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ニート・ラプソディ

ラプソディなんてかっこうをつけてみたが、実際はただのニートだ。
まともにはたらかなくなって2年が経った。

公務員を辞め、せっかく拾ってもらったスタートアップではミスを連発し、使い物にならなかった。
そのあとようやく入った会社でも、4カ月で休職。
ハローワークに通っている。
ライターとしての記事も半年近く書けていないし、せっかくもらった個人の仕事も結局達成することができなかった。

地域活動でも、友人関係でも、信頼と信用がなかなか築けない。


中野市で大きな事件が起こった。
彼がどんな境遇であったかはわからない。
地元の名士の息子で、ひきこもりがちであったというニュースが流れる。

無敵の人、という言葉が出始めたのはいつからだったろう。
仕事や家族、地縁など社会的に何も失うものがない人、のことを指すのだという。
正確には、失っても当の本人が困らないという状況らしい。

加害者は「無敵の人」だっただろうか。
不謹慎だが、亡くなってしまった人よりも歳が近い加害者に感情移入をしてしまう。
ワイドショーやSNSでは「理解ができない」という言葉が多く並ぶ。
そりゃあそうだ。そんな状況に、そんなことをしてしまう状況になったことがないのだから。

世の中には、自分のように「人の信用や信頼を勝ち取りにくい人種」が一定数いる。
そういう人からは人が離れていくし、孤立を高めていく。
家族がいる間は良い。
ただ、家族がいなくなったら途端にどうしようもなくなる。

焦る。

焦る。

もう33だ。
後がない。

後がなくなったら、いつの間にかいなくなってるかもしれない。
人に迷惑をかけないところでひっそりと。

私に、朝は本当に来るのだろうか。
朝を迎えるために、動けるのだろうか。

病気が治った後の不安が、今まさに的中している。

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