【夫くんの居ない一ヶ月のこと】10月1日㈯ 金木犀の香りは、やさしくてつよい
ゴミ出しに行きました。
朝の空気は思っていたよりもずっと冷えていて、「ああ、寒い」なんてマスクの下でこぼしながら。
外に出てみたら霧が立ち込めていて、少し離れたところにある建物が霞んで見えたり、そこまで高くない建物の上の方が雲に包まれていたりと、もんやりとした景色が広がっていました。
天気予報では、今日の天気は曇り時々晴れ。
「本当に晴れるのかなあ」と思いながら、少し離れたゴミ捨て場まで歩いて、捨てて。
それが、朝6時の出来事。
周りには誰も居なくて、私一人。
こっそりマスクを外してみたら、ふわふわと香る、金木犀の甘い香り。
どこに咲いているのかは分からない、でも、町を包み込んでいるのではと思ってしまうくらいに確かに香っている花の香りを、思わず身体いっぱいに吸い込みました。
金木犀の香りは、やさしくてつよい。
甘くてやさしくて、心をそっと癒してくれるような香りをしているのに、姿は見えませんでした。
「悲しい」という実感は、すぐには湧いてこない
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