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書道家・武田双雲さんの思考に聞き惚れる

こんばんは、ありがさきです。


今日は自分の音声配信ではなく、最近はまっているSpotifyでたまたま聞いて心に残った武田双雲さんの言葉を共有したいと思います。


説明するまでもなく、有名な書道家である双雲さんですが、一方で、高校生時代には相対性理論にはまり、大学からは量子力学にはまり、人間研究家であるという側面もお話しされていました。

一部抜粋しつつ文字起こし…ちなみに、ナビゲーターは元俳優の小橋賢児さんです。この小橋さんの噛み砕き方がまた分かりやすくて、小橋さんのナビゲーターにはまって番組リスナーになりましたので、是非興味あればJ-WAVEのINNOVATION WORLD ERAという番組を聞いてみてください。


双雲さん「かっこよく言うと「今を生きる」だけど、僕からいうと「今しか生きられない」から、子どもみたいに今に集中しちゃうという性質を持っていて、今でいうADHDって言われてるんだけども、子どものころはちゃんと考えてからしなさいって怒られ続けてたわけ。大人になっても。ここ最近、時代が変わってきて、今を感謝しながら1つ1つ判断せずにただただ今だからできることを生きる、みたいなことってかっこよく言われ始めたのが、最近かなって思ってて。もっと先のことを考えなきゃいけないのかなって反省してたから。先のことを考えたり不安になることもあるけど、ストイックに修行みたいに自分のノイズをこまめに、1秒1秒こまめに取ってるかも。

俺の場合、素粒子という原子以下の世界、もっと小さい波動関数の世界にいた時に、超ミクロと超マクロの世界に興味を持ったら、自分も細胞一個、原子からみると銀河系よりも大きいのね。自分が脳内で起きているノイズとか不安とか、人間らしい振る舞いも含め、自分も宇宙に見えてきて、素粒子を学んで好奇心を持ったことで、自分を客観視するようになった。

例えば、自分の中の不安とか人間らしい小さな…やっぱ俺も人間だから、ちっちぇ男がいっぱいいるわけ。だっせぇやつがいっぱい住んでて、たまにでかい奴もいて、ちっちぇ男もいて、それもジャッジせずに、「あ、こういう時にこういう人間て怒りを覚えるんだ、とか。こういう時に不安に怯えるんだ、とか。こういう時に自分の得しか考えなくなるんだ」とかっていう自分のエゴさえも研究者のように見るようになったことがあって、大学時代に。

自分が運が良かったのは、超ミクロとか超マクロの世界に量子力学とか相対性理論にはまったことで、自分と他人の区別をあんまりつけないで、自分も他人も1つの研究対象として見れたっていうのがある」


双雲さんは物理学を通じて、思考に囚われる自分を客観的に感じられるようになった、とおっしゃってるんですね。


「いま一番興味があるのは、自分の心の在り方と、自分が思ったこととか自分の感情の波形、波のカタチと起きる現実がかなり相似形だというのはなんとなくわかってたけど、もうちょっと科学的に知りたいし、それをもっと伝えたい。日々の心を整えることで、現実にこんだけ変わるんだよとか、親との関係とか仕事の関係もそんなに焦ってみんな頑張んなくても、こんなに素敵なものに恵まれていくよ、みたいな自分の研究結果をもっと証明したいっていう欲求がいまは強い」


これに対して、ナビゲーターである元俳優の小橋賢児さんが、もう少し分かりやすく投げかけてくれていて、


小橋さん「21世紀は心の時代だと思ってるけど、過去の情報からこうなりたい、こういうことやりたいって言ってるけど、本当に自分の心から震えてやりたいものかどうかってわからないでいってるから、そのなりたいものと自分との乖離で苦しんじゃうんだと思うんですね。でもやっぱりそれが改めて、それじゃ辛いよね、それじゃいっぱいいっぱいだよねって。本当にシンプルに戻ると心が先にあって、ツールで思考を使っていく、情報を使っていくっていう風に、元の姿に戻っていかないといけないと思うんですね。でもそれをいきなりやれって言われても難しくて、思考の訓練みたいなものがないといけないな、って思って。

双雲さんに出会って、毎回生まれたての赤ちゃんみたいに全てが輝やかしく見えるってめちゃくちゃ素晴らしいことだし、でも一方でそれってなかなか人ってできなくて、羨ましいなって思う人も多いと思うんですよ。この人生の旅を実験だと思えば、色々な実験思考ができるじゃないですか」


双雲さん「そう。僕らが期待したり夢を持ったりするのは、全部前にもらった、見てしまった情報に囚われているから。例えばコンビニ定員が態度が悪いとイラっとするっていう化学反応も、実はパターン化されていて、店員さんは丁寧に接するべきだっていう公式にはまっちゃうと、僕らは海外によく行くのでよくわかるけど、その期待が全く意味のないことに気付くよね(笑)」


一旦は人間なのでイラっとするけど、そういう自分もジャッジせずにあくまで研究対象として客観的に捉え、時にはやり直しをするそうです。

また最近ではこんなことも…


双雲さん「例えば自動ドアに感動してなかったと思って、自動ドアに感動するように神社みたいに入るようにしてたわけ、コンビニとかスーパーとかで。自動ドアの閉まり方とか開き方があんまりにも優しくて、すげーわ!っていろんな人に自動ドアのすごさを言ってたら、自動ドアメーカーから幾つも仕事が来ちゃって(笑)これ偶然に、ほんと」


小橋さん「捉え方を変えると、そうやって現象が分かりやすく出てくるっていうのは、最初は捉え方が変わってから現象が起きるまでの時間て長いんですけど、段々段々短くなってきますよね


双雲さん「本当にそうで。もう1つ面白いのは、最初は解釈だったのが、例えばイラっとしてたと、それを解釈して、それを消していくとイラっとしてたものが違うものに見えてきたりするんだけど、今度はそれが段々と感謝に変わってくると、イラっとしたものがほとんど来なくなって、自分を感謝させてくれるものをより確率論的に引き寄せやすくなるっていうのを、たくさん経験してるから、今度は自分が磁石になるっていうか。そもそも、自分を怒らせる人が減っていくっていう現象が面白い」


小橋さん「自分にとって都合のいいことばかりじゃなくて、都合の悪いことさえも、むしろ都合の悪いことこそ捉え方を変えるチャンスというか。現象を変えるチャンスじゃないですか。そういうことって日々いっぱいあると思うので、小さいことから1回立ち止まってもうやり直してみるっていうのは、必要だなって考えさせられます。

話を聞いてると、一貫して相手方の社会とか現象自体に文句とか難癖をつけるんじゃなくて、自分自身の角度、捉え方を変えることによってその先に起きる現象を変えていっているっていう感じがすごくしますね」


双雲さん「本当そうかも。自分が変わると相手が変わるっていう当たり前のことを、俺が俺がをやめて相手に興味を持ち始めたら、相手が何どうしたの?って足を止めた人に共感するようになったりとか、相手の立場に立つようになったら、突然作品に感動してくれて。アインシュタインのE=mc2(二乗)がめちゃめちゃ現実に表れた感じ。自分のエネルギーの変化が物質の変化っていうのが、あ、物質の変化っていうのは出会いの変化にも変わるんだって思って」


小橋さんは一連のやりとりを通じて、双雲さんを「書道を通じて精神世界を世界に届けていく人」とまとめられていました。


双雲さんの伝え方も、決してこうするべき!とかこうあるべき!という圧のある言い方でなく、自分はこうしてるんですよね、とまさに研究結果を伝える研究者のようで、聴いていて非常に心地いいな、と感じました。


ちょうど、10/8から銀座で個展が始まるそうなので、双雲さんの世界を覗きにいってみたいと思います。


武田双雲展「愛」

https://artglorieux.jp/exhibitions/2020/post-72.html


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