サルデーニャのパンたち
つくられる機会によって多種多様なサルデーニャのパン。そのほとんどがセモリナ粉(粗挽きの硬質小麦)からつくられることが多いのですが、ときには子供や犬の
おもちゃに、とふすま入りの粉で作られることもあります。
また、かたくなったパンはスープを染み込ませて野菜やチーズなどを足して一品
料理にし、余すことなく食べ尽くします(地域によって足す食材、呼び名が異なります)
そんなたくさんあるパンの中から少しだけご紹介します。
-Pane Carasau(パーネカラザウ)-
島の中央辺りの代表的なパン。島外では楽譜パンとして知られてます。
薄~~~く、パリパリの丸いパンは元々羊飼いのパンとして出来た日持ちのする
パンです。
-Spianata(スピアナータ)-
やわらかくペッタンコのパンでピタパンのように開いて中にものを挟んで食べ
られる主に島の北側の食事パンです。生地にジャガイモを入れるところも。
-Pistoccu(ピストック)-
パーネカラザウ同様、薄くパリパリのパンですが、カラザウよりは厚く、硬い
四角いパンです。水で少しやわらかくして食べられることもあります。
-Civraxiu(チブラッキュ)-
円形の大きなパンで外側はパリパリ、中はやわらかな食事パンです。
島の中央から少し下にあるサンルリという町が有名です。
通常、ひとつで1kg以上ある、ボリュームのあるパン。
-Coccoi(コッコイ)-
島の地域によって呼び方が変わりますが、一般的にハサミを入れていろんな形に
細工したパン。先日UPしたようにパスクア(イースター)、お葬式、洗礼式などに
つくられて飾りパンとして食用でない場合もありますが、日常的に食べるものと
して焼かれるパンは外は少し硬めだけど、中はふわっとしていて滋味深い味わい
のあるパンです。
まだまだいろんなパンがあるんですが、ではどうしてここまでパン文化が発達したのか、、、
サルデーニャは美味しい小麦(主に硬質小麦)が出来る土壌、気候である、というのも大きな要因だと思われます。また、パンは昔からサルデーニャの食卓の基本であり、貧しい中にあっても女性の手で作り上げられる芸術品だったということもあるのでしょう。
昔は1週間に一度(保存の効くものは1ヶ月に一度)共同の石釜に持って行き、幾家族かのパンを一緒に焼いており、共同石釜で待つ間、井戸端会議ならぬ石釜端会議が開かれていたそうです。
パン作りは大切なコミュニケーションにも役立っていたんですね。
次回はこの中でも私の一番お気に入りのパーネカラザウについてご紹介します。
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