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認知症の母の下着について

お目汚しで申し訳ありませんが、写真は認知症の母90歳の下着です。
(安心してください!新品ですよ)

母は若くして夫を病気で亡くし、3人の子供を連れて嫁ぎ先の家を出ました。

食べていくために3つの仕事を掛け持ちし、そのうち下着と化粧品の販売は抱き合わせのようにしていましたが、知り合いのおばちゃんたちから支持されて、それなりに売り上げていたようです。

80歳も過ぎると、知り合いのおばあさんたちもどんどん減っていき、存命だとしても、もう下着や化粧品に高いお金をかける人はいなくなりました。
その頃に、私が手続きをして代理店もやめたのですが、手元には結構な量の下着や靴下が残ったのです。
「どれでもいいからあげる。」と言われましたが、どうも私の好みの物はありませんでした。
なので母はそれらを自分で使っていたわけですが、中にはとても80歳過ぎのおばあさんが穿かないようなヒラヒラのレースのショーツなども。

母は、デイサービスで入浴はしません。
だから誰に見られるわけでもないので、ヒラヒラのレースのショーツをずっと愛用して(させて?)いました。

ところが以前、デイサービスから帰ってきた母のズボンに名前が書いてあったことがありました。
ん?母は入浴はしないはず。なのになぜ?
体重を量る時にでも脱いだ?
あれこれ考えましたが、その時に思ったのは
「ということは、ばあちゃんのヒラヒラのレースが誰かの目に触れた?」ということでした。

さすがに「他人に見られたらちょっと恥ずかしいなぁ。。」と思いたち、さっそく新しいものを買い求めました。
それが上の写真です。

レースが付いていますが、これでも以前の物に比べたら段違いに地味。

母はもう、自分で下着を選んで穿くということはないので、新しい下着だという認識もなく、出されたものを穿いています。





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