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ヤシノミ洗剤アデリアレトロボトル 「リアル昭和」動画撮影の裏側

こんにちは、サラヤ広報のヒダです。
突然ですが、あの大人気グラスウェアシリーズ「アデリアレトロ」と「ヤシノミ洗剤」のコラボボトルが発売されます!

その名も「ヤシノミ洗剤アデリアレトロボトル」

柄はアリス/花ざかりの2種類

2023年1月中旬よりハンズ・ロフトで先行発売し、2月より全国のスーパー・ドラッグストア等で順次展開されます。数量限定なので、なくなり次第終了となります。
※一部取扱いのない店舗もございます

そんなヤシノミ洗剤アデリアレトロボトルのメインビジュアルがこちら。
レトロかわいいグラスウェア、アデリアレトロとのコラボらしく「喫茶店」なビジュアルになりました。

メインビジュアル

そして、同じく喫茶店がメインのものと、懐かしのヤシノミCMをオマージュした広告動画を2本作りました。それぞれ15秒ほどです。すごくいい動画なので、ぜひ見てください!音声アリがおすすめです。

ご視聴いただけましたでしょうか?
当時の動画?と思ってしまうほどの当時の昭和らしいCMに仕上がっており、発売年を書いておかないと最新の動画と認識してもらえないのでは?と公開前に字幕を一部変更したくらいリアルです。

この動画は制作チームのこだわりと昭和愛が詰まって完成したので、ここではその制作の裏話を書いていきたいと思います。

プロジェクト結成まで

アデリアレトロコラボのボトルデザインが決まり、発売予定日が見えてきた2022年9月。ヤシノミ洗剤広報担当の私は、歴史あるアデリアレトロとヤシノミ洗剤の良さが生きるよう、思いっきりレトロなビジュアルにしようとたくらんでいました。サラヤは創業70周年を迎えたばかり。歴史的な資料は多く残されています。そこで、まずは会社の倉庫に昔の広告を探しに行きました。

ヤシノミCMが映ったテレビ画面の生写真
ヤシノミ誕生と同時期のサラヤ シャボネット 広告

実際に過去の広告を見てみて、想像しているレトロのイメージは60年代~80年代なんだということがはっきりしてきました。
とはいえ「60年代~80年代」では20年も離れていますし、各年代の特徴を私はざっくりしか知りません。しかし、それでも昭和へのリスペクトが伝わるレトロビジュアルにしたかったのです。
「これは有識者をアサインしないと・・・」
ということで、Instagramで昭和に詳しい方をリサ―チしていたところ、今回メインビジュアルのモデルをつとめていただいた宮木理沙さんと一方的に運命の出会いを果たしました。

ご本人Instagramアカウントより

昭和に詳しく、笑顔も当時の新星アイドルのようにバッチリ・・・!
ご連絡したところ、すぐにご快諾いただきました。しかも、ご実家でヤシノミ洗剤をお使いいただいていたとのこと。うれしい限りです。
その後、上の写真の理沙さんをヘアメイクされたヘアメイクアーティストの津嘉山みなみさんにもご参画いただきました(最終的にはご出演もいただいた)。みなみさんもまた昭和を愛し、さらに普段からヤシノミ洗剤をご愛用いただいているとのこと。うれしすぎます。
そんなお二人にプロジェクトに入っていただき、レトロビジュアル計画が始まりました。

時代設定

理沙さんとみなみさんにお集まりいただき、ビジュアルをどんな時代設定にするかの打合せをしました。ヤシノミ洗剤は1971年誕生、そしてコラボするアデリアレトロの柄(アリス/花ざかり)も1971年誕生の同窓会コラボです。しかし、ビジュアルまで70年代完全再現となると、メイクやファッションが商品より強くなるかもしれないというのが悩みどころでした。
しかし、打ち合わせをする中でお二人が「○○年」ってこうだよね、と1年刻みで共通認識を持っていることに驚いたり、古雑誌でモデルさんの服やメイクを見せてもらいながら最終的に「ヤシノミ洗剤が一般家庭用で売り出して数年の1982年2月」まで時代設定を絞ることができました。この企画に関わるまでは、80年代はバブルのイメージが強かったのですが、80年代前半(バブル前)は思ったよりナチュラルでヘルシーな感じのスタイリングが多く、ヤシノミのイメージに合うなと思いました。メイクもやさしめでブラウスがよく似合います。髪の毛は、聖子ちゃんカットです。

ロケ地

ロケ地探しにはなかなか苦労しました。「ヤシノミ洗剤とアデリアレトログラスが、画面に同時に収まって違和感のない場所」ということで、撮影場所は喫茶店にしようとある程度イメージを持っていました。カウンターがあって、趣があって、出来れば60〜70年代開業の喫茶店(理想)。しかし、いいなと思って電話したところはすべて断られてしまいました。心が折れかけながら他に当たれる場所がないか探していたとき、ついに見つけたのが今回のCMで使用したロケ地です。
映画のように素敵でドラマティックなスタジオ。元々スナックとして営業されており、道路拡張により残念ながら今後取り壊される予定だそうです。

ライトや机の色味もおしゃれ

カウンターも食器洗いスペースもあり、すぐにそこに決定。管理者さんとのやりとりの中で、「当時もお客さんと話しながら食器洗い等していたと思います。」とのお言葉をもらえてほろりときました。

撮影

演出は映像プロダクションVIXY所属の葛飾出身さん。Twitter上で自作のレタリングをフィーチャーした短編ビデオ日記「今日の日記」の投稿が人気で、昭和っぽい作風にも期待できる。と理沙さんとみなみさんからの圧倒的支持を受け、依頼させていただきました。
撮影当日。
朝はヘアメイクから始まります。メインビジュアルで印象的な聖子ちゃんカットは、①事前に80年代当時実際に聖子ちゃんカットを担当されてこられたベテランの美容師さんにベースのヘアカットを行っていただき、②みなみさんがヘアセットすることで立体感ある仕上がりが実現しております。メイク風景を見学していて、印象的だったのが昔のリップパレットを使用されていたことでした。口紅の色にも流行りがあるので、レトロメイクを施すときは今のメイク道具では再現しにくいんだとか。プロの仕事×昭和知識が成せる技を目の当たりにし、みなみさんにお願いしてよかった、と心から思いました。

ヘアメイクが終わったら、撮影開始です。
無色透明なボトルに、コラボでさらにラベルまでもがうっすらクリアになってしまったヤシノミ洗剤×自然光の難しさを実感しつつも、撮影は進んでいきます。

圧巻のポージングを決めてくれる理沙さん
コーヒーフロート職人になりました
撮影の合間にお直しが入ります。出演にヘアメイクに大忙しのみなみさん
スタジオ撮影では理沙さんのスター性に現場が沸きました

朝早くから夜遅くまで撮影は続き、無事すべて撮りきることができました。理沙さん、みなみさん、葛飾出身さん、撮影の佐藤さん、照明の木村さん、プロデューサーの飯野さん。私が不慣れな中、根気強く撮影にお付き合いいただきありがとうございました。

撮影小物・衣装

撮影に使用した小物にもしっかりこだわっています。実際に営業している喫茶店で撮影するわけではないので、画面に映る小物などはある程度自分たちで組み上げる必要がありました。「1982年に喫茶店で使われていておかしくないもの」をテーマに理沙さんとみなみさんの知識や、ときに私物までお借りしながら小物を準備しました。すべては紹介しきれませんが、アデリアの昔のグラスや灰皿なども持ち寄っていただいています。そして、当時の電話やレジスターはヤフオクで、喫茶店で使うような業務用品は東京浅草のかっぱ橋道具街で探しました。

衣装は、理沙さんみなみさんそれぞれの人物設定を元にご提案いただきました。
理沙さん:喫茶店が好きな学生でこの喫茶店に来るのは初めて。襟付きブラウスにチェックスカート(当時流行っていたテイストです)。
みなみさん:喫茶店マスターの娘で、しぶしぶ店に立っているため愛想は悪い。普段着のままエプロンを付ける。80年代前半らしいビビッドなイエローのスウェットとピン止め。

セットはこのようになっています。奥に写る卓上ランプは理沙さんの私物(60年代のもの)
1982年2月のカレンダー


雑誌は1981年~1982年のもの。設定の1982年2月を超えないように注意しました。
電話やレジスターも昔使われていたものを用意しました
立てメニューは葛飾出身さんの味のある手書き。価格設定もリアルですね。

編集

撮影が終わり、最後は葛飾出身さんが撮れた映像を編集してくれます。動画は2本あり、そのうちひとつはヤシノミ洗剤の過去CMのオマージュです。

こちら90年代のCMですが、要素を分解しつつ82年らしい演出を加えていただきました。

ナレーション


昔のテレビやラジオ音声特有の、特長ある発声と音質が再現できたらグッとリアリティが上がるな、かなり無理なお願いをしているなと思いつつ「ナレーションは『昭和しゃべり』にしてください」とお願いしたところ、葛飾出身さんは見事その要望に応えてくださいました。ご視聴いただいた方は一緒にうなずいていただけると思うのですが、本当すごいですよね。
ちなみに懐かしのヤシノミCMオマージュ篇では、演者の理沙さんにナレーションを担当いただいております。理沙さん曰く、「若干の言わされてる感と元気で若い感じを意識しました」とのこと。さすが昭和アイドルに造詣が深い理沙さん。駆け出しアイドルのつもりでと演じていただいたので、声までそのままの設定が活かされています。

音楽・効果音

動画で流れている音楽も葛飾出身さんに作曲いただいております。映像を邪魔しないのに少し癖のある昔っぽさを感じるBGM。さらに純喫茶篇は臨場感のある効果音が入っています。冒頭の「カランカラン」というドアベルの音や食器を洗う音、すすぐ音。実際に当時の喫茶店に入ったかのような感覚になります。

写植(写真植字)

みなさんは写植をご存じでしょうか。

正式には「写真植字」といい、写真の原理を用いて印字する方法のことを指します。いわば文字の写真で、文字の形を撮影して感材に焼き付けたものも写真植字(写植)と呼びます。

亮月写植室より引用 http://ryougetsu.net/ab_nani.html

90年代後半生まれの私にはあまりなじみがありませんでしたが、雑誌や広告、漫画といった印刷物だけでなくテレビのテロップにも当時は主流として使われてきました。
今回動画内のテキストはLamplighters Labelの小林さんにご協力いただき、全て写植で作成いただきました。味のある書体が素晴らしいことながら、リアリティのある昭和らしさに厚みを持たせていますね。

最後に

こうして、企画から編集まで昭和を愛する方々の監修を受けながら動画は完成しました。公開後、すでにたくさんの方に見ていただきうれしく思います。

この裏話を知ったうえでもう一度動画を見ていただくと新しい発見があるかもしれませんね。
また、お店でぜひヤシノミ洗剤アデリアレトロボトルを探してみてください。詳細は特設サイトへ→https://www.yashinomi.jp/aderiaretro/

演出・編集・作曲:葛飾 出身(VIXI) Twitter@ahtamaraneze

出演:
宮木 理沙 Instagram@astrokirin
津嘉山 南 Instagram@u_rinthyy

撮影:佐藤 勲

照明:木村 佑一郎

ヘアメイク:津嘉山 南

写真植字協力:小林 功二(Lamplighters Label)Twitter@luktar

プロデューサー:飯野 史子(VIXI)


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