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