おじいちゃん

私が中学生の時、おじいちゃんが癌で
亡くなった。まだ60代だった。

物心ついてから初めてのお葬式だった。
おじいちゃんは長い間寝たきりで、
自分で何もできない期間が長かった。
何となくそれが近い事は私もわかっていた。
だからだろうか。それともまだ未熟だったのか
私は暗い気持ちにもならず涙も流さなかった。
安らかに眠っているようなおじいちゃんの顔を見て隣で号泣する姉。
姉はおじいちゃん子だった。
それにもらい泣きするなんてこともなく、
おじいちゃんは焼かれてお骨になった。
全てが終わり暗い雰囲気の家族。
真似して暗くなる、、
なんて事は私にはできず、いつものように
陽気に振る舞い、家族を笑わせた。
みんなが笑ってる方がいいと思った。
きっと私はまだ子供で、死というものを
芯に受け止めることなんてできていなかった。
わからなかった。

おじいちゃんは動物が大好きだった。
動物嫌いだった私は、おじいちゃんの家で飼っていた愛猫の事を怖がり、よく怒られていた。
怖いもんは仕方ないのに。
そんな事もあり、子供の頃は怒られた記憶が鮮明に頭にあり、怖い印象が強かった。
でも今思い返すと、おじいちゃんは家に行くたびに車でいろいろな場所に連れていってくれたり、庭でみんなでバーベキューをしたり楽しい思い出もたくさん私たちに残してくれていた。

きっと今は溺愛してた愛猫やそれ以外の動物にも囲まれて幸せに過ごしていると思う。
そっちでは、動物嫌いな人の事あんま叱らないでね。元気でね。

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