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建築物を見て歩く❹自由学園明日館
バルセロナでガウディのサグラダ・ファミリアを訪れた時、ステンドグラスから降り注ぐ光を
全身で受け止めたことを覚えています。「神は光である」その言葉を体感した瞬間でした。
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教会建築で見るステンドグラスは手の届かない高い位置にあり、静かな美しさは記憶の奥深くに留まります。
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ノートルダム大聖堂の薔薇窓と呼ばれる円形のステンドグラスもはるか彼方に位置し、外光を受けて神々しいまでの美しさです。
繊細なデザインと色の組み合わせは、先人たちの美意識の集大成だと思います。
今回訪れた自由学園明日館では、ステンドグラスを身近に感じることができます。
この建物は建築家フランク・ロイド・ライトと遠藤新の2人が設計しました。
教会建築に使われていたステンドグラスを一般住宅に取り入れたのが、F.L.ライトだと言われています。
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F.L.ライトがデザインしたステンドグラスには特徴があります。直線、幾何学的な装飾が中心で、曲線や植物などはあまり使われていません。
ホールの南面に設置された5枚のガラスは、左右対称の幾何学模様で構成されています。
外の景色をくっきりと切り取る
しっかりした黒のラインが美しく、額縁のようにも見えます。
デザインだけでなく、シックな色使いは一般住宅にも取り入れやすいと感じました。
他にも自宅インテリアの参考にしたい提案をご紹介します。
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玄関扉を開けた瞬間、視線の捉える先が明るく整えられていると奥行きを感じます。
玄関から続く廊下を均一に明るくするのではなく、一番奥にある扉や壁に光を集中させると効果的です。
図面上での美しさではなく、どうすれば魅力のある空間になるか、想像力をフル稼働することが大切です。
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天窓だけでなく、壁の高い位置に設けられた窓は、光を豊かに取り込むことができます。
視線はシャットアウトし、光だけを招き入れる開口部の存在を
意識してみてはいかがでしょうか?
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かつて照明器具と言えば、部屋の中央にシーリングライトと呼ばれる天井直付灯が主流でした。
天井に埋め込むタイプのダウンライトはあくまでも脇役、補助照明でした。
今では、廊下やトイレ、洗面所などは当たり前のようにダウンライトが使われています。
さらにLDKや寝室などもダウンライトと建築化照明と呼ばれる
器具を見せない照明計画が望まれるケースが多くなりました。
器具の存在を感じさせないことで天井面からノイズを消し、高さも強調できます。
天井高の取れない一般住宅には大切な考え方だと思います。
F.L.ライトは高すぎる天井に変化をつけるため、自らがデザインした照明器具を取り付けました。天井が高い施設などでは、天井近くに何もないと空間が間伸びしてしまうリスクがあるからです。
これは一般住宅にも置き換えて考えることができます。
デザイン性のあるペンダントライトやフロアスタンドを1つ加えることで空間に個性と彩りが生まれます。
照明器具の存在をノイズと呼び、空間から消してしまう考え方ばかりだとつまらないと思います。
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自由学園明日館からの帰り道、東京芸術劇場に立ち寄りました。
天井を覆いつくすガラスがF.L.ライトデザインのステンドグラスを彷彿させます。
時間を置かずに見たせいでしょうか?
先人の美意識を改めてリスペクトした体験でした。
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