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オトナを感じる瞬間

これはまさしく、ドライブしている時である。

左にカノジョを乗せ、快晴の元、奔らせる風の心地良さといったら、他には無いオトナ感である。そもそも、運転という行為が、オトナであるから仕方ない。

運転する時に、人が変わったように横暴になるのも、こういう、車による、間違ったオトナ感なのかもしれない。

さて、山梨に住む私は、毎日運転していると言っても過言ではない。

パン修行に行くため、ほぼ毎日往復2時間、バイトへ行くのに、デートに、大学に行くのに、ハンドルを握りる、鼻歌交じりで。

時折、チラッと目に入る鳥が、運転中の私を驚かせる。

突如視界に、疾く、鋭い、黒がやって来ますと思わずブレーキなんかを踏んで、「なんだ鳥か、」と脂汗などかくと、嫌な気分になる、これもまた、オトナではないか。

これは、運転している人にしか気づけないことだろう、ということがある。

道路、車が走る道路に、なんだか弱弱しい、紐のような、でも紐よりは太い、ダルンとしたゴムチューブのようなものが落ちている。

ぜひ、目を凝らして、街を歩くか、運転する貸していただきたい。

必ず、5つ信号を通るなら、その間に必ず1つは、ゴムチューブのような、紐のような、なにか黒っぽい物が落ちている。

いやぁ、アレは一体なんであろうか。

ああいうもの存在を、そうだな、オトナは知っているのだろうか。

運転しながら、「アレは何だろう」なんていう話をした記憶がない。

「うわッ、ねこ」ならよくあるが、ねこを轢きかけるより、チューブらしいアレに遭遇する方が、ずっと多い。

いやぁ、あのチューブらしきものの正体を、私は知らねばいけないと、そういう風に思う。

空には鳥がいて、道路にはチューブらしいものが落ちていて、さてなんで、鳥の羽は、こうも道路に落ちていないのか。

鳥も老衰すると、抜け毛、この場合抜け羽ということは無いのだろうか、朝起きて、枕元に毛が凄いというような虚しさはないのだろうか。

私にはまだ、抜け毛というものは来ていないが、いつか来るなら、この青くてたまらない、若い夏を、思い出したい。

あぁ、あの頃はコドモの癖に、大人ぶっていたなと、変わらず私の左にいるカノジョと、話が出来たらいい。

2,30年経っても、案外、道路のチューブらしきものは、そのまんまだったりするのだろな。

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