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【シタールでカバー】Rain / The Beatles

耳コピ、練習、アレンジ、録音、ミキシング、etc・・
自分で締め切り、課題曲決めて、仕事にまつわる諸々の技術向上の為にトライアル作成してる動画シリーズです。
「好きだった曲を限られた時間でベストに」がテーマ
映像と被写体としての自分にはあまり自信がありません。

1966年The Beatles 12作目シングル「Paperback Writer」のB面
「Past Masters (Volume Two)」収録

個人的に最もインド風だと思っている曲です。
Norwegian Wood や Within You Without You などの方が一般的にはインド風として認知されてるとは思うのですが、これらはあくまで使用楽器がインドって事で、この曲には音楽的なインド音楽へのアプローチを感じます。
つまりワンコードですね、
完全にワンコードでもないし、Tomorrow Never Knows とかの方がワンコード感さらにありますが、あの曲はインドとかよりアヴァンギャルドっていうか混沌というか、あんましインド要素は感じません。

Rain はサビの「れ~~~ええ~~~ん」のとこがワンコード、
要のサビにそんな大胆な試みを持ってくる発想が、おそらく当時かなりチャレンジングだったんじゃないでしょうか、ってか他にない。
やっぱジョンの非凡さを感じてしまいます。
で、そのメロディがなんとなくインド古典のアンタラというパートを感じさせます(上のルート音の表現部)。
経過音の「ええええ~~」のとこはインド古典でムルキーという技法です(一息で素早く音の動きを滑らかに表現する)。
あとリズム周期がアレってなる素直じゃない、はぐらかす感じ。

まぁ、ハモらせるのは、楽曲としての説得力を持たせるというか、verseはあくまでコード曲なので、ポップスとしてパッケージングする上での必然でもあるとは思います。
音律が崩れる為、インド古典音楽はハモリません。

それはともかく、そんなインド音楽の用語はどうでもよくて、何らかインド古典音楽を聴いて、その大きな要素であるいくつかの部分を感じ取り、自分の楽曲においしく調理しちゃうジョンのトンデモっぷりです。
当時超絶忙しかったろうに・・
そんな訳で、現代までインド風の曲は数あれど、あくまでポップスの枠内で外連味なくインド古典の表現を消化してる点が空前絶後す。

あ、またジョンの稀有さを語る文章になっちゃいましたが、
メンバーの演奏もヤバいです。
リンゴはこのレコーディングがベストプレイだと言っているそうです。そう思います、Come Together とかも好きだけど。
ジョージの同じパターンのない、わけわかんないアルペジオ(敬意評して譜面化しましたw)
そして、なんといってもポールのベース、この曲の最重要要素です。この曲のベースラインが全レコーディング中一番好きかもしれません。

今回の作成動画では、このベースラインをインド楽器で代替するのは必ず無理!でも必須!って思いまして、私界隈で最もBeatlesフリークかと思われる、樋口繁紀さんに参加ご快諾頂きました。
驚く事にポールがレコーディングしたときのRinckenbacker 4001(?)を携えて、最初に弾いてもらった時にはアガりまくり、涙出ました。
「オレたちも相当ビートルズ好きだゼ!」感のある作業が楽しくて仕方ありませんでした。本当にありがたかったです。
好きなものを「共有」できる喜びはどんなカテゴリであれ幸せですよね。

あ、それとアウトロで、ジョージマーティンの神仕事のひとつである、ジョンのボーカルの逆再生もシタールで再現しました。
映像でシタール逆再生って初かもね
今じゃ素材右クリックして「逆再生」させれば簡単にできちゃう事だけど、その機能があるのは、この人たちの面白い事をしてやろう、という遊び心と探求心から始まったんですよねー、すごい事です。

原曲はこちら~

音はこちらの2009Remaster版がすきです


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