私が届けたいことばのかたち
この一節で始まる絵本「ことばのかたち」。
心が温まったり苦しくなったり、切なくなったり、うきうきして自然と笑みが浮かんだり…
56ページという短さの中で心が色んな方向に動くお話でした。
一度目に読んだ時は、ことばのかたちが目に見えた方が楽だなと思いました。
言葉が人を傷つけるかたち(本の中では針になっていました)だったら、その言葉を発した本人も次からは気をつけるかもしれないし、誹謗中傷が減るかもしれない。受け取る側も避けることができるかもしれない。
ことばのかたちが見えたら、自分の気持ちをわかりやすく伝えることができるし、相手の気持ちもわかる。誤解が減るかもしれない。
こんな問いかけが話の中で出てきても、「ことばのかたちが目に見えるっていいことだらけじゃん。かたちがある方がいい」と思ってしまいました。
しかし、何度も読み返しているうちに、かたちがない方がいいかもしれないと思うようになりました。
もしもことばのかたちが見えたら、私は何も話せなくなってしまうかもしれないと気づいたからです。
同じことばを同じかたちで発したとしても、Aさんにとっては包み込まれるような優しい言葉になり、Bさんにとってはしめつけられて苦しい言葉になる。
そんなことが起こりうる。
そんな2人の正反対の様子を見てしまったら、私は何が正しいのかわからなくなったり、ことばを発するのが怖くなってしまったりするでしょう。
人を傷つけるのも嫌だし、人が傷ついてる様子を見るのも嫌です。何を言えば誰も傷つけなくて済むのかを考えても、人によって捉え方は違うので、私が「この言葉なら大丈夫」と思っても相手を傷つけてしまうかもしれない。
そうすると、「もう何を話せばいいの?!」と混乱して何も話せなくなってしまいます。
私はことばのかたちが見えないからこそ、話せるんだなと思いました。
ただ、ことばのかたちが見えないからといって、何を言ってもいいとは思っていません。
悪意を持ってわざと人を傷つけることはしないと決めています。
私のことばが100人中100人を傷つけないとは言えないけど、それでもやっぱりより多くの人に、目には見えなくても夜道をそっと照らす月の光のようなことばを届けられるようになりたいなと思います。
無理矢理ポジティブになる必要はない。
じっくり自分と向き合って、昨日より今日の自分を好きになる。
自分自身も挑戦しているライフコーチです。
発信の感想や体験セッションのお問い合わせなど公式LINEに頂けると嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?