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「性格が悪い!」と言われながら、私はあなたを呪い続ける


今月2回程、友人宅でボドゲをやる会が開かれた。

もともと付き合いが長く、定期的にオンラインで、ときにはオフラインで、雪山人狼やらボドゲやらいろんなもので遊んでいた大学時代の友人らで、ゲームが好きなメンバー。
その中の一人が、大学時代やってとてつもなくハマった経験がある「ドミニオン」をやりたい、と言って、気づいたらスターターセットプラスアルファを買い揃え、500枚を超えるゲームカードをスリーブに入れると言う作業までこなし、準備を万端に整えてくれていた。

ドミニオンとは

ドミニオンとは、各プレイヤーが領主となり、お金を稼いだり、アクションやスキルを駆使したりして、領地(勝利ポイント)を獲得していくというゲームで、最終的に一番ポイントを獲得した人が勝ちというシンプルなルール。
ドミニオン、何が凄いかというと、先ほど「スターターセット」という書き方をしたことからもわかる通り、拡張パックがとんでもなく出てる。一回の勝負で場に置いて使えるカードの種類は10種類と決まっているのだけれど、その10種類が、拡張パックも買えばめちゃくちゃ色んな組み合わせで遊べるので、毎試合毎試合、展開もメタも戦い方も多様オブ多様となるわけです。お気に入りのカードとか、好きな戦い方とか、なんでもできちゃう。

そんなドミニオンをやる会、7月初旬に行った第一回では、ルール説明を交えつつ、おやつを摘みながら、ろくに休憩も取らずにやり続け、気づいたら約10時間が経過しているという恐ろしさ。
その後友人はさらに拡張パックをいくつか買い集め(そしてカードスリーブにせっせと地道に入れる作業をまたこなし)、昨日、早くも第二回が開催された。そしてこれまた、始めたと思ったら気づくと9時間が経っていたので本当に恐い、ドミニオンって子は。まったく強引なんだから。

というのが前提で、そのドミニオンにおける私のプレイスタイルに関して、はっとしたことがあったので記そうと思う。

勝利の鍵である領地集め。もちろん、色んなやり方があるんだけれど、そもそも基本的な流れとしては、まずお金(財宝カード)を集め、そのお金で場にあるカードを買い、そのカードが積み重なり、自身のターンに使えるデッキになっていくというのがある。そのデッキをまわしながら、より自分に有利になるような役立つカードを集めてさらにデッキを作っていきつつ、お金を集めて領地を買う。

勝利点となる領地を買うにはまあまあなお金がいる。だから、たとえば、お金をいっぱい自分のデッキに入れて、且つそれを1ターンで領地買える分だけ集めるためには、ドロー効果のあるカードを入れて、とにかくデッキを回転させるみたいなプレイスタイルが基本としてある。デッキがまわる=やりたいことがやりやすくなるので。

そして、まあどんな対戦ゲームでも存在すると思うんだけど、「お邪魔カード」なるものも多く存在する。他のプレイヤーの持ってるお金を廃棄させるだとか、呪い(勝利点をマイナスさせるカード、しかもデッキに入るからデッキが嵩張り、廃棄しないとずっとドロー候補に入ってしまうのでクソ邪魔)を相手にかけるカードとか。

というところで、本題に入ると、私はそんなお邪魔カードを見るや否や即買ってしまい、とにかく周りを邪魔をするプレイばかりしていた

そんな私のプレイに対する友人らのリアクションは以下である。

「ひどい!」「悪魔!」「ちくしょう、お前の所為で!」「性格が悪い!」

そんな阿鼻叫喚に苦しゅうない、と酔いしれつつ、私の所為で友人らの手元から廃棄されていく大量のお金やら、溜まっていく呪いやらを見ることや、自分のターンでやりたかったことができなくなって苦しむ姿を見るのはとても楽しかった。

尚、楽しんではいるものの、邪魔ばかりして領地集めは一歩遅れるため、勝率はあまりよくない。もっとこうすれば勝てるかもしれないのに、とか考えることもありつつ、私は目先の悪事から逃れられない。

なぜ私はそこまでして性格の悪い戦い方をしてしまうのか?

それは私が性格が悪いからである、とするのが簡単なのだけど、ちょっとそれは一旦避けて。
思い当たった理由は二つ。

まず一つ。これは「負けても悔しまないための保険」なのだということ。

私自身が負けず嫌いというよりは、負けたときに悔しいと感じる負け方を避けたい人間なのだと思う。そのため、真面目に、勝利に向かって、地道にコツコツ戦って、及ばず負けたときが多分一番悔しい。
後、真面目にコツコツやってるところを、悪いやつに搾取されるのも辛い。それなら私が最初から悪いやつであれば良い。
騙すより騙される方が……という言葉があるけど、私は、基本的に騙されたくない!

だから、勝ったらラッキー、負けたけどやりたいことやったからいっか、という自分にとって適切な勝利後の感情を得たくてやっているのだ。

もう一つの理由。単純に、「欲求に弱く、我慢ができない」ということ。

前述したようにドミニオン、めちゃくちゃ色んなカードがある。お邪魔カードがない場もある。そんなときも、私は気になる、欲しい! というカードを即買う。だから、性格の悪い戦い方を狙ってやってるわけではなくて、私が使いたいカードがたまたま性格悪い、変な性質のカードが多い、というだけ。

そのため結論としては、私が性格の悪い戦い方をするのは性格が悪いからではなく、性格の悪いカードが好きだからなの!!

なんで好きかっていうと、性格が悪いからかもしれないけど!!


などと思いました。
そんな性格の悪い戦い方もできるドミニオン、面白いです。その場ごとに、いいなと思うカード、運命をかけたくなるカードが変わるので、「今日はこの子メインでデッキ組もう」と考えて進めていける。
拡張パックも、後半に進むほど複雑なカードも増えていき、なかなか難しくなるけれど、第三回以降もまたどんどんやると思われるので楽しみ。

あ、当たり前なんだけど「ゲームが好き」「楽しむのが好き」なのが大前提なので、ゲームのルールに違反したヒールはやりません。後、自分自身が人にヒール戦法されても本気では怒らないし私の友人らももちろん本気では怒ってないよ!(そもそもヒール戦法でマジで怒っちゃうような人とはゲームやりたくない!)

そんな感じで、気を許せる友人との戦いは何やってもいいので楽しい。プレイスタイルが個性豊かでなのもまた楽しい。

私は今後もまた性格の悪い戦い方をすると思うけれど、どうかまた「性格が悪い!」と叫ぶ声を聞かせてね。
これからもよろしくお願いいたします。


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